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水草はいらない!?流木だけでおしゃれな水槽レイアウトを完成させる方法

プロが水槽のレイアウトを手掛けると、流木のみを使う場合でもおしゃれなレイアウトを作り出します。流木の種類としてはホーンウッドやブランチウッドなどが使われますが、同じ流木でも以下のポイントを押さえることでおしゃれに見せることが可能です。

  • 流木の特徴を活かす
  • 親近感・高さを出す
  • ライティング

今回はプロのアクアリストが流木レイアウト水槽を作る際のポイントや、流木ごとに適したレイアウト、水槽のレイアウトを流木のみで作る場合のメリットなどをご紹介します。

プロアクアリストが作った流木レイアウト水槽

レイアウト水槽をプロが作る場合、水草と流木を併せて使い見た目にもきれいなものを作ることも多いですが、流木だけを使っても見ごたえがしっかりとありながらもおしゃれな水槽を作り出すことも可能です。

そんな流木レイアウトの一例として、実際にプロアクアリストが作ったレイアウト水槽をご紹介します。

水槽の左奥から全体的に枝を広げている三角型のレイアウトが特徴で、遠近感もしっかりと感じられる立体的な構図に仕上がっています。

蓋をしていないオープンアクアリウムにしているので水槽の高さにとらわれないダイナミックさがありますし、細かな枝に光が当たることで作り出される影が幻想的な美しさを表現しているのもポイントです。


こういったレイアウトにすると、水槽でよく使うもののどうしても目立ちやすいのがネックなエアポンプなどの機材を、流木の存在感によって目立たなくすることができるメリットもあり、水槽内で飼育する熱帯魚などの生体をより際立たせることができるんです。

水槽のレイアウトに流木を使うときは下準備が必須。こちらのページで必要な準備をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

流木のみでもおしゃれなレイアウトを作るポイント

実際にプロが作った流木レイアウト水槽をふまえて、流木のみでも見ごたえのあるおしゃれ水槽を作れることをご紹介しました。でも流木のみでおしゃれなレイアウトを作る場合、いくつかのポイントをきちんと押さえる必要があるんです。

ここからはどのようなポイントを押さえるのかについてお話します。

流木の特徴を活かす

水草ほど多くはないものの、流木にもいくつかの種類があります。またトリミングなどによって同じ形のものを作れる水草と違い、流木は全く同じ形のものがなく、色合いや形など流木ごとに特徴があるのもポイントです。

このため使用する流木の特徴を活かしたレイアウトにすることがとても重要で、きちんと特徴を活かすことができれば、他に類似したもののないオリジナリティあふれるあなただけのオンリーワン水槽を作れますよ。どんな流木があり、どういったレイアウトに合うのかについてはこの後でご紹介していきます。

遠近感・高さを出す

流木を使う場合に限らず、水草を使う場合など水槽のレイアウトを整える場合全般に該当する話ですが、これらのものや底砂などの配置を工夫して遠近感を出すことは重要です。これを考えないとおしゃれにできたつもりでも遠近感がなく、のっぺりとした感じになってしまいます。

水草に比べて流木は形状的な面からも高さのあるレイアウトにしやすく、意図的に水面から枝などを飛び出させるオープンアクアリウムも作りやすいですし、遠近感もしっかりと持たせることでクオリティの高いレイアウト水槽を作り出すことができます。

水槽のレイアウトが不自然な場合に注意すべきポイントをこちらのページで紹介しているので、お悩みの人はぜひ参考にしてみてください。

ライティング


レイアウト水槽に流木のみを使う場合、光が当たると木漏れ日のような光を生み出せることに加えて、枝から伸びる影がとても美しく映えるのもポイント。

ライトの強さによってさまざまな見た目を生み出すことも可能で、強めの光を当てると枝の陰影を濃くすることが可能ですし、光を弱くすれば陰影が淡くなるので雰囲気のある見た目を作り出すことが可能です。

このようにライティングの工夫によって大きく水槽の美しさを変えることができるので、流木のみでレイアウト水槽を作る場合はぜひともこだわりたいポイントのひとつです。

流木を使ったレイアウト水槽などで重要になる照明についてはこちらの記事でご紹介しています!

石も利用すればハードスケープアクアリウムに


『ハードスケープアクアリウム』というレイアウトを聞いたことはあるでしょうか。

水槽のレイアウトに流木・石・砂といったゴツゴツしたアイテムのみを使用したレイアウト水槽のことで、水草水槽などよりダイナミックに見せることができるのが特徴です。

まだシンプルなアイテムのみを使うので無駄を省くことができることに加え、素材が持つ曲線美などスタイリッシュさを強調できるレイアウトですが、定義はわりと幅広くなっていてモスを使用したハードスケープアクアリウムもあります。

背景色を白や黒などメリハリの利いたものにすることでワイルドさが際立ちますし、切り立った山々を想起させるようなデザインのものが多いのも特徴です。

シンプルだからこそセンスが求められる部分はありますが、味わい深さではレイアウト水槽の中でも上位なので自然の雰囲気を求めたい人におすすめです。

流木の種類と適したレイアウト

流木とひとくちにいってもさまざまな種類がありますが、その中でも大きく4つに分類させることが可能で、それぞれに適したレイアウトがあります。

上記でご紹介したように流木の特徴を活かすためにも流木の種類を知っておくことは重要で、ここからはどのような流木が三角構図や凹型レイアウト、凸型レイアウトなどの構図パターンに合わせられるのかをご紹介します。

それぞれの構図の特徴やパターンについてはこちらのページでもご紹介しています。

ホーンウッド

カミハタ タイ産天然流木 ダークホーンウッド L 形状お任せ 未アク抜き 約28×20×30cm アクアリウム 水槽

鹿の角を連想させるような特徴ある形状をした流木です。見た目が良いことに加えてレイアウトがしやすいということもあり、三角構図をはじめとしてさまざまなレイアウトに活用させられるので人気も高い流木です。

木の質感も野性味があるタイプなので複数のホーンウッドを組み合わせて使うとさらに味を出すことができます。

ブランチウッド

1pcの木自然トランク流木ツリー水族館水槽植物の装飾飾り-wood color, XS

ホーンウッドよりも細かい枝が多くついており、枝の分岐も多いので単体使用にも向いている流木です。比較的どんなレイアウトでも特徴を活かすことができますが、三角構図にもっとも向いたものといえるでしょう。

塊状流木

形状お任せ 煮込み済み 塊状流木 Mサイズ(約20~25cm) 1個 アクアリウム テラリウム レイアウト素材


枝がなく塊状になっているのでこういった名前で呼ばれる流木です。その形状からどっしりとした存在感を持ち、構図が安定しやすいのが特徴。その安定感を発揮させられる凹型レイアウトで取り入れるのがおすすめです。

スタンプウッド/切り株流木

ソネケミファ スタンプウッド S (1個) 流木 水槽用レイアウト 観賞魚用品


枝がない塊状流木の中でも、見た目が切り株のような形状をしているものを指します。塊状流木と比較して形に味があるものが多いので、凸型レイアウトで使いたい流木としてピッタリです。

しかしおしゃれに使うにはレイアウト力が求められる部分も少なくないので、初心者には若干敷居が高い流木といえます。

流木の種類などについてはこちらでもご紹介しているので参考にしてみてください!

流木のみでレイアウトを作るメリット

ここまでは流木のみのレイアウト水槽をおしゃれに見せるためのポイントや、使われる流木の種類などをご紹介しましたが、ここからは流木のみでレイアウト水槽を作るメリットについてご紹介します。

熱帯魚・生体が目立つ、個性的で存在感があるレイアウトになる

水草を使ったり、石などを使うハードスケープアクアリウムと比較して流木のみを使ったレイアウトはほかのアイテムがないこともあり、流木の味を存分に活かした水槽を作ることができるんです。

そのため水草水槽などとはまた違う独特な魅力があるのもポイントで、流木の存在が水槽内で際立つ面がありながら熱帯魚などの生体も目立たせるレイアウトにできます。

ディスカスなどと組み合わせてもいいですが、ネオンテトラをはじめとする光沢が美しい生体と組み合わせることでコントラストが際立った美しさが見られます。

流木を好む生体に最適な環境にできる

水草水槽にプレコやシュリンプ類などの生体を入れると、水草を掘り返したり食害を起こしたりという危険性があります。

でもこれらは流木を好む生体で、流木のみのレイアウト水槽に入れることで生体に合った環境を作れることに加えて、流木水槽ならではの見せ方も可能になるのも大きなポイント。

さらに流木には「腐植酸(フミン酸)」と呼ばれる成分が含まれていて、これが水に溶けだすことで水槽内の水質を弱酸性にすることができ、アピストなどブラックウォーターを好む生体に向いた環境を作れますし、シュリンプの繁殖を促す効果もあるんです。

水槽内の水質を弱酸性で維持したいという人はこちらの記事もおすすめ!

水草のように成長にあわせて調整をする必要がない

水草は主に淡水水槽で使われることが多いアイテムですが、あらかじめ成長することを見越したうえで植える必要性があったり、成長によって伸びすぎた場合にはトリミングをしなければならないので、手間がかかることや技術も必要なのがデメリットになりやすいです。

しかし流木は最初にアク抜きなどの下処理をきちんとすれば、水槽に入れた後で手間をかけずに済むメリットがあります。

万が一途中で流木にカビが生えてしまった場合にも適切な処理をすればそれ以上の手間はかかりません。

メリットの多い流木ですが、コケが生えやすいというデメリットもあるのでこれを防ぐためにお掃除をしてくれる生体を入れておくと安心です。最適な環境を生み出せることに加え、お掃除もしてくれるといったポイントからプレコ類などを入れるのがおすすめなんですよ。

熱帯魚水槽内にカビが発生してしまった場合の原因や対策についてはこちらの記事で見ることができます。

まとめ:オリジナリティがある貴方だけの水槽を作ることができる流木レイアウトを作ろう

流木のみでレイアウト水槽を作ると水草水槽などに比べてゴツゴツしたものになりやすいですが、自然な味が出せることや同じ形のものがないことから、オリジナリティあふれる独自の水槽が作れるというメリットがあります。

しかし流木を入れればなんでもいいというわけではなく、流木の特徴を活かすことや遠近感・高さを出すなどのポイントを押さえることが必要不可欠。

でも水草などのように細かいお手入れも不要で最初だけ手をかければいいので、あまり時間が取れない人にもおすすめです。流木レイアウト水槽を作る際は今回ご紹介したことを参考にして、おしゃれでオンリーワンな水槽を目指してみてはいかがですか?