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汽水魚を飼育してみよう!飼いやすい汽水魚3選とおすすめの飼育方法!

河川と海が接続している場所は淡水と海水が混ざり、ある程度の塩分を含んだ水になっています。その水域を汽水域と言い、汽水魚はそこを好んで生息している魚種を指し、水槽でも飼育しやすい魚種としては、ミドリフグや淡水ハオコゼ、ヒメツバメウオなどが代表的です。

汽水魚は水質や水温の変化に強い魚種が多く、飼育自体は容易な傾向にありますが、汽水の維持管理がネックになりがちです。その難点を解消するために、最終的には純淡水か海水に適応させて飼育することが一般的ですが、淡水では長生きできないことが多いので海水に慣れさせる方がおすすめです。

ここでは、飼育しやすい汽水魚や、その飼育方法などをご紹介します。

汽水魚とは

河口と海が接続している場所は淡水と海水が混ざり合い、海水よりも塩分が薄い水域が広がっています。その場所を汽水域と言い、汽水魚はそのような水域を好んで生息している魚種を指します。

代表的な魚種としてはボラやハゼが挙げられ、これらの種類は海水と淡水とで浸透圧調節を切り替える能力を獲得しているため、海水と淡水を行き来することが可能なのです。汽水魚の中にはアクアリウムで飼育できるものも存在し、前述の性質から淡水・海水両方での飼育が可能です。

ただし、完全な淡水で飼育すると長生きできないケースが多いので、人工海水を薄めに作って汽水を再現するか、完全な海水で飼育することが一般的です。汽水魚自体は水質や水温の変化に強い種類が大部分を占めるため、適切な環境さえ維持できれば飼育自体はそれほど難しくありません。

おすすめの汽水魚3選

ミドリフグ

(熱帯魚)ミドリフグ (約2-3cm)<1匹>[生体]

アクアリウムで飼育される代表的な汽水魚が同種です。最大で体長20cmほどに成長するフグの1種で、愛嬌のある見た目と餌付けのしやすさから人気があります。

性格は荒く魚食性を持つことから、単独飼育が基本です。歯が伸び続ける性質があるので、好物の貝を殻付きのまま与えるなどして、伸びすぎないよう注意してあげてください。

淡水ハオコゼ

体長10cm程度に達するハオコゼの仲間です。体色は地味ながらも顔つきが可愛らしく、成長が遅いため小型容器でも飼育できることから、一定の人気を博しています。背ビレには毒針があり刺さると大変に痛むので、水槽作業の際には注意してください。

とはいえ、性格は大人しく積極的に攻撃してくることはないため、水質や水温が合えば他の生体とも混泳が可能です。人工飼料にはあまり餌付かないので、冷凍アカムシや冷凍ミジンコなどの生餌を用意してください。

ヒメツバメウオ

【海水魚/観賞魚/チョウチョウウオ】 ヒメツバメウオ ■サイズ:5cm± (1匹)

最大で体長25cmほどに達する汽水魚で、体高が高く横から見るとひし形のようなフォルムをしています。銀色を基調とした体色に黄色く染まるヒレが美しく、その大きさから飼育には少なくとも60cmクラスの中型水槽が必要です。

人工飼料に餌付きやすく汽水魚飼育の入門種として適しており、海水での長期飼育もできるため海水魚との混泳も可能です。

おまけ:トビハゼ

(海水魚)ミナミトビハゼ Sサイズ(汽水)(1匹) 北海道・九州航空便要保温

飼育は難しいのですが、見逃せない汽水魚がトビハゼです。頭の上方に突き出た目やジャンプで移動する様子など、非常に愛嬌がある人気の魚種です。

飼育するには水深を浅くしたうえで、皮膚呼吸のための陸地も作る必要があります。トビハゼは泳ぎが得意ではなく、あまり水深を深くしてしまうと溺れてしまう危険があるため注意してください。

また、ジャンプが得意なので脱走防止にフタも必須です。水深を浅くしなければならないため、水の蒸発による塩分の濃縮にも注意が必要なうえ、気性が荒く単独飼育が基本と飼育難易度は高いです。

汽水での飼育は難しい!おすすめの飼育方法

ジュン (JUN) ミネラル汽水の素

基本の塩類濃度は1/4~1/3

テトラ (Tetra) テトラ ハイドロメーター 比重計 人工海水

汽水魚を飼育する際の塩分は、基本的には海水の1/4~1/3程度です。汽水を用意するには人工海水の素を用いて、当該濃度になるよう薄く作ると良いでしょう。その際、淡水に近づけすぎると調子を崩す生体が多いです。

汽水魚を入れる前に、比重計を使用して塩分が薄すぎないかどうか必ず確認してください。最近では、カルキの中和剤も含有されており、手軽に汽水を作れる「汽水の素」も市販されています。

ろ過フィルターは外部+αがおすすめ!

汽水魚の飼育には強力なフィルターが必要です。なぜなら、汽水は海水でも淡水でもないため海水生・淡水生、両方のろ過バクテリアが定着しづらいからです。また、フグに関しては餌を食べ散らかすので、水を大変に汚しやすい特徴も関係しています。

そのため、基本的には強力なろ過能力を発揮する外部フィルターがおすすめですが、その他にサブフィルターを導入するとより安心です。サブフィルターとしては、やはりろ過能力に優れる上部フィルターや底面フィルターなどが推奨されます。

汽水魚飼育には殺菌灯も有効!

テトラ (Tetra) UV殺菌灯60 (30~90cm水槽用)コケ 病原菌 淡水 海水

テトラ (Tetra) UV殺菌灯60 (30~90cm水槽用)コケ 病原菌 淡水 海水
Tetra

前述の通り、汽水はろ過バクテリアが繁殖しづらい関係で、雑菌が増殖しやすい問題があります。さらに、ミドリフグなどは白点病にかかりやすいこともあるため、殺菌灯を導入しておくと良い結果を得られやすいです。

また、水質の維持にはプロテインスキマーの利用も効果的ですが、それを導入する際は汽水の比重により注意が必要です。

なぜなら、比重が低い=淡水に近いと気泡が発生せず、ろ過能力を発揮できないからです。そのため、プロテインスキマーを使用する時は、海水に近い塩分で管理すると良いでしょう。

淡水か海水に振り切って育てる

汽水は塩分の維持・調節が難しいので、汽水魚は徐々に海水または淡水に慣れさせ、最終的には完全な海水・淡水で飼育した方が維持管理が容易です。ただし、淡水では短命に終わることが多いので、長生きさせたいのであれば海水に慣れさせることをおすすめします。

海水または淡水に切り替える時は塩分が急激に変化すると、ストレス感じて弱ってしまう恐れがあるため注意してください。それは、ショップなどから購入した汽水魚を、ご自宅の水槽に導入する際も同様です。

汽水の塩分はショップによってまちまちなので、汽水魚の負担を少なくするために、そのショップでの汽水の塩分を問い合わせておくと良いでしょう。

また、幼魚期は純淡水で問題なくとも、成長と共に海水化させた方が良い魚種も存在します。ミドリフグなどはその典型で、成魚を純淡水で飼育すると肌荒れを起こしやすくなるなど、状態が悪くなることが多いため注意してください。

まとめ:汽水魚を飼育してみよう!飼いやすい汽水魚3選とおすすめの飼育方法!

汽水魚とは、河口付近の淡水と海水が混ざり合う水域を好んで生息する魚種を指します。飼育にはある程度の塩分があった方がよく、ろ過バクテリアが定着しにくいことから強力なフィルターが必要です。

しかし、汽水魚自体は環境適応力が高く丈夫なので、機材などを整えて飼育環境の管理さえできれば、飼育はそれほど難しくはありません。汽水の管理がネックになるため、徐々に淡水か海水に慣れさせて、完全な淡水・海水で飼育できるようにすると楽になります。

ただし、純淡水では調子を崩すケースが多い点に注意してください。汽水魚は愛嬌がある外見をしている種類が多いので、ぜひ飼育に挑戦してみてください。