水草は光合成を行うと酸素を放出するので、条件が整えばそれが気泡となって目に見える形で表出します。ただし、どのような種類でもそのような姿が見られるわけではなく、気泡になるためには活発に光合成が行われる必要があるので、陽性水草の方が気泡を付けやすいです。
また、水草の状態や育成環境も重要で、十分な光量と二酸化炭素がある環境下で健康的に生育していなければ、光合成が滞り気泡を付けることが望めません。
ここでは、活発に光合成をおこない気泡を出しやすい水草の種類や、気泡が出ない原因などについてご紹介します。
気泡を出す水草とは
水草は光合成を行うと酸素を放出するので、どのような種類でも気泡を付ける可能性はあります。しかし、気泡という目に見える形で放出されるためには、光合成が活発に行わなければならないので、陰性水草よりは陽性水草の方が気泡が出やすいです。
育成環境も重要で、いくら陽性水草を用意しても光合成を盛んに行える環境になければ、気泡を出すことは期待できません。
水温や水質が適正であることは大前提で、そのうえで二酸化炭素(CO2)の強制添加と十分な光量が必要です。したがって、水草が気泡を出す様子を見たいのであれば、それらを可能とする機材を整えることも重要です。
気泡を出しやすい水草5選
リシア
ウキゴケ科に属する浮草タイプの水草です。浮草なので根張りが弱く、コツを要しますが底床に敷き詰めることも可能です。
底床に敷き詰められたリシアが一斉に気泡を出す光景は大変美しく、陽性水草の中では育成が容易な部類なこともあり人気がある種類です。適温は20~28℃ほどで、気泡を発生させるには20W、2~4灯に相当する光量が必要です。
グリーンロタラ
ミソハギ科に属する有茎草で、明るい緑色をした細長い楕円形状の葉を付けます。成長が速いので小まめなトリミングが欠かせず、養分の要求量も多いため施肥も必須です。
水質に対する適応力が高く育成しやすいので、陽性水草の入門にも適しています。適温は20~26℃程度で、光量としては20W、3灯以上が目安です。CO2添加はなくても育ちますが、気泡を発生させたいのであれば添加が必要です。
ロタラナンセアン
ミソハギ科に属する有茎草で、細長い水中葉が特徴的なため、「ロタラ・スレンダーリーフ」と呼ばれることもあります。鮮やかな緑色をした薄くて柔らかい葉を付け、繊細な印象を受けますが茎などは意外としっかりとしており、育成も比較的容易です。
適温は20~28℃ほどで、奇麗に育てるには20W、3~4灯の光量があると良いです。例によって、気泡を発生させたいのならCO2の添加は行ってください。
ロタラインディカ
ミソハギ科に属するロタラの仲間で、赤系水草の代表種です。小さな長楕円形の葉を付け、赤系水草の中では育成しやすい種類なので、レイアウト水槽によく導入されています。成長速度は速く、養分が不足すると赤色が抜けやすいため液肥などの添加が欠かせません。
適温は20~28℃程度で、光量は20Wが3~4灯あると奇麗に育ちやすいです。普通に育てる分にはCO2添加は必ずしも必要ではありませんが、気泡を放出させたいのであれば必須です。
パールグラス
ゴマノハグサ科に分類される有茎草で、ポピュラーかつ人気の種類です。明るい緑色をした楕円形や卵型の葉を付け、トリミングを繰り返すことで密生させて茂みを作れるため、レイアウト水槽にもよく使用されています。
成長速度が速く、栄養分の要求量も多いので肥料の添加は必須です。適温は20~26℃ほどで、光量は20Wが3灯以上あると良いでしょう。
水草から気泡が出ない理由
照明が弱く光合成がうまくいっていない
水草に気泡が付かない理由としては、まず光合成が十分に行われていないことが考えられます。よって、照明器具を見直してみると良いでしょう。
陽性水草は強い光を要求するので、水草用の照明器具でなければ上手く育たないことがあります。水草用の照明器具は、光合成に必要な波長領域を強化するなど付加価値が付いている物がほとんどで、その分だけ値が張りますが光量管理の面で有利になります。
健康に育っていない
水草が健康的に生育できているかどうかも重要なファクターです。そのため、水温や水質は適正であるか、栄養分は足りているか、トリミングが適切にできているかなど、育成環境を見直してみてください。
特に、陽性水草は成長が速いので養分が不足しやすく、健全に育成するためには追肥が欠かせません。肥料は持続性に優れる個体肥料や、即効性に優れ添加量をコントロールしやすい液体肥料などが市販されているので、必ず用意しておきましょう。
水換えすると気泡が増える?
水換えを行った直後に、水草に気泡が付いている様子を見たことがある方も多いと思いますが、あれは入浴時に体に気泡が付くのと同じ現象です。
水道水中に過剰に溶けていた空気が、水換え時の衝撃や水温変化によって気泡となって析出し、水草などに付着しているだけです。したがって、水換えによって直接的に気泡が増えることはありません。
ただ、水質が改善されることで水草の状態が良くなれば、光合成も盛んに行うようになることは十分に考えられるので、定期的な水換えで育成環境を清浄に保つことは大切です。
まとめ:気泡を出しやすい水草とは!光合成が活発な水草を5種を厳選してご紹介!
水草は光合成を行うと酸素を放出するので、活発に光合成が行われれば気泡を出す様子が観察できます。リシアやロタラ、パールグラスなどは陽性水草の中では育成難易度が低く、気泡も出しやすい種類なので特におすすめです。
しかし、陽性水草を用意しても育成環境が整っていなければ、気泡が付かないため注意してください。水温や水質の他に、光量と二酸化炭素も重要なので、それらの条件を満たせるよう機材を揃えることも重要です。
水草がたくさんの気泡を出すと大変美しい光景が生まれるため、ぜひ育成にチャレンジしてみてください。
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コメント
私はアナカリスを育てています。しかし、買って2日目くらいで色が薄くなり、どんどん茎がしなっていきます。これは枯れているのでしょうか。改善策を教えてください。ちなみに照明はLEDで、ネオンテトラ7匹、コリドラス3匹の30cm水槽です。大至急お願いします。
アナカリスの色が薄くなった場合、枯れてきていると言えます。
丈夫な水草ですが、茎に傷があったり、養分が取り込めないと意外に枯れてしまいます。
悪くなっているところをトリミングして、再び植え付けることで復活することがありますよ!
しかし、急激に伸びて茎がしなる場合もありますので、観察してみてください。