水換えが逆効果?プロがメンテナンスしてはいけないと判断する状況を解説

水換えは魚の健康を維持する上で必要不可欠なメンテナンスの一つです。魚の排泄物や餌の食べ残しによって汚れた水を交換することによって、速やかに水質改善できます。

しかし、一見良いことばかりに見える水換えは、タイミングを間違えるとかえって魚の健康を害しかねません。良かれと思ってやったことが悪い方向に転んでしまうと本当にショックですよね。

そのような失敗を起こさないためにも、今回は水換えが逆効果となる状況について解説します。

水換えが逆効果になるケースを動画で解説!

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水換えして調子が悪くなってしまう原因を音声付きで解説します。

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水換えが逆効果になるタイミング!

水換えは水槽の維持に欠かせませんが、やりすぎは逆効果となることもあります。水換えによる水温や水質、pHの変化は予想以上に大きな影響を生体に与えてしまうことも。

ここでは、特に水換えを行ってはいけないタイミングを解説します。

新しい生体の投入翌日

新しい生体はまだ水槽に慣れていません。水質の違いや混泳魚の存在など新しい環境によるストレスによって、とても不安定な状態といえます。この段階で水換えしてしまうと、水質が変わるため、さらに負荷がかかってしまいます

また、水量の変動や人の手が入ることで怯えてしまい、慣れるまでに時間がかかってしまうことも少なくありません。

冬にお湯が出ない時

急な水温差は生体にとって致命的です。水温の変化による影響はとても大きく、時には大量死につながってしまうことも。そのため、寒い季節にお湯が出ない環境での水換えは控えましょう。また、お湯が用意できたとしても、水温計がないと細かい水温調整ができないので、無理な水換えは避けたほうが良いです。

例え、2~3℃変わっただけでも魚にとっては大問題。致命的にはならなくても体調を崩す可能性があります。これは、熱帯魚でも金魚などの観賞魚でも同じです。

ろ過フィルターを掃除した直後

ろ過フィルターを掃除するとバクテリアが減ります。その状態でたくさん水換えをしてしまうと、さらにバクテリアが減少するため、控えたほうが良いでしょう。

バクテリアによる水の浄化作用はとても重要です。バクテリアの減少は浄化作用の低下につながるので、過度な水換えは水質を悪化させてしまう可能性があります。これは、ろ材を交換する際も同じです。

pHを低く抑えたい時

pHが低い水は酸性に傾いています。水換えをすることによって、水道水のpH(7.0付近)に近づくためpHが上昇します。熱帯魚の中には酸性よりの水を好むものも少なくありません。

良く知られているものでは、エンゼルフィッシュやディスカス、ネオンテトラを代表とするテトラ系は弱酸性の水を好みます。

これは、原産地であるアマゾンのpHに近いためです。pHは生体の健康や餌食い、繁殖などさまざまなことに影響するので、過度な水換えはそれらのバランスを崩してしまう可能性があります。そのため、生体の好みに合わせて水換えを行う必要があります。

塩浴や薬浴をしている時


金魚の塩浴や熱帯魚の薬浴中に水換えをすると、効果が薄まってしまう場合があります。薬浴の場合、濃度を計算して薬を添加しているので、薄まってしまえば効果は期待できません。また、塩浴でも同じことがいえるものの、こちらのほうがより注意が必要です。

塩浴は病気に対して効果があるだけではありません。淡水魚は体から余分に水分が出ていかないよう、粘膜で調整しています。そのため、塩浴によって体液と水の濃さを近づけることによって、自分で調整する負担が軽くなり生活しやすい状態となります。

この時に多量の水換えをしてしまうと、楽な状態から急に負荷がかかってしまい、体調を崩してしまうことがあります。塩浴から通常の水に戻す場合は何度かに分けて水換えすると良いでしょう。

水換えをしすぎるとどうなる?

水換えには水質改善というメリットだけでなくリスクもあります。魚にとっての水は人間にとっての空気と同じ。それが、急に変わるとなれば影響を受けないはずがありません。

魚の健康を害してしまったり、水質が不安定になったりなど、適切でない水換えが原因でせっかく保っていたバランスを崩してしまうこともあります。

ここでは、水換えをしすぎることで起こる悪影響についてご紹介します。

生体が調子を崩す

水温やpHが急激に変動すると、生体が調子を崩してしまうことがあります。いわゆる、「水温ショック」「pHショック」です。軽度なものであれば次第に慣れ回復しますが、ひどい場合は高確率で死んでしまいます。

元の水と新しい水の水温やpHが大きく違えば、それだけ影響も大きくなります。pHは試験紙やpHメーターなどで値を確認し、急激に変わらないようにしましょう。
テトラ (Tetra) pHトロピカル試薬 (5.0-10.0) 水質検査 テスト 総硬度 硝酸塩 亜硝酸塩 塩素 炭酸塩 PH

茶コケが生える

水換えによってバクテリアが少なくなると水質が安定しなくなり、その結果、茶コケが生えやすくなってしまいます。茶コケは水槽立ち上げ初期に良く出現しますが、水質が不安定になるとどんなタイミングでも発生します。

また、水道水には茶コケの養分となるケイ素が多量に含まれているため、頻繁に水換えしてしまうとそれだけ茶コケを増殖させてしまいかねません。バクテリアが不十分だと茶コケの他にも白カビが発生するリスクもあります。適切なタイミングで適度な水換えを心がけましょう。

病気が広がる

水換えは時として病気を広げてしまうことがあります。白点病はアクアリウムでは珍しくない病気なので、経験がある人も少なくないのではないでしょうか。

白点病は水温の急激な低下によって発症することがあります。水換えの際、温度調整が不十分で水温が下がり、白点病が一気に広がってしまうことも。また、白点病の対処法として普段より多めに水換えする場合がありますが、このときに水温を下げてしまうと蔓延してしまう可能性があります。

病気の際の水換えは温度調整をしっかり行い、細心の注意を払うようにしましょう。

まとめ:水換えが逆効果?プロがメンテナンスしてはいけないと判断する状況を解説

水換えは水質改善には最も手早く、効果のあるメンテナンス方法です。ただ、状況によっては逆効果となってしまうこともあります。飼育している魚にはいつまでも健康でいてもらいたいものです。

そのためにも、リスクを把握した上で適切な方法、頻度で水換えを行いましょう。

 

4件のコメント

  1. おいちゃん より:

    水槽初心者ですが、いつも拝見させていただいており、わかりやすくてためになりありがたい限りです。

    1. 中島 より:

      ありがとうございます!
      これからも、アクアリウムに親しんでいただける記事をお届けできるように頑張ります。

  2. めるも より:

    別の質問になりますがフィルターの交換のしすぎも逆効果なのでしょうか?

    1. 中島 より:

      フィルターにはバクテリアが棲み付きます。
      交換で捨ててしまうと、バクテリアも捨てることになります。
      そのため、余りに頻繁に交換すると水質が安定しないですね。

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