「綺麗なバラには棘(とげ)がある」という言葉があるように、美しい生き物は棘や毒を持っていたり、ときには噛み付いてくるなど、荒々しい姿を見せることもあります。
今回は海や川に生息する、危険な生き物特集。
取り扱いに注意が必要な生き物の中でも、特に人気で飼育が可能なものを全部で10種類ご紹介いたします!
大ケガをする恐れがあるため、危険な生き物を飼育するには常に細心の注意を払うことが大切です。
ページの後半ではご紹介する生き物を飼育する際のポイントも解説していますので、是非参考にしてくださいね。
毒があるアクアリウムの生き物
まずは毒のある海の生き物、7種類をご紹介していきます。
イソギンチャク
海水の中を神秘的にゆらめくイソギンチャク。
実はその触手には毒があり、小魚をしびれさせてから捕食しています。
多くのイソギンチャクが持つ毒は人間に影響がありませんが、中にはウンバチイソギンチャクなど猛毒を持つ種類も存在します。不用意に触って刺されないように注意しましょう。
飼育が容易なイソギンチャクについてはこちらで解説しています。
ウツボ
豊富なカラーバリエーションとひょうきんな顔立ちから、獰猛ながらも人気なウツボ。
無毒な種類も多いですが、中には体に毒素を持つドクウツボも存在します。
ウツボの毒は食中毒に分類されるため、食用にしない限りは毒に侵される心配はありません。しかし、噛み付く力がかなり強いため注意が必要です。
こちらのページでも詳しく解説しています。
カサゴ
ゴージャスな見た目が美しいカサゴは、背ビレに結構強力な毒を持っています。
基本的にはおとなしいので種類によっては混泳が可能ですが、肉食性の強い魚のため混泳相手との相性はよく確認しましょう。
水換えのときなどに誤って毒が刺さらないように、ゴム手袋の着用がおすすめです。
ヒフキアイゴ
別名をフォックスフェイスとも呼ばれるヒフキアイゴは、その名の通りキツネのように細長くすぼまった顔をしていて、鮮やかな黄色い体が特徴的な魚です。
こちらもヒレの棘に毒を持っているので、水換えのときなどは注意が必要。
警戒心が非常に強いため、むやみに刺激しないよう心がけましょう。
ナンヨウハギ
ディズニー映画に登場するドリーとしてもおなじみのナンヨウハギですが、最近になって実はヒレの棘に毒があることがわかってきました。
こちらの毒はウツボと同じように食中毒に分類されるため、食べない限りはさほど問題がないようです。
しかし念のため、素手で触れるのは控えておきましょう。
ナンヨウハギについてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
クラゲ
水中をふわふわと漂うクラゲたち。眺めているだけで、ものすごく癒やされますよね。
クラゲの持つ毒は刺されると少しかゆくなる程度のものから、中には一度刺されただけでも命の危険があるほど強力なものまで存在します。
飼育用として販売されているクラゲは無毒だったり弱い毒しか持たない種類ばかりですが、やはり素手では触らないでおいた方が懸命です。
クラゲの飼育方法などについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
ヒョウモンダコ
小型で可愛らしい見た目や体色が瞬時に変わる様子などから、飼育者が増えてきているヒョウモンダコ。
触れただけでは特に問題ありませんが、万が一噛まれてしまうと大変危険です!
ヒョウモンダコの毒にはフグ毒でおなじみのテトロドトキシンが含まれています。一度噛まれただけでも命を落としてしまう可能性があるのです。
飼育する際は素手で触れないようにするのはもちろん、脱走も得意な生き物なので必ず水槽にフタをしましょう。
取り扱い注意のアクアリウムの生き物
続いては、毒はないものの扱いに注意が必要な生き物を3種類ご紹介いたします。
ニザダイ科
ニザダイ科の生き物は多くの種類がヒレに棘を持っているので、水換えや水槽のメンテナンスをする際は素手で触らないようにしましょう。
鮮やかな黄色い体色が特徴のキイロハギは、水槽内をちょこちょこと泳ぎ、海藻やサンゴなどを突きまわります。
温厚な性格な上に藻の対策にもなるので飼育に適していますが、サンゴをメインとした水槽の場合はキイロハギに突かれてしまわないよう注意をしましょう。
ピラニア
鋭い牙を持つ肉食魚として有名なピラニア。
混泳相手や飼育者にも容赦なく噛み付くことがあるため、扱いには十分な注意が必要です。
小型のピラニア・ナッテリーなどは群れで飼うと落ち着くようなので、90cm以上の大型水槽で5~6匹飼育するのが良いでしょう。
ピラニアの詳しい飼育方法についてはこちらのページでも解説しています。
デンキウナギ
ときには600ボルト近い電気を発生させると言われている、デンキウナギ。
扱う際には必ず絶縁手袋をはめて、素手で触れることのないように気を付けましょう。
販売している問屋さんなどは意外と多いようですが、飼育の是非に関してはアクアリストの中でも賛否両論です。
危険・毒がある生き物の飼育方法とは
最後に、危険性のある生き物を飼育するときのポイントを3つの項目に分けて解説していきます。
飼育環境に細心の注意をはらう
ご紹介した生き物たちはほとんどが肉食性のため、水質が悪化しないように大きめの水槽と強力なろ過システムを導入しましょう。
ケガを防ぐために、保護手袋も忘れずに。防水性のセーフティグローブなどがおすすめです。
大きく成長する生体は飛び出しや脱走防止のために、フタを固定できるタイプの水槽での飼育が適しています。
捕獲はNG!ショップから入手する
危険生物を飼育する場合は野生の生き物を採取したりせず、ショップから入手しましょう。
その理由は、販売店に入荷してからある程度経過した生体であれば、人工飼料に餌付いている可能性が高いためです。
捕獲時のケガを防ぐためにも、ショップからの購入をおすすめします。
混泳は基本的に不可
ご紹介した中にはヒフキアイゴやナンヨウハギ、キイロハギなど混泳に向いている魚もいますが、基本的には単独での飼育がおすすめです。
もし混泳させる場合は大型の水槽を用意して、他の魚が隠れられるような空間を作ったり、棘や毒のある魚のテリトリーが保ちやすいように配慮する必要があります。
まとめ:危険、毒でも飼ってみたい!魚や生物!ピラニアからクラゲまで!
- 刺されると危険な刺毒
- 触れると危険な粘膜毒
- 食べると危険な食中毒
ひとことで「毒」と言ってもさまざまな種類があり、対処方法やかかる病院も変わってきます。
毒を持つ生き物を飼育するときは、どのような毒性なのかをきちんと把握しておくことが大切です。
また、毒を持っていなくても棘があったり噛み付いてくる生体も多く存在します。
万が一のときのために、ケガをした場合の対処法や病院などをあらかじめ決めておきましょう。
毒がある、危険な魚についてもっと知りたいという方は、こちらの記事もご覧ください。
トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!
コメント
ピラニアこえ~びっくり!でも飼ってみて~
ピラニアは慣れれば大人しい魚です。
機会があればぜひ、ご検討ください。