水草水槽を辞めて海水魚水槽にできますか。
このようなご相談を受けることがあります。
基本的には、水草水槽を海水魚水槽に変更することは、多くの場合で可能です。
既存の水草水槽を外部フィルターで管理している場合であれば、水槽中身とろ過材を交換するだけで移行できますし、ろ過フィルターが弱い場合は新たに購入し設置することで仕様変更をすることができます。
ただし、水槽の仕様変更にはいくつか注意点もありますので、ここでは水草水槽を海水魚水槽へ変更する際の注意点とポイントについて解説いたします。
水槽の仕様変更に伴う注意点
水槽の仕様変更をする場合、いくつか注意をしなければならないポイントがあります。
ポイントを守らずに実施してしまうと、仕様変更後にトラブルが起こる可能性もありますので、ここではアクアリウム初心者の方でもわかりやすく解説をしていきます。
砂やろ過材は新たに購入する
原則、砂やろ過材は新しいものを購入することをおすすめします。
熱帯魚水槽で一番ポピュラーな大磯砂を使用している場合、海水魚水槽へ流用することもできますが、何度も丁寧に洗浄し天日干しをして完全に綺麗にする必要があります。
そこまで手間をかけて流用するくらいであれば、美しい砂浜のような白いサンゴ砂を新たに購入して使うことをおすすめします。
仕上がりの満足度も大きく変わるでしょう。
ろ過材に関しては交換
ろ過材が流用しにくい理由として、求めるpHが異なるからです。
水草水槽は弱酸性よりのpH、海水魚水槽はアルカリ性のpHとなるよう水質をコントロールするため、ろ過材もそのようにpH調整する作用が含まれている場合があるからです。
海水魚水槽の場合、サンゴろ過材と呼ばれるサンゴの瓦礫状の物を使用することをおすすめします。
ろ過フィルターの選定
既存の水槽で外部フィルターを使用している場合は、ろ過材を交換することで流用可能です。
もし、外掛け式フィルターや底面ろ過フィルターなどを使用している場合は、外部フィルターを購入して設置することをおすすめします。
外掛け式フィルターや底面ろ過フィルターを使い海水魚水槽を管理することもできるのですが、やや難易度が高いので、ここでははじめから外部フィルターを使うことをおすすめします。
エアレーション
水草水槽の場合、エアレーションを付けていない方もいるかもしれませんが、海水魚水槽の場合、エアレーションは必須とも言えます。
一般的に海水魚水槽はオーバーフロー水槽でシステムを組むことをおすすめしており、オーバーフロー水槽の場合は水槽かろ過槽へ落水する際に空気を取り込み曝気することができます。
しかし、外部フィルターの場合はどうしても水槽内の溶存酸素量が低下し、海水魚を飼育しにくい環境となりますのでエアレーションを設置することが望ましいです。
それでも海水魚だからと難しく考えることはなく、ただのエアーストーンでも十分です。
もし、海水魚特有の塩ダレ問題が気になる場合は、外掛け式プロテインスキマーまたは、バブルストッパーなどの商品を使うことをおすすめいたします。
水槽用ヒーター
水草水槽同様、海水魚水槽もヒーターが必要です。
一般的な海水魚であれば、23度~27度程度で飼育管理をすることができますので、ヒーターの流用は可能です。
ただし、メーカーの保証期間も短く設定されていることから分かる通り、ヒーターは故障しやすい商品となるため、流用するヒーターが何年も使用しているのであれば交換することをおすすめします。
水槽用クーラー
海水魚は高水温に弱く、とくにサンゴやイソギンチャクを管理したいと考えている場合は水槽用クーラーを設置することをおすすめします。
水槽用クーラーまで設置することは難しい場合は、エアコンで空調管理をするかサンゴやイソギンチャクなどの高水温に弱い生き物を避けて管理すると良いでしょう。
最近では、ペルチェ式クーラーなども登場しており水温冷却商品も向上しています。
海水水槽用照明
水草水槽の場合、白い色合いの照明を使うことが多いですが、海水魚水槽の場合はブルーの混じった光の色合いがある光を照射することをおすすめします。
光の色合いが変わるだけで、一気に海水魚水槽の雰囲気を味わうことができます。
水草用の照明を流用することもできますが、予算が許すならぜひブルーの入った照明を設置してみましょう。
海水水槽用レイアウトアイテム
海水魚水槽の場合、ライブロックと呼ばれる自然の岩を使いレイアウトをしていきます。
ライブロックにはバクテリアも付着しており、水槽の立ち上げに一役買ってくれます。
また、サンゴを美しく配置する上でもライブロックがあると並べやすいので、できれば一山程度作れる量を入れて置くことをおすすめします。
最近ではレプリカライブロックも良いものがたくさんありますので、そちらを使うこともおすすめです。
しかし、人工物なのでバクテリアの混入が見込めませんので、その場合はバクテリア剤を使うか少しでもライブロックを使うことをおすすめします。
まとめ: 水草水槽をやめて海水魚水槽にしたい!水槽の仕様変更をする時の注意点!
いかがでしたか。
水草水槽から海水魚水槽へ変更する注意点に加え、おすすめのポイントについてご紹介しました。
水槽をリセットするため、肉体的な作業としてはなかなか大変ですが、新たに一式揃えるよりは流用することで費用を抑えることができますのでお得です。
今までの水草水槽と比較をすると、海水魚水槽は見た目もまったく変わるため新鮮で、益々楽しいアクアリウムライフを過ごせることでしょう。
最後に、もし今まで飼育していた熱帯魚や水草を手放す場合は、行きつけの専門店で引き取りの相談をしてください。
飼育している熱帯魚を最後まで責任持つことは、アクアリウムを管理する最低条件です。
それでは、楽しいアクアリウムライフをお過ごしください!
熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
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