水槽作業のタイミングといえば、休日や仕事終わりが多いのではないでしょうか。
時間帯を気にせず空いた時間にメンテナンスする人が多いようですが、実は時間帯によっては魚に悪影響を与えてしまうので注意しなければなりません。
また、1日という短い時間でも水質が変わる場合があるので、正確な値を把握するためには複数に分けて計測したほうが良いこともあります。
そこで、今回は換水や新魚導入、pH計測に最適な時間帯をご紹介します。魚により良い環境で過ごしてもらうためにも重要なことなので、要チェックです。
水槽作業にはベストな時間帯がある!
水槽作業(餌やりやメンテナンスなど)にはベストな時間帯があり、何時にやっても良いわけではありません。
魚にも生活リズムがあるので眠い時に急に照明を点灯されたり水槽を掃除されたりなどすると、ストレスになってしまうことがあります。また、活動的でない時間に餌を与えると消化に悪影響を与えてしまうことも。
魚に負担をかけないためにも、水槽作業の時間帯には配慮してあげる必要があります。
アクアリウムの各作業に適した時間帯
給餌や水換えなど、各作業に適した時間帯をご紹介します。
魚の健康状態を左右することもあるので、意識して時間帯を調整してあげましょう。1回1回のストレスはそれほど大きくないかもしれませんが、積み重なると思わぬ負担になってしまうこともあります。
特に毎日行う作業の場合は要注意です。
給餌は照明点灯の1時間後がおすすめ
給餌は消化の時間やタイミングを考慮して照明がついてから1時間後、照明が消える1時間前までには与え切ります。
人間と同じで、寝ている状態から起きても本格的に活動するまでに時間がかかります。本調子ではないときに給餌しても食欲がなく食べないことも少なくありません。効率が悪いだけでなく食べ残しが多いことで水質が悪化する原因にもなります。
そのため、点灯して1時間程は様子を見て動きが活発になってから給餌しましょう。また、給餌した後すぐに消灯すると活動が低下して消化不良につながってしまう場合があるので、1時間程経過して落ち着いてから消灯することをおすすめします。
ただし、夜行性の魚は消灯後に活動量が増えるため、種類によって活動する時間帯を把握することが大切です。
水換えは昼間に行おう
水換えは、日がある・照明が付いている時間帯がおすすめです。
暗い環境で寝ているにも関わらず、水換えという急な変化を与えてしまうと魚には良くありません。
魚がびっくりしてストレスを感じたり魚種によっては飛び出す原因になったりすることがあります。さらに、水槽内が確認しにくいためホースで吸ってしまう、もしくはダメージを与えてしまうことも。
思わぬハプニングを防ぐためにも水換えは明るい時間帯に行いましょう。
コケや底砂の掃除は明るい時間帯がおすすめ
水換えと同様にコケや底砂の掃除も明るい時間帯、もしくは照明の点灯中がおすすめです。
消灯時や点灯して間もないタイミングは魚が寝ていて動きも活発ではありません。そのため、コケ掃除でスポンジやマグネットクリーナーを使用する際に誤って傷つけてしまう可能性があります。
特にマグネットクリーナーで底付近を掃除する場合は底砂とマグネットの間に挟まる危険があるので要注意です。同じ理由で底砂を掃除する際にも気を付ける必要があります。底砂にプロホースを挿し込むときに魚を挟んでしまうことも考えられます。
新しい生体は消灯後に導入しよう
新魚導入は、水槽照明が消えてからがおすすめです。
明るい環境だと水槽内の魚が活発に行動しているので、新魚が縄張りに割って入った際に攻撃されてしまう可能性があります。新しい環境でストレスを受けているうえに攻撃されると、大きなダメージになってしまうことも珍しくありません。
消灯後であれば水槽内の魚が寝ていることに加えて暗く視野が狭いため、いじめのリスクを減らすことができます。「朝になって明るくなったら結局一緒では?」と思われるかもしれませんが、朝方には落ち着いてなじんでいるケースが多いです。
新しい魚と水槽の魚にサイズ差があったり性格の面で少し心配があったりなどする場合におすすめします。
水質計測は朝と夜の2回を推奨!
水質は1日の間でも変動するので、朝と夜の2回計測することをおすすめします。
pHはCO2の影響を受けるため、水槽内の水草が多いと消灯時は呼吸によってpHが下がる傾向があります。そのため、朝にpHを計測して低い値でも不思議なことではありません。
一方、夜は日中に光合成によってCO2が消費されpHが上昇する場合があります。特にpH調整剤を使用する際は朝・夜、両方把握してから使用したほうが良いでしょう。
こまめに計測する場合はデジタルのpH計が扱いやすくおすすめです。
観賞は夜遅くには控えよう
夜遅くに点灯して観賞するのは生体のストレスになることがあります。
暗い状態からいきなり点灯すると驚いてしまい悪影響になることも少なくありません。それだけではなく、度重なると生活リズムが狂って調子をくずしてしまうことも考えられます。
自分の好きなタイミングで水槽を眺めたい気持ちもわかりますが、夜は魚たちも寝ているので気をつかってあげましょう。
夜行性の魚は要注意
ここまでご紹介したことは“昼行性”の魚には当てはまりますが、“夜行性”の魚には逆のことがいえます。
「ブラックゴースト」や「エレファントノーズフィッシュ」などは夜になると活発に動き回るため、消灯後に給餌しても問題ありません。メンテナンスも同様ですが、暗くてやりにくいようであれば昼間に作業したほうが良いでしょう。
ただし、昼行性の魚と同じで夜間に急に点灯するとパニックを起こしてしまうことがあるので、要注意です。
まとめ:水槽作業の時間帯は気にする?換水・新魚導入・pH計測に最適な時間帯!
魚も生き物なので時間帯によって活動量が異なります。
それを把握して水槽作業する時間帯を調整してあげると魚に与えるストレスを減らすことができます。長い目で見ると健康状態に影響することもあるので、末永く元気に水槽を泳ぐ姿を見るためにも時間帯は配慮してあげましょう。
トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。
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