アクアリウムを始めるにあたって必要なアイテムがいくつかあります。
水槽はもちろん、水槽台や照明、ヒーターなど、予想以上にそろえなければならないアイテムが多く尻込みしてしまう人も少なくありません。しかし、目標とする水槽のスタイルが決まっていれば、最低限のアイテムだけで始めることができます。
そこで、今回は初心者の方向けに水槽の立ち上げ時に必要なアイテムを8つご紹介します。「なにをそろえて良いかわからない」「できるだけ初期費用を押さえたい」といった場合にご覧ください。
水槽の立ち上げとは?
水槽の立ち上げとは“生体が住める環境を作ること”です。
水槽に水を溜めただけではバクテリアがいないため、アンモニアや亜硝酸塩といった有害物質を分解する環境が整っていません。これらを害の少ない“硝酸塩”まで分解する一連の流れを「硝化サイクル」と呼びます。具体的には、
水槽設置→試運転→水中にアンモニアを発生させる(生体を投入する)→硝化サイクルが出来上がる(硝酸塩まで分解)
このサイクルが完成するまでには4週間ほどかかります。その間、アンモニアや亜硝酸中毒から生体を守らなくてはいけないため、ちょっと大変な期間でもあります。
水槽の立ち上げに最低限必要なアイテム3つ
水槽の立ち上げに必要なアイテムは実は「水槽」「カルキ抜き」「ろ過フィルター」の3つだけです。
これだけあれば、時間はかかるものの生体が住める環境を作ることができます。
尚、成体を入れたらお掃除が始まりますから、クリーナーも忘れずに用意しておきましょう。
水槽
水槽にもサイズがあるので、飼育する生体や確保できるスペースによって大きさを決めましょう。
初心者の方は、30・45・60cm程度がおすすめです。30・45cm程の小型水槽は持ち運びやメンテナンスを手軽に行えますが、水量が少ないので水質が安定しにくい面があります。
一方、60cm水槽はやや重量があるものの、水量があるため水質は安定しやすいです。
また、30cm以下のサイズであれば、水槽台が無くても設置場所の耐荷重によっては設置できることがあります。
カルキ抜き
水槽の立ち上げや水換えに水道水を使いますが、そのままでは塩素が含まれているので生体に適した水とはいえません。
生体にとって有害な塩素を取り除くためには「カルキ抜き」を使うのが一般的で、液体や固形タイプがあります。水換えの度に使用するので必ず用意しておきましょう。
ろ過フィルター
きれいな水質を維持するためにろ過フィルターは欠かすことができません。
水を循環させてろ過するだけでなく、バクテリアの住処になったり酸素を供給したりと重要な役割を担っています。ろ過フィルターにも種類があり、小型水槽には外掛け式や投げ込み式が扱いやすくおすすめです。
60cm水槽の場合は上部式フィルターが浄化能力に優れ使用頻度も高いです。外部フィルターはメンテナンスが少し面倒なので、初心者の方では戸惑ってしまうことも少なくありません。
アクアリウムの制作に必要なアイテム5つ
ここまで、最低限必要なアイテムをご紹介しましたが、この状態ではいわゆるレイアウトのない「ベアタンク」の状態です。
アクアリウムとして水草などのレイアウトを楽しむのであれば、プラスでアイテムを用意する必要があります。
水槽台
30cm以上の水槽は非常に重いので安全のためにも水槽台が必要です。
水槽台ではなくても短期間であれば設置することができます。しかし、長期間負荷がかかり続けるものなので、専用の水槽台以外では転倒や破損につながってしまうことも。
安全に設置できるだけでなく水槽台の中を収納スペースとして使えるため、とても便利です。また、水槽台の高さによって目線の高さに調整できるうえに、メンテナンスがしやすくなるといったメリットもあります。
砂利・底砂・ソイル
水槽の底に敷く底床があると生体が落ち着くだけでなく、バクテリアの住処にもなります。
ろ過フィルター以外にもバクテリアが盛んに増える場所があると、それだけ水質が安定しやすくなるのでおすすめです。
また、水草を植える場合は根を張る場所として入れる必要があり、“栄養系”や“吸着系”といった水草の育成に必要な栄誉を多く含んでいたり水中の物質を吸着して水質改善に貢献したりなどするソイルを使うとより生体に合った環境を作ることができます。
魚種によっては体色にも影響するため、底床を入れるメリットはとても多いです。
照明
水草やサンゴのなかには光量によって育成具合が大きく異なる種類がいるので、そのような生体を入れる場合は照明が必須です。
また、生体にも“昼”と“夜”があり、水槽内を照らすことで生体の体内リズムを整えることができます。そして、とてもシンプルですが水槽内を照らすと生体がきれいに見えるというメリットも。
せっかく水槽を立ち上げるのであれば、美しい水槽を眺めたいと考える人も少なくないでしょう。
レイアウト素材
水槽に彩りと奥行きを出したい場合はレイアウト素材が必要です。
水草や人工水草、岩などを入れると、より自然な水景を演出することができます。海水水槽の場合はライブロックを入れますが、見た目が良いだけでなく隙間や穴がたくさん空いているため、生体の住処や隠れ家にもなります。
水槽内の生体にサイズ差があってケンカしそうな場合に水草や流木、ライブロックで隠れ家を作ることで争いを減らすことも可能です。
水槽用クーラー・ヒーター
日本には四季があるので、水温の変化はまぬがれません。
水温が大きく上下すると生体の種類によっては大きなダメージを受けてしまうこともあるため、水温調節を目的としたクーラーやヒーターが必要になります。特に熱帯魚水槽や水草水槽、海水魚水槽には必須です。
まとめ:初心者向け!水槽の立ち上げ時に必要なアイテム8つ!最低限で成功しよう
今回ご紹介した8つのアイテムがあればアクアリウムを始めることができます。
一度そろえてしまえば頻繁に壊れることもないので、あまりコストもかかりません。シンプルな小型水槽で初期費用を抑えるも良し、60cm水槽でレイアウトを楽しむも良し、必要なアイテムをそろえて理想の水槽を立ち上げましょう。
水槽を立ち上げる際のポイントやそれぞれのアイテムの選び方をご紹介した記事もありますので、よろしければ参考にしてみてください。
トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。