「ミジンコ」はさまざまな魚の稚魚期の餌によく用いられます。
サイズが小さく栄養もあり嗜好性も高いことから、稚魚にはもってこいの餌です。近頃はメダカブームも相まって、ネットショップでミジンコを購入する人も少なくありません。
ただ、そのミジンコ、田んぼで採取できることをご存知でしたか?
今回は、田んぼからミジンコを採取して青水で繁殖させる方法をご紹介します。
メダカはもちろん、ベタや金魚の稚魚にも最適ですよ。
田んぼはミジンコの宝庫!
田んぼにはたくさんのミジンコが生息しています。
繁殖に最適な環境が整っていますし、水がない時期でも土の中で休眠することができることから、ミジンコにとっては優良物件と言えるでしょう。稚魚の餌としてミジンコを入手したい場合は、田んぼに足を運ぶのもおすすめです。
ミジンコの繁殖に最適な環境!
田んぼは、ミジンコが繁殖する要素として重要な、
- 日光
- 養分
- 水量(水深)
- 水流
すべてそろっています。
水が浅く広いことで、底床部までまんべんなく太陽光が届きますし、植物性プランクトンも豊富で餌にも困りません。緩やかな水流、もしくは止水環境もミジンコにとっては好都合です。
注意深く水中を観察すると、たくさんの小さなミジンコが泳ぎ回る姿を観察することができます。
田んぼの土に休眠している
ミジンコは水がない時期(休田)でも、土に交じって生き続けています。
水が少なくなったり環境が悪化したりなどすると、休眠卵をつくって土に潜み再び環境が整うのを待ちます。一見、なにもいない土に見えても、実はかなりの数のミジンコが息づいていることも少なくありません。
許可を得て田んぼの土を少しだけもらい、そこからミジンコを養殖する方もいるくらいです。
簡単に採取できる!
ミジンコを採取する方法は簡単で、目の細かい網などですくうことができます。
網がなければ、ペットボトルやコップで水と一緒に汲んでも良いです。このとき、ヤゴやゲンゴロウの幼虫など、水生昆虫が入ってしまわないよう注意しましょう。
光に集まる習性を利用して、夜間にライトでミジンコを集めて採取する方法もあります。ちなみに、色が赤いミジンコは状態が良くないので避けた方が良いです。
また、ミジンコには、
- タマミジンコ
- ケンミジンコ
- カイミジンコ
など、種類があります。
なかでも、タマミジンコは殻が柔らかく稚魚が食べやすいので、おすすめです。形や泳ぎ方が特徴的なので、選んですくっても良いでしょう。
そして、注意点が1つあります。
それは必ず許可を取ってから、田んぼに網を入れること。田んぼを管理している方がいるので、一声かけることがとても大切です。
そうしないと、トラブルにつながることも少なくありません。田んぼには土を盛って水が流れないようにしている部分(畦)もあるので、踏んで壊さないよう気を付けましょう。
採取したミジンコの増やし方
採取したミジンコをそのまま餌として使っても良いのですが、何度も採取するのが面倒であれば増やすことをおすすめします。
難しい技術は必要なく、
- エアレーション
- 日光
- 餌
この3つのポイントを押さえれば簡単に増やすことができます。
エアレーションと日光で増やす
適度な日光とエアレーションはミジンコの繁殖に効果的です。
日光がないとミジンコの餌になる植物性プランクトンを増やすことができません。
ただし、直射日光が当たり水温が30度を優に超える場合はミジンコが死んでしまう可能性があるので、一時的に日光を遮れる場所に移動した方が良いです。
さらに、高水温だと水中に溶け込む酸素の量(溶存酸素量)が少なくなるため、酸欠にもつながります。
また、ミジンコが増えると酸素を多く消費して酸欠になりやすいので、エアレーションを用意しましょう。あまり強くして水流ができてしまうと弱ってしまうため、控えめの方が良いです。
ちなみに、ミジンコは酸欠になると体色が赤くなります。
ミジンコ用の餌を使う
ミジンコを効率よく増やす方法としては、専用の餌を使う方法をあります。
最近は良いミジンコの餌(ムックリワークなど)が流通するようになり、増やすハードルは高くありません。
鶏ふんを使う場合もありますが、
- 臭いが気になる
- 水質を悪化させやすい
といったデメリットがあるので、水温が高い季節は特に専用の餌を使った方が安全です。
他にもパン作りに使うイースト菌をミジンコの餌として与えることもあります。
青水に導入する
ミジンコは青水(グリーンウォーター)でも増やすことができます。
青水はミジンコの良質な餌の植物性プランクトンが増えた状態の水なので好都合。メダカを青水で飼育することも多く、確保しやすいのもおすすめです。
ただ、田んぼの水そのままいれると青水を痛めがちなので、コーヒーフィルターなどでこしてから入れた方が良いです。また、青水にミジンコを入れると、短期間で青水ではなくなってしまうため、増やし続けることはできません。
青水単体の容器を用意しておいて、ミジンコの飼育容器の青水が薄まってきたら、その都度加えると良いでしょう。
ミジンコの用途
ミジンコの用途は、やはりメダカや稚魚の餌です。
ベタや金魚の稚魚など幅広い淡水の生体に使用することができます。稚魚の餌として、「ブラインシュリンプ」も有名ですが、孵化してすぐに与えないと栄養がなくなっていくうえに、淡水に入れてしばらくすると死んでしまうため、扱いにくい面もあります。
一方、ミジンコは青水や専用の餌、エアレーションといった環境を整えれば栄養が減少することもなく、淡水で死ぬこともありません。
頻繁に餌を与える必要がある稚魚期に、水槽に入れておけば自由なタイミングで食べられるミジンコがいると、稚魚にとっても良いだけでなく、給餌の負担を減らすことができます。
もちろん、成魚にとっても良い餌なので、人工飼料と併用して与えることも少なくありません。
まとめ:田んぼからミジンコを採取して青水で繁殖させよう!メダカの餌にも最適です
今回は、田んぼでミジンコを採取して青水で繁殖させる方法をご紹介しました。
ミジンコは簡単に採取できるだけでなく、増やすことも難しくありません。
なかなか増えない場合は、
- エアレーション
- 日光
- 餌
この3つのポイントを意識してみてください。
餌は専用のものでも良いですが、青水が作りやすくおすすめですよ。
ミジンコは栄養価が高く、稚魚が好んで食べる優秀な餌と言えます。大きく丈夫に育てるためにも、ミジンコを増やして餌として与えてみてください。
トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。
コメント
わかりづらいので、書き直した方がいいと思います。(できればで良いと思います。)
ご指摘いただきましてありがとうございます。
修正を検討し、皆様が読みやすい記事の制作に尽力いたします。
よろしければ、こちらのコラムもご参照ください。
・メダカや稚魚に最適な餌!ミジンコを自宅で飼育する方法と殖やし方とは
https://t-aquagarden.com/column/daphniapulex_breeding
※外部サイトが開きます
何卒よろしくお願いいたします。