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「水質が安定する」とはどういう状態?バクテリアの定着などの目安をご紹介

「水質が安定した状態」とはざっくり言うと、水中のろ過バクテリアがしっかりと機能し、魚にとって居心地の良い水質を維持できている状態を指します。

ほとんどの人はアクアリウムを始めるときに、カルキ抜きした水道水を使いますよね。
この場合、塩素によって水中のろ過バクテリアは死滅してしまっているため、初めのうちは適度に水換えを繰り返しながら、徐々に水質を安定させていく必要があるんです。

今回は水質が安定すると見られる水槽内の変化や、水質が安定するまでにかかる期間について解説をしていきます。

水質が安定するとおこる変化

まずは水質が安定したときに見られる水槽内の変化ということで、

  • 茶ゴケが出なくなる
  • 水が透明になる
  • アンモニアが検出されず硝酸塩も僅か
  • 魚が死なない
  • 飼育水が臭くない

これら5つの項目について解説をしていきます。

茶ゴケが出なくなる

水槽立ち上げの初期に現れる、ぬめりが強い茶色のコケ
「ろ過バクテリアが機能していない」「餌の量が多すぎる」など茶ゴケが生える原因はさまざまですが、水質が安定していない水槽だといくら掃除しても発生するやっかい者です

一方、バクテリアがきちんと機能して水質が安定した水槽の場合、茶ゴケではなく硬いコケが生えるようになります。
別名スポット状コケとも呼び、取り除くのに結構苦労するのですが、このような硬いコケが生えてきた水槽はひとまず水質が安定した状態と言えます

とは言え水槽前面にスポット状コケが広がると見栄えが悪いですから、定期的にスクレイパーでこそげ落とすのがおすすめです。


水が透明になる

立ち上げたばかりの水槽は、バクテリアの死骸や残留した有害物質の影響で白く濁ったり、黄ばんでしまうことがあります

一方、水質が安定した水槽は水の濁りや着色がなくなり、透明で光沢のある水に変化していきます
生体の数や使用しているろ過フィルターの種類にもよりますが、小型水槽で1~2週間、大型水槽で1カ月程度水換えしなくてもクリアな水が保てている場合は、安定した水質が維持できてると言って良いでしょう。


アンモニアが検出されず硝酸塩も僅か

テトラ (Tetra) テスト 6 in 1 試験紙 水質検査 テスト 総硬度 硝酸塩 亜硝酸塩 塩素 炭酸塩 PH

ひとことで「ろ過バクテリア」と言ってもたくさんの種類が存在し、分解できる物質もそれぞれ異なります。

生体の排泄物などに含まれる有害なアンモニアを、亜硝酸塩に分解するバクテリア。
亜硝酸塩を、生体にとってほとんど無害な硝酸塩へと分解するバクテリア。

これらのバクテリアが十分に活躍する水槽はアンモニアや亜硝酸塩が検出されず、硝酸塩もわずかな数値にとどまるようになります
この状態が、コケの生えにくい理想的なバランスの水槽です。

魚が死なない

けがをしてしまった場合を除くと、魚が死んでしまう原因のほとんどは水中のアンモニアや病気の原因となる細菌が大きく影響しています。

つまり魚が死なずに長生きするときは、水槽内の有毒物質や細菌が少ない状態
生体が過ごしやすい、良い水質が保てていると言えるでしょう。

飼育水が臭くない

水質が安定していない水槽からは、独特の生臭いにおいがします。
このにおいは水中に残留した不純物(有機物)から発せられるもので、それらを分解するバクテリアやろ過フィルターがうまく機能していないことを指します。

一方、ろ過バクテリアが繁殖した飼育水では気になるような生臭いにおいはせず、無臭、もしくは炭のようなにおいがしてきます
水槽のにおいからも、安定した水質かどうかの判断をすることができるのです。

水質が安定するには何日かかる?

ここからは水槽を立ち上げてからバクテリアがしっかりと定着するまでにかかる期間などを解説していきます。

バクテリアはすぐに定着しない?!

水道水は塩素によってバクテリアが死滅してしまっているため、立ち上げたばかりの水槽はバクテリアがほとんど0の状態からのスタートとなります。

とは言っても、実はバクテリアは空気中や魚の体、水草などあらゆる場所に付着しているので、生体を飼育していれば自然と増えてきます

バクテリア0の状態から水質を安定させるには、4週間ほどの日数が必要です。
まずはアンモニアを分解するバクテリア、その次に亜硝酸塩を硝酸塩に変換するバクテリア…といった順に少しずつバクテリアが増えて、少しずつ水質が安定していきます。

バクテリア剤は有効?

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バクテリア剤を使用しても、水質が安定するまでにはやはり4週間ほどかかります。

バクテリア剤を使用するメリットとしては、水槽立ち上げ初期のアンモニア濃度を下げることができる、生物ろ過の効果が薄いバクテリアの勢力を抑えられるといった点が挙げられます。

一方、バクテリアは生体の出すアンモニア(=バクテリアの餌)がないと繁殖しないので、生体を飼育する前にバクテリア剤だけを先に入れても効果はありません
飼育水にバクテリア剤を入れすぎてしまうと、水質が悪化してしまう可能性があるのです。

このようなメリット・デメリットをよく把握しつつ、入れすぎに注意しながら使いましょう。


飼育水の黄ばみは徐々に薄くなる

水中の栄養分が増えすぎてしまうと、大量発生した植物性プランクトンなどの影響により飼育水が黄ばむことがあります。
この黄ばみは水質が安定するにつれて自然と消えていきますし、餌の量を控えて適度に水換えを行えば、水の濁りを抑える薬剤などを使わなくてもきれいになります

ただし流木のアク抜きが不十分で黄ばんでいる場合は、アクの成分を吸着する活性炭などを水槽に入れておくのがおすすめです。


生体がずっと元気ならベストな水質です

結局のところ、飼育している生体が元気ならばベストな水質と言えます。
生体に適したpHの数値などはこのサイトにも多数掲載していますが、あくまで成功しやすい目安です。

大切なのは「pHの数値や水温など、水質を急激に変えない・変わらない状態」であるということ。
数値を測定したとき、毎回ピッタリでなくても大きく外れることがなく生体が安定しているならば、水質は安定していると言えます。

まとめ:「水質が安定する」とはどういう状態?バクテリアの定着などの目安をご紹介

水質が安定すると水が輝いてきたり、不快なにおいがしなくなるなど、あらゆる変化が起こります。
試験薬で数値を測定し生き物に適した水質に近付けることももちろん大切ですが、重要なのは水質を急に変化させないよう維持することです。
飼育している魚がずっと元気であれば、それがもっともベストな状態だと言えます。

水質安定の鍵を握るバクテリアが定着するまで1カ月程度かかりますが、それまでは餌の量や水温、水の汚れに注意しつつ、魚にとって居心地の良い水槽を作り上げていきましょう。



コメント

  1. Martindic より:

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