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【初心者必見】ビオトープの失敗例5個!失敗の原因と対策もご紹介します

ビオトープは屋外に睡蓮鉢やプラ舟などの飼育容器を置いて、魚や水草の育成を楽しむ飼育スタイルです。

室内と違って飼育スペースを確保しやすく、より自然な姿で生体を飼育できるとあって近年人気が高まっています。しかし、人の目が届きにくい屋外では、悪天候による水温・水質の変化や天敵の存在など、生体の健康をおびやかすものも少なくありません。

また、容器や底砂といった飼育器材が多種多様で、飼育に適さないものを選んでしまうなど、「失敗の種」が至る所に潜んでいます。

そこで、今回は原因・対策と合わせてビオトープの失敗例を5個ご紹介します。あらかじめ念頭に置いておくことで、失敗するリスクを大幅に減らすことができます。
ビオトープの作り方 ビオトープの作り方や基本についてはこちらもご覧ください。(弊社運営外部サイトを開きます)

ビオトープの失敗例5個の原因と対策!

今回ご紹介するビオトープの失敗例は次の5個です。

  • 直射日光で水温が上昇しすぎた!
  • 大雨の後、生き物が体調を崩した
  • コケや藻でいっぱいになってしまう!
  • 底砂を入れたら水の濁りが取れない!
  • 魚の天敵が頻繁に現れる!

ビオトープでは1度は経験するような身近な失敗ばかりなので、原因と対策を把握して生体に危険がおよばないよう気を付けましょう。

失敗1:直射日光で水温が上昇しすぎた!

ビオトープでは飼育容器を屋外に設置するので、直射日光の影響を受けて水温が上昇しすぎてしまうことがあります。

特に平均気温が高い夏場は要注意。発見が遅れると、生体が全滅してしまう可能性もあります。

失敗1の原因:ビオトープの周囲に何もない

ビオトープの水温が上昇しすぎる場合は、周囲に日光を遮るものがなく日陰ができないことが主な原因です。

たとえば、日当たりの良い庭の真ん中に飼育容器を設置してしまうと、日光が当たる時間が長くかなりの温度になります。

失敗1対策:すだれや遮光ネットで日陰を作る

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対策としては、「すだれ」や「遮光ネット」で風通しの良い日陰を作ることです。

日光がまったく当たらない場所に飼育容器を置くと魚や水草の健康に良くないので、日光が当たる時間を調整できるようにするのがポイントです。ただ、風通しが悪いとより暑くなることがあるため、注意しましょう。

失敗2:大雨の後、生き物が体調を崩した

台風や長雨やゲリラ豪雨などの後に、メダカなどビオトープの生体が体調不良になったり死んだりしてしまうことがあります。

一見、雨は水道水のように塩素(カルキ)が含まれているわけではないので、無害に見えますが、問題は「飼育水以外の水が短時間で大量に入ること」です。

失敗2の原因:雨水による水質の急変

原因は、雨水が大量に入ったことによるpHの急変です。

しとしと降る程度であれば問題ありませんが、短時間で大量に入るとpHが急変して、ビオトープの生体に悪影響を与えてしまいます。また、ゲリラ豪雨などの急な雨は水温も下がりやすく、pHの急変と相まって体調不良を起こしてもおかしくありません。

失敗2対策:シートをはる・軒下へ移動する

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雨水が入らないようにビニールシートを張る、もしくは軒下へ移動します。

台風などの場合は、水があふれて生き物が流出したり障害物が飛んできたりするため、風の影響を受けない場所に飼育容器を移動する方が安全です。難しい場合は容器をシートで覆うだけでなく、しっかり重しをして対策しましょう。

失敗3:コケや藻でいっぱいになってしまう!

ビオトープを始め、屋外飼育で避けて通れないのが「コケや藻の繁茂」です。

あまりにもひどくなると、臭いがきつくなるだけでなく魚も泳ぎにくくなります。観賞性が下がって生体を観察することが難しくなるため、ビオトープの魅力を半減させてしまうことにもなりかねません。

失敗3の原因:水の富栄養化

コケや藻は、水中の栄養が多かったり汚れがたまったりなどすることで発生しやすくなります。

また、水深がある飼育容器や入り組んだレイアウトをしている場合は、気付かない場所で生体が死んで水質を悪化させていることもあります。

失敗3対策:エビを導入する・適度な餌やり

水の富栄養化によるコケや藻の発生は、

  • エビに食べてもらう
  • 適度な餌やり

が効果的です。発生したものはエビに処理してもらい、餌の量や回数を調整することで抑制します。「1日に2回、3~5分で食べきれる量」が目安です。

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失敗4:底砂を入れたら水の濁りが取れない!

飼育容器に底砂を敷き水を入れたら、いつまでたっても濁りが取れないことがあります。

時間の経過とともに濁りが落ち着き、透明度が増してくるのが通常です。しかし、底砂の種類によっては濁りが取れない、もしくは魚が動くなどちょっとしたことで濁ってしまうことも珍しくありません。

失敗4の原因:土を入れてしまった

これは初めてビオトープを作る方でたまにあるのですが、園芸用の普通の土をビオトープの底砂にしてしまうことが原因です。

水と一緒にすることを想定して作られているわけではないため、ひどく濁ってしまいます。また、栄養豊富な土であれば、濁りだけでなく水の富栄養化にもつながるので、生体を安定して飼育することは難しいでしょう。

失敗4対策:アクアリウム用の砂利を使用する

透明度の高いビオトープを目指す場合は、必ずアクアリウム用の砂利・底砂を使用しましょう。

透明度だけでなく水質も安定しやすいので、生体に優しい環境を作ることができます。園芸用なら「赤玉土」がおすすめです。

ビオトープでは一般的な底砂で水質浄化作用が期待できますし、水草を植え込むことも可能です。

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失敗5:魚の天敵が頻繁に現れる!

魚の天敵が頻繁に現れ、食べられてしまうことがあります。

  • ネコ
  • カラス
  • アライグマ
  • ヤゴ

といった生き物がうろついているのに対策せず放置すると、大半の魚が被害に遭うことにもなりかねません。

失敗5の原因:天敵の通り道だった

ビオトープの置き場所が天敵の通り道だった場合、続けて被害に遭いやすいです。

たとえば、ネコの散歩コースが近ければ、狩猟本能を刺激してしまうことが多いです。その他の生き物でも、テリトリー内に飼育容器があると「餌場」と認識して、立て続けに魚が襲われてしまいます。

失敗5対策:高さのある金網やネットで守る

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前提として、天敵が現れないかしっかり確認しましょう。

水生昆虫もビオトープの天敵なので、入り込んでいないか随時チェックしてください。特に「ヤゴ」はトンボが飛んできて卵を産みつけるため、知らない間に育っています。

天敵には丈夫な金網やネットで対策しますが、高さがあるかご状のものやドーム型のものは、

  • 動物の手が届きにくい
  • トンボが産卵しにくい
  • 風通しが良い

といった点でおすすめです。力が強い哺乳類の場合は、加えて重しをすると安全性が高まります。

まとめ:【初心者必見】ビオトープの失敗例5個!失敗の原因と対策もご紹介します

今回は、ビオトープの失敗例を5個ご紹介しました。

どれも珍しいケースではなく身近に潜んでいることなので、失敗しやすいポイントを押さえてしっかり対策しましょう。そして、安全に末永くビオトープを楽しんでください。