近年のメダカブームには目を見張るものがありますが、その火付け役はなんといっても「変わりメダカ」でしょう。
品種改良によって生まれた変わりメダカには、ヒカリやダルマといった体型の変化はもちろん、三色やアルビノなど体色や模様にいたるまで多彩な特徴を持った品種がたくさんいます。なかには飼育や繁殖にコツがいる品種もいるので、失敗しないメダカ飼育のためには特徴を知っておくことが大切です。
そこで、今回は変わりメダカの特徴から代表種まで解説します!飼育難易度ランキングもご紹介するので、これから飼育を始めたいという方も参考にしてみてください。
変わりメダカとは
『変わりメダカ』とは、品種改良によって生まれた体型・体色に特徴を持ったメダカのことです。
品種改良メダカの総称ともいえます。日本に生息する野生のメダカ(原種)の突然変異を固定したシンプルなものから、度重なる品種改良によって作出された大変美しいものまで、たくさんの品種が存在します。
なかには、遊泳力が弱く餌を食べるスピードが遅かったり、繁殖率が低かったりするものもいるため、それぞれの特徴に合わせた飼育を心がけることが大切です。
品種改良されたメダカたち
品種改良されたメダカは本当に多種多様です。
ヒカリやスワローはひれが長いのが特徴で、優雅に泳ぐ姿に魅力を感じる人は少なくありません。一方で楊貴妃や三色は普通の体型のメダカですが、体色が鮮やかで美しく人気が高い品種です。
しかしその一方で、視力が弱いアルビノ、消化不良を起こしやすいダルマといったように、飼育するうえで注意が必要な品種もいます。
親と同じ模様の子が生まれるとは限らない
見た目がとても魅力的な変わりメダカですが、繁殖しても同じ姿(体形や模様など)の子が生まれるとは限りません。
ときには、親とかけ離れた外見の子が生まれることもあります。親から受け継がれる遺伝子のパターンは1つではないため、親の特徴が色濃く現れる子もいれば、そうでないことも少なくありません。
明確な特徴を持ったメダカ同士をかけ合わせることで、固定率(親の特徴を受け継ぐ確率)を高めることはできますが、膨大な時間がかかるうえに100%思い通りの子を産ませることは困難です。
「メダカが1ペア10万円」といったように高値で取り扱われる理由は、特徴がはっきり現われたメダカを作出することの難しさにあります。
変わりメダカの飼育難易度ランキング!
変わりメダカといっても品種が多く、飼育の難しさもさまざまです。
ここでは、変わりメダカの代表種と合わせて、飼育難易度が簡単な品種からランキング形式でご紹介します。品種ごとの特徴と飼育のコツも解説するので、参考にしてみてください。
1位:楊貴妃メダカ:難易度★☆☆☆☆
朱色が美しい「楊貴妃」は丈夫で飼いやすく飼育難易度が低い品種です。
飼育環境も普通のメダカと同じで特に気を遣わなければいけないこともありません。繁殖しても同じ形質(特徴)を受け継ぐ可能性が高いので、選別しなくても楊貴妃を殖やすことができます。
体色をよりきれいに見せたい場合は専用の餌がおすすめです。
2位:白メダカ:難易度★☆☆☆☆
「白メダカ」はその名の通り白い体色が際立つきれいなメダカです。
ショップはもちろん、ホームセンターなどでもよく目にします。
普通のメダカと変わらず強い品種なので、同じ飼育方法で問題ありません。繁殖力が高いため、殖やしすぎには注意しましょう。
3位:幹之メダカ:難易度★☆☆☆☆
背中が光る「幹之メダカ」は上見で特に美しい品種です。
尾に近い場所から頭部まできれいに光っているものを鉄仮面やフルボディと呼びます。
丈夫で繁殖もしやすく飼育は簡単ですが、目立ちやすことから屋外飼育の場合は鳥類や哺乳類などの天敵に注意しましょう。
4位:ヒカリメダカ:難易度★★☆☆☆
「ヒカリメダカ」は尾びれと背びれ・臀(しり)びれの形が変わったメダカです。
背中の一部が光って見えることが名前の由来となっています(品種改良によって光らないタイプもいます)。飼育するうえで難しいことはなく、繁殖させても高確率でヒカリメダカが生まれます。
しかし、背曲がりの子が生まれる確率が他の種に比べ高いので、良いヒカリ体形のメダカを累代したい場合は子を選別した方が良いです。そうでなくても、背曲がりは遊泳力が低いため、餌を行き渡らせるなら通常の個体と分けて飼育することをおすすめします。
5位:三色メダカ:難易度★★★☆☆
朱・黒・白の三色が特徴的な「三色メダカ」は人気が高く、専門で扱う人も少なくありません。
きれいに発色したものは、錦鯉を彷彿させる美しさがあります。弱い品種ではないので飼育することは簡単ですが、繁殖させる際に三色模様が遺伝子しにくいことから、きれいな三色メダカを維持するためには子の選別が必要です。
6位:ダルマメダカ:難易度★★★☆☆
「ダルマメダカ」の特徴は寸詰まりの可愛い体形です。
コロッとした見た目に愛嬌を感じて、好んで飼育する人も少なくありません。飼育では遊泳力が低く他の品種がいると餌を食べ損ねることがあるので、単種飼育がおすすめです。
また、消化不良を起こしやすいことから、低水温での飼育には向きません。28度以上の高水温で飼育した方が飼育・繁殖ともに上手くいきやすいです。
他の品種と比べると繁殖時の受精率が低い傾向があります。
7位:ブラックメダカ:難易度★★★☆☆
一際黒い体色が目立つ「ブラックメダカ」は、派手ではないものの独特の存在感から人気が高い品種です。
黒といっても度合いによって品種が分かれ、なかでも「オロチ」は色濃く黒が発色するうえに、環境によって色あせることもありません。
稚魚期に少し繊細で育ちにくい面があるので、水質や給餌に気を遣う必要があります。成魚まで育てば普通のメダカと同じように飼育可能です。
8位:スワローメダカ:難易度★★★★☆
尾びれを始め、背びれ・臀びれの一部が伸長する「スワローメダカ」。
泳ぐたびになびく優雅なひれが美しく目を引きます。魅力的な反面、そのひれが擦れてけがや感染症にかかってしまうこともあるため、水槽内の石や流木、水草といった障害物は増やしすぎない方が良いでしょう。
飼育密度が高いことでも擦れてしまうので、飼育容器の個体数は少なめに調節することをおすすめします。
9位:アルビノメダカ:難易度★★★★★
変わりメダカのなかでも飼育が難しいのが「アルビノメダカ」です。
生まれつきメラニンを作ることができないことから、真っ白な体と赤い目になります。視力が悪いため、餌を食べるのが下手で遅かったり、繁殖(交尾)が難しかったりと、飼育難易度は高いです。体が弱い個体も少なくありません。
アルビノメダカは単種飼育にして、餌が行き渡りやすいよう給餌の際に配慮してあげましょう。普通のメダカ以上に水質の変化にも気を付けた方が良いです。
まとめ:変わりメダカって何? 特徴から代表種まで解説!飼育難易度ランキングも
今回は変わりメダカの特徴から代表種、飼育難易度ランキングにいたるまでご紹介しました。
変わりメダカは飼育が簡単な品種からコツがいるものまでさまざまですが、「飼育が困難」な品種はいません。品種ごとの特徴と飼育のポイントを心がければ、普通のメダカと同じように飼うことができます。
美しく個性的な変わりメダカの飼育に挑戦してみてください。
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トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。
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