オーバーフロー水槽最大のメリットは、他のろ過システムとは比べ物にならないほどの大きなろ過能力を保持しているという点です。
そのろ過能力を決定づけているのが、メイン水槽下のろ過槽の大きさ。
オーバーフロー水槽を選ぶ際は、ろ過槽の仕様やサイズにも着目してみてはいかがでしょうか。
今回はオーバーフロー用ろ過槽におすすめの構造やサイズ、水槽用機材の配置場所などについて、オーバーフローを愛用するアクアリストの意見も交えながら解説していきます。
ろ過槽の仕様に迷っている方やオーバーフロー水槽の購入を検討中の方は、ぜひこちらのページを参考にしてみてくださいね!
オーバーフロー用ろ過槽におすすめの構造
オーバーフロー水槽は飼育する生体やポンプ、配管に合わせて、ろ過槽を個別に制作するのがおすすめです。
ろ過槽の仕様やサイズによってろ過能力などが大きく変わってきまので、まずはろ過槽に適した構造について確認していきましょう。
- ウールボックスは必須!
- ろ過槽内仕切り板について
- 飼育生体や水槽サイズでおすすめ構造は異なる
以上3つの項目に沿って解説していきます。
ウールボックスは必須!
メイン水槽から落下した水にはコケのかたまりや餌の食べ残し、サンゴの破片など、大きなゴミが混ざっています。
このサイズのゴミがろ過槽に入り込むと目詰まりの原因になるので、フロー管の下には必ずウールボックスを設置しましょう。
ウールボックスで大きなゴミを絡め取ることができれば、メンテナス頻度を延ばすこともできます。
オーバーフロー水槽で使うウールマットは、高密度でコシの強いタイプのものがおすすめです。
サンミューズのファインマットはウールボックスのサイズに合わせて自由にカットできますし、耐久性に優れていてコスパが良いですよ。
ろ過槽内仕切り板について
ろ過槽は何層かに仕切ることでより強力なろ過能力を発揮します。
ただし、仕切りの設計を間違えてしまうとろ過槽内に水槽用ヒーターやポンプが入らないといったトラブルが起こり得ますし、水が蒸発して水位が低下しやすい傾向にあるので注意しましょう。
ろ過槽に収納したい機材の大きさや水位などをよく計算して、仕切板を設置してみてくださいね。
飼育生体や水槽サイズでおすすめ構造は異なる
おすすめの構造は飼育生体やサイズによって分かれますが、目安としては60cm以下の小型オーバーフローなら2層、それ以上の水槽なら3層にするのが一般的です。
層を分けてバクテリアを効率よく働かせれば、有害なアンモニアを一瞬で分解し、ほとんど無害な硝酸塩に変えることができます。
ただし、サンゴがメインの水槽では硝酸塩が少ない(ゼロに近い)方が望ましいので、ろ過は硝化バクテリアではなく、プロテインスキマーに頼るのがおすすめです。
このプロテインスキマーをメインで利用したろ過システムをベルリン式と呼びます。
ベルリン式の場合はろ過槽を仕切らず、なるべく広くとりましょう。
ろ過槽サイズは大きいほど良い理由
見た目やインテリア性をそこまで重視しないのであれば、ろ過槽のサイズはとにかく大きくするのがおすすめです。
その理由を、
- バクテリアを増やせる
- 水の蒸発速度を遅らせる
という2つの観点から解説していきます。
バクテリアを増やせる
ろ材を多く入れることができればその分バクテリアの総数が増え、ろ過能力も上昇します。
配管やろ過槽内に入れる機材の配置場所を決めたら、なるべく限界まで大きなろ過槽を設置しましょう。
水の蒸発速度を遅らせる
水の蒸発速度を遅らせられるという点も、ろ過槽を大きくするメリットのひとつです。
小さなろ過槽ではすぐに水が蒸発し、適切な水位が保てなくなってしまいます。
ろ過槽に入れた水槽用ヒーターが水から露出するのは危険なので、こまめに足し水をしなければなりません。
ご自身がどのくらいの頻度でメンテナンスできるのかを考慮し、ろ過槽のサイズを決めましょう。
水槽用機材の配置場所について
最後に、水槽用機材の設置場所について解説していきます。
- ろ過槽内に入れたい機材
- ポンプの置き場所
の2点についてご紹介しますので、しっかりと確認しておきましょう。
ろ過槽内に入れたい機材
できるだけろ過槽内に入れておきたい機材は以下の3点です。
- 水槽用ヒーター
- エアレーション
- プロテインスキマー
これらの機材について、ろ過槽に入れておくメリットを解説します。
水槽用ヒーター
オーバーフロー水槽ではろ過槽に水槽用ヒーターを収納できるので、メイン水槽をすっきりと見せることができます。
ろ過槽で生き物を飼育するわけではないので、ヒーターカバーも不要です。
ただし、ろ過槽の水が蒸発してヒーターが空中に露出すると、ヒーターが故障したりろ過槽が解けてしまうリスクがありますので、水位の低下には十分に注意しましょう。
エアレーション
メイン水槽にエアレーションを設置したいというこだわりがなければ、エアレーションもろ過槽に入れておくのがおすすめです。
極論を言えばオーバーフローの構造自体が高い酸素供給能力を持つシステムなのですが、ろ過槽内にエアレーションを設置すれば、さらにバクテリアを活性化させることができます。
プロテインスキマー
小型のプロテインスキマーであれば水槽のフチに引っ掛けて使うこともできますが、ある程度の大きさのプロテインスキマーは基本的にはろ過槽に入れて使用します。
設置したいプロテインスキマーが余裕をもって入るように、ろ過槽のサイズを設定しましょう。
ポンプは種類で置き場所が変わる
オーバーフロー水槽で使用するポンプは水中ポンプとマグネットポンプがありますので、どちらを使用するかによって設置場所が変わります。
水中ポンプを採用するのであればろ過槽内にポンプを入れるスペースが必要ですし、マグネットポンプを使うのであればろ過槽の外側にある程度の広さが必要です。
水槽台内の広さやポンプのパワーなどを考慮しながら、使用するポンプやろ過槽の広さを決定しましょう。
東京アクアガーデンではろ過槽設計のご相談も受け付けております!
「飼育したい生体や水槽サイズは決まっているけれど、ろ過槽のサイズがなかなか決められない」
「ろ過槽を自作する自信がない」
このようにお悩みの方は、ろ過槽の設計を業者に依頼してみるのがおすすめです。
私たち東京アクアガーデンのオンラインショップでは、水槽や水槽台、ろ過槽などのオーダーメイドを承っております。
ろ過槽の仕様や素材については以下のページで詳しく解説しておりますので、制作のご依頼やサイズ・仕様のご相談などは、こちらのページからお気軽にお問い合わせください。
まとめ:オーバーフロー用ろ過槽はどんな構造がおすすめ?アクアリストの意見とは
今回はオーバーフロー水槽のろ過槽におすすめの構造を解説してきました。
結論としてはろ過槽のサイズはできるだけ大きいものを選び、仕切りはメイン水槽のサイズに合わせて2層~3層に分けるのがポイントです。
ろ過槽に入れる機材の大きさも考慮しつつ、サイズを決めていきましょう。
もし適したろ過槽サイズや構造がなかなか決まらないという方は、東京アクアガーデンのオンラインショップまでお問い合わせください。
飼育したい生体や水槽サイズ、お客様のこだわりなども考慮しつつ、最適なものを提案させていただきます。
トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!