水槽とコケや食べ残しは切っても切れない関係で、飼育者が必ず直面する問題です。
オトシンクルスやコリドラスなどの「お掃除生体」の力を借りることもありますが、肉食魚水槽に関してはそうもいきません。小型の生体は食べられてしまいますし、気が強ければケンカして掃除どころではないことも。
ただ、肉食魚は相性が難しいといっても、「肉食魚水槽向きのお掃除生体」もいるので、導入することで水槽掃除の負担を減らすことができます。
そこで、今回は肉食魚を飼育していてコケや食べ残しにお困りの方向けに、肉食魚水槽のお掃除生体を5種類ご紹介します。
肉食魚水槽におすすめのお掃除生体5選
肉食魚水槽におすすめのお掃除生体は次の5種類です。
- セルフィンプレコ
- スカーレットトリム
- ロイヤルプレコ
- クラウンローチ
- カラープロキロダス
アクリル水槽の掃除には不向きだったり、コケよりも食べ残し掃除がメインだったりと、それぞれ特徴があるので、水槽や困っている問題に最適な生体を選ぶことが重要です。
セルフィンプレコ
50cmを超える大型の「セルフィンプレコ」は南米原産の魚で、肉食魚水槽のお掃除生体としてよく姿を見かけます。
その大きさからも想像できる通りコケ取り能力は高く、水槽面に生えるコケを種類問わず食べてくれる有難い存在です。ただし、大きくなるにつれて肉食性の餌も食べるようになりコケ取り能力が下がるケースもあります。
また、アクリル水槽の場合は、コケを食べる際に水槽面を傷つけてしまうことがあるので要注意です。
プレコについては、コチラの記事を参考にしてください。
スカーレットトリムプレコ
「スカーレットトリムプレコ」はセルフィンプレコほどではないものの、40cm程度まで成長する成長する大型プレコです。
コケもしっかり食べてくれますが、やや高価な点がネックになりがちです。近い種類の「ウルトラスカーレットトリム(ウルスカ)」も人気が高く、プレコファンから人気を集めています。
アクリル水槽は傷つけてしまうケースがあるので、ガラス水槽向きのお掃除生体です。
ロイヤルプレコ
「ロイヤルプレコ」は大きなもので40cm、一般的なサイズでは30cm前後と、これまでご紹介したプレコよりもやや小柄な種類です。
縞・斑模様が美しく観賞魚としても人気があります。中型水槽でも飼育できますが、成長するとやや気性が荒くなるので注意しましょう。
特に他の種類のプレコとは混泳させない方が安全です。
クラウンローチ
東南アジア原産の「クラウンローチ」は、アクアリウムではとても有名な魚です。
状態の良い大きな個体では30cmを超えることもありますが、飼育下では20cm程度でも大きな部類といえます。コケを食べるタイプではなく、底に落ちた食べ残しを食べてくれるお掃除生体。
性格は温和で、さまざまな肉食魚と相性が良いです。ストライプ模様がアクセントになるので、お掃除生体としてはもちろん、混泳相手として選ばれることも少なくありません。
カラープロキロダス
「カラープロキロダス」は南米原産の魚で、大きなものは50cm程度まで成長するカラシンの仲間です。
大人しく混泳相手に困ることもありません。丸く開く独特の形をした口で水槽に生えたコケを食べてくれます。さらに、食べ残しも掃除してくれるので、お掃除生体としてはとても優秀。
プレコと違ってアクリル水槽であっても傷をつけないことも嬉しい点です。
肉食魚水槽用お掃除生体の選定条件
肉食魚用のお掃除生体を選ぶ際には、混泳魚やレイアウトといったポイントも加味して考えると失敗しにくいです。
ここでは、選定条件をご紹介するので、メインの肉食魚や水槽の環境を思い浮かべ向いているお掃除生体を選ぶ参考にしてみてください。
コケ取り生体については、コチラの記事を参考にしてください。
肉食魚と共存できる種類であるか
1番大切なことは「肉食魚と共存できる種類」であるかどうかです。
小さければ当然捕食対象として食べられてしまいます。また、気性が荒い生体であれば肉食魚とケンカになってしまうことも少なくありません。
その点では、大型化するうえに遊泳層が被りにくいプレコ類が重宝します。ただし、淡水エイを飼育している場合にはプレコ類はおすすめできません。遊泳層が低層同士で被ってしまいますし、平たく表面積が広い淡水エイは、プレコに体表を舐められ傷ついてしまうことがあるためです。
飼育している肉食魚によって相性の良い生体が異なるため、よく性質を考えながらお掃除生体を選ぶようにしましょう。
肉食魚と一緒に飼育できる生き物については、コチラの記事を参考にしてください。
水槽レイアウトとの相性を考えよう
飼育している肉食魚との相性が問題なければ、次は「レイアウトとの相性」を考えます。
先ほど少しお話ししましたが、プレコ類はアクリル水槽だとコケを食べる際に水槽面を傷つけてしまうため、ガラス水槽向けのお掃除生体です。アクリル水槽の場合は、クラウンローチやカラープロキロダスがおすすめです。
プレコはよく食べフンの量も多いので、どちらかと言うとこまめに掃除できるベアタンク向き。
レイアウトに流木がある場合は、プレコの餌になったり、落ち着ける場所になったりと、より相性が良いでしょう。
肉食魚水槽のコケ掃除について
いくらお掃除生体といっても、すみからすみまで完璧に掃除できるわけではないので、掃除は欠かせません。
ただ、体長の大きな種類が多い肉食魚は中~大型水槽で飼育されることが多く底部まで掃除しにくいことも少なくありません。
60×45cm水槽で満水でないとしても、40cmは手を伸ばす必要があります。それ以上大きい水槽ならなおさら一苦労です。
その場合は、マジックハンドや柄の長いヘラ・クリーナーがあると無理せず掃除することができます。東京アクアガーデンで水槽のメンテナンスを行う際にも、よく利用しているおすすめグッズです。
大型水槽の掃除については、コチラの記事を参考にしてください。
まとめ:肉食魚水槽のお掃除生体5選!選定条件とおすすめのコケ掃除法!
今回は、肉食魚水槽におすすめのお掃除生体5種類のご紹介でした。
- セルフィンプレコ
- スカーレットトリム
- ロイヤルプレコ
- クラウンローチ
- カラープロキロダス
プレコ類はガラス水槽、クラウンローチは食べ残し、カラープロキロダスはアクリル水槽でも傷つけないなど、それぞれの特徴を把握して水槽に導入してみてください。
1種類でも効果的ですが、セルフィンプレコとカラープロキロダスといったように2種類入れることで掃除の手間を大幅に減らせるケースもあります。
もちろん、メインの肉食魚との相性が最優先なので、お掃除能力も大切ですが混泳魚としてのバランスを1番の軸に選んでみてください。
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トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。
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