アクアリウムはただ熱帯魚を飼育するだけでなく、レイアウト次第では室内を華やかに見せるインテリアとして仕立て上げることができます。
インテリアを目的とした水槽はインテリア水槽と呼ばれますが、美しく色鮮やかな水槽を作るのは簡単ではありません。とはいえ、照明や水草の種類、バックスクリーンの有無など、機材やレイアウト素材をインテリア向きのものに変えるだけで、見違えるほど華やかに見せることができます。
ここでは明るい水槽に仕上がるポイントをふまえて、カラフルなインテリア水槽のレイアウトをご紹介します。
レイアウト水槽に挑戦したい方や現在の水槽を色鮮やかにしたい場合は、ぜひ、ご覧ください。
インテリア水槽とは
インテリア水槽は、室内を鮮やかに彩ったり、空間の雰囲気を演出したりするのに特化した水槽を指します。
明確な定義があるわけではありませんが、魚の飼育や観察よりもオブジェやインテリアとしての華やかさに重きを置いた水槽いえるでしょう。店舗やエントランスなどで見かける壁面に埋め込まれている水槽は、空間演出効果を考えて設置されたアクアリウムの一例です。
カラフルな水槽レイアウトのポイント
水槽レイアウトといえば、凹・凸、三角といった構図をもとに、水草や流木などのレイアウト素材が豊富な水槽を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
インテリア水槽でも基本的な考え方は同じですが、さらにカラフルで人目を引く水槽にするために次の6つのポイントを押さえながらレイアウトを施していきます。
- 強い照明を使う
- 明るい水草を使う
- 水槽用アクセサリーを使う
- バックスクリーンを貼る
- 大ぶりな流木を使う
- エアーカーテンを使う
難しい技術は必要なく、水槽に入れたり、使ったりするだけで水槽の鑑賞性がグッと上がります。
構図やレイアウト事例は後ほどご紹介するので、ぜひ、ご覧ください。
強い照明を使う
強く明るい照明を使うことで、水槽の中のレイアウトや熱帯魚をはっきりと際立たせることができます。
- 魚の体色
- 水草
- 流木や岩
など、水槽内全体が明るく見えてコントラストも明確になります。照明を変えるだけで、簡単に素材本来の美しさを引き出して鑑賞性を上げることが可能です。
また、レイアウトや魚種、部屋のイメージによって照明のカラーを変えると、統一感を出したり、幻想的な雰囲気を演出したりすることもできます。一色では調節できないため、自由にカラーを調節できるマルチカラーの照明がおすすめです。
明るい水草を使う
明るい色調の水草を使うこともカラフルな水槽レイアウトのポイントです。
すべての水草を変える必要はありませんが、明るい色合いの水草の配分を増やすことで水槽全体が鮮やかになります。
明るい水草の例は、次のとおりです。
- ウォーターウィステリア
- ウォーターマッシュルーム
- アヌビアスナナ・ゴールデン
- ルドウィジア
あくまで一例なので、照明の光量やCO2添加の有無も考慮して選んでみてください。
また、カラフルにしたいのであれば人工水草を活用するのもおすすめです。
最近の人工水草は本物と見紛うほど精巧に作られているものも多いので、違和感なく水槽に取り入れることができます。本物の水草とは違い水槽環境で色合いが変わるようなこともなくトリミングなども必要ありませんので、手軽に彩りを追加したいときにおすすめです。
明るい色調の水草を使った水槽事例は、こちらでご紹介しています。
水槽用アクセサリーを使う
レイアウトといえば、水草や流木・岩などに目が行きがちですが、水槽用アクセサリーもおすすめです。
- 造花
- 水槽用フィギュア
- 擬岩
など、人工のアクセサリーを入れるだけで簡単にテーマ性を打ち出すことができます。物語に出てくるような森、日本庭園、城といったように、好みのテーマを簡単に再現できるのはアクセサリーだからこそです。
ただ、コケがどうしても生えてしまうため、定期的に水槽から出して磨く必要があります。
バックスクリーンを貼る
バックスクリーン1枚で、水槽のイメージは大きく変わります。
ブルーは水草の緑が際立ちますし、海水魚水槽の場合は幻想的な雰囲気を演出できます。ブラックは落ち着いた水槽になりやすいですが、明るい照明を使うことで水槽内の水草や流木・岩などのレイアウトを際立たせることが可能です。
他にも鮮やかな水草や岩壁などがプリントされているバックスクリーンもあるので、部屋やアクアリウムのテーマに合わせて選んでみてください。
バックスクリーンの選び方は、こちらの記事で解説しています。
大ぶりな流木を使う
淡水水槽では、大ぶりな流木を使うのも良い方法です。
流木自体はもちろんカラフルではありませんが、水槽全体を引き締めつつ水草の緑を際立たせることができます。
明るい照明やバックスクリーンと併用することで、水草だけではなく流木や岩、アクセサリーなどのレイアウトが一段と引き立ちます。
エアーカーテンを使う
細かい気泡を作れるエアーカーテンを使うことで、視覚的にとても美しい水槽になります。
チューブから立ち上がる気泡はエアレーション効果だけではく、照明の光を受けてキラキラと輝くため幻想的な雰囲気を演出できます。背景がないと気泡が見えにくいので、バックスクリーンと合わせて使ってみてください。
カラフルな水槽レイアウト事例7選
ここからは、カラフルな水槽レイアウトの事例を7つご紹介します。
淡水魚水槽だけではなく海水魚水槽も含め、
- 水草メイン
- アクセサリーが豊富
- 自然かつカラフル
など、複数のパターンをご紹介するので、レイアウトの参考にしてみてください。
カラフルな造花が目をひきつける淡水円柱水槽
水草を使わず色とりどりの造花を使うことで華やかさを際立たせた、直径60cmの淡水魚水槽です。
造花の色彩がとても豊富なうえに、ネオンテトラやホワイトプリステラなどカラフルな熱帯魚を入れることで鑑賞性の高い水槽に仕上がっています。円柱水槽は水槽自体のオシャレなデザインなのもさることながら、360度鑑賞できて、見る角度によって配色が変わため飽きが来ないのも大きなメリットです。
部屋と調和した壁埋め込み式260cm淡水魚水槽
こちらは水草の緑が際立つ、壁に埋め込んだ260cm淡水水槽です。
レンガ調の壁を活かしつつ豊富な水草をレイアウトに使うことで、部屋と調和した水槽になっています。
ミクロソリウムやアヌビアス・ナナなど、落ち着いた色合いの水草が多いですが、壁や熱帯魚(ゴールデンエンゼルフィッシュやパールグラミーなど)とのコントラストが際立っています。水槽機材が見えず鑑賞性が高いのも、壁埋め込み式水槽だからこそです。
バラの造花で飾る60cm海水魚水槽
「海水魚水槽にバラ?」と驚いてしまいますが、自然を演出するだけではないのがインテリア水槽です。
一見派手に見えますが、バラの造花はポイントとして入れて他はシンプルなレイアウトなので、全体を見るとまとまったアクアリウムに仕上がっています。華やかなバラと無骨なライブロックの岩組みが対照的な独創性のある水槽です。
明るい水草と大ぶりな流木で自然を演出した120cm淡水魚水槽
自然な雰囲気を前面に押し出した、水草の美しい淡水魚水槽です。
基本の凹構図をベースに水槽全体に明るい色合いの水草を多く配置して、自然味溢れるアクアリウムを表現しました。また、大ぶりな流木を入れることで水草を際立たせつつ、ダイナミックな自然を演出しています。
「自然を意識したインテリア水槽を作りたい」という方におすすめのレイアウトです。
ダイナミックな岩組みをサンゴ飾りで彩った150cm海水魚水槽
ライブロックとサンゴ飾りのバランスが美しい海水魚水槽です。
ダイナミックなライブロックの岩組みを華やかなサンゴ飾りで彩ることで、視覚的に引き込まれるレイアウトになっています。青い照明を使って海の幻想的な雰囲気を演出しているのもポイントです。
水草と流木のバランスが抜群な60cm淡水魚水槽
インテリア水槽としては少々小ぶりで扱いやすい大きさの60cm水槽ですが、水草と流木のバランスを意識することで奥行きのあるレイアウトを作ることができます。
前景・中景・後景向きの水草を適所に配置しつつ、中心に枝ぶりの立派な流木を置くことによってバランス良く仕上がっています。明るい照明を使うと、レイアウトに陰影ができて水槽に深みを出すことも可能です。
レッドの水槽台が部屋を華やかにする120cm海水魚水槽
こちらはレイアウトではなく、カラフルな水槽台が印象的なインテリア水槽です。
レッドのメラミン化粧板を使った水槽台によって、インテリアとしての存在感を発揮しています。このようなカラフルな水槽台は市販品では入手することが難しいため、オーダーメイドがおすすめです。
まとめ:カラフルなインテリア水槽のレイアウト!明るい水槽に仕上げるポイント
今回は明るい水槽に仕上がるポイントをふまえて、カラフルなインテリア水槽のレイアウトをご紹介しました。
美しいインテリア水槽と聞くと、レイアウト技術が必要に思いますが、
- 強い照明を使う
- 明るい水草を使う
- 水槽用アクセサリーを使う
- バックスクリーンを貼る
- 大ぶりな流木を使う
- エアーカーテンを使う
といったポイントを押さえるだけで、水槽の華やかさがグッと際立ちます。現在使っているものを交換したり、新しく水槽に入れたりするだけで立派なインテリア水槽になるので、ぜひ、実践してみてください。
トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。