コケの中でも硬く掃除が大変な斑点状コケ。緑色のポツポツとした形状のこのコケで、別名スポットゴケとも呼ばれます。
きちんと管理している水槽のガラス面にも生えやすく、落としづらいことから悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
斑点状ゴケは発生初期こそそこまで目立たないのですが、成長すると水槽一面が緑色に染まり、処理も大変になってしまうので、なるべく早い段階で対策しておきたいコケの一種です。
そこで今回は、斑点状コケが生える原因やおすすめの対策方法、効果的な掃除の仕方についてご紹介をしていきます。
斑点状コケとは
斑点状コケとは、スポット状にポツポツと生えてくる緑色のコケのことを指します。
とても固いためこのコケを好んで食べる生体があまりおらず、コケ取り生体を導入している水槽でも繁茂しやすいというのが特徴です。
生え始めの頃は斑点の大きさは約2mmと、そこまで目立ちません。
ただし放置をすると徐々に大きく広がり、景観がかなり悪くなってしまうため、注意をしましょう。
長期間付着すると少しの力では落ちなくなるため、生えはじめに対処するのがベストです。
大抵は水槽の壁面に多く発生するのですが、成長の遅い水草(アヌビアス・ナナなど)にも付着することがあります。
斑点状コケが生える原因
ここからは、なぜ斑点状コケが生えてしまうのか その原因をご紹介していきます。
斑点状コケが発生する主な理由としては、
- 水質が安定しており、コケが育ちやすい環境が維持されている
- 照明時間が一定でない
これらの要因が挙げられます。
以下で詳しく解説していきますので、もしご自身の水槽環境にも当てはまる場合は、早急に対策しましょう。
安定した水質で発生しやすい
意外に思う方も多いかもしれませんが、斑点状コケは水質が安定した水槽内で発生しやすいです。
なぜかというと、コケも植物ですので水草がよく繁茂するような水質の安定した環境を、同様に好むからです。特に水草が良く成長するよう整えられた、水草水槽ではその傾向が顕著となります。
水草水槽は水草の成長を促すため、光の強い照明を使うことが多く、光合成が盛んです。また、成長に必要な養分やCO2の添加を行うこともあり、この条件はコケが成長する環境にも合致します。
このような水槽では高確率で斑点状コケが生えてしまいますので、早期発見・早期対策を心がけましょう。
照明時間が長い・一定でない
照明の点灯時間が長い、一定でない水槽でも、斑点状コケは生えやすくなります。
特にライトの照射時間が8時間以上の場合は注意が必要です。コケが光合成を行なう時間が延び、成長を加速させてしまいます。
また、は、点灯時間が8時間以下だったとしても想定以上の光量を取り込んでしまっている可能性があり、コケも成長しやすくなります。
照明の点灯時間だけでなく、水槽に差し込む自然光にも十分に配慮しましょう。
斑点状コケの対策3選
続いては、斑点状コケが生えてしまった際の対策を3つご紹介していきます。
効果的でおすすめなのは、
- 照明時間を管理する
- コケ取り生体に食べてもらう
- 水換えのペースを見直す
これらの対策方法です。
以下で詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。
照明時間を管理する
もっとも手軽にできるのが、照射時間をきちんと管理するという方法です。
斑点状コケは照射時間が8時間以上だと成長しやすいため、照明の点灯時間をきっちり8時間に設定するだけでも、ある程度は生えにくくすることができます。
スマートプラグやタイマーを使えば自動で電源のON/OFFが操作できるので、かなりおすすめですよ。
コケ取り生体に食べてもらう
次におすすめなのが、コケ取り生体に食べてもらうという対策方法です。
また、生え始めてから時間の経った斑点状コケは固いため、コケ取り生体でも食べることができます。
壁面に付着したコケが得意なオトシンクルスや石巻貝などを導入して、大量発生を抑制します。
しかし、オトシンクルスはもともとスポットゴケを率先して食べるわけではありません。
斑点状コケが成長しきると、オトシンクルスでは処理できなくなっていきます。
あくまで抑制をサポートするといった位置づけで対策しましょう。
水換えのペースを見直す
照明時間を管理し、コケ取り生体にある程度のコケを食べてもらったとしても、すべての斑点状コケをきれいになくすことはできない場合があります。
生え始めてから時間の経った斑点状コケは固いため、先述したオトシンクルスや石巻貝でも食べきれないことが多いです。
そのようなときは水換えペースを上げるのが有効です。コケの養分は水中にありますので、水換えをして養分を減らすと、コケも次第に弱っていきます。
斑点状コケの掃除方法
対策をしていても繁茂してしまった斑点状コケは、掃除をして取り除くしかありません。
最後に、斑点状コケを掃除できれいに取り除く方法をご紹介していきます。
ヘラやスポンジでこそぎ取る
まずご紹介するのが、ヘラやスポンジでこそぎ取るという方法です。
物理的な掃除方法ではありますが、コケが発生してからあまり期間が経ってない(1~2ヶ月以内)ようでしたら、人の手でこそぎ落としてしまいましょう。
斑点状コケをこそぎ取る場合には、メラミンスポンジ(激落ちくんなど)を使うのがおすすめです。
スポンジを使っても落としきれないようであれば、ヘラを使用してみましょう。ただし、ヘラで強くこすり過ぎると水槽の壁面に傷がついてしまう可能性がありますので、力加減には十分注意して行ってください。
薬剤を使用する
続いてご紹介するのは、薬剤を使った掃除方法です。
ここでは『木酢液』や『オキシドール』を使ったコケのお落とし方について解説していきます。
木酢液
木酢液とは、木炭や竹炭を製造する過程で発生した煙を、冷やして液体化したものを指します。
植物の病気の防止や土壌の殺菌効果があるため、通常は農業の分野で使用されることが多いのですが、水槽に添加することで、頑固なコケを弱らせることが可能です。
斑点状コケに対して木酢液を使用する場合、まずは原液を3倍に希釈した溶液を作ります。
次に水槽の水を抜いてコケの生えている位置まで水位を下げ、希釈した溶液をコケに噴霧します。そのまま20分程度時間を置いたら、よくすすいで水位を元に戻しましょう。
水草やレイアウトに生えた斑点状コケも同様に対処が可能ですが、水槽の外に取り出せるのであれば取り出して、外で作業を行った後よくすすいでから、水槽に戻してください。
木酢液を噴霧してもコケが除去できるわけではありませんが、酸の力で弱ります。柔らかくなったコケを、スポンジでこすったり、コケ取り生体に食べてもらったりして取り除きましょう。
木酢液は、少量であれば生体にあまり影響を与えないと言われていますが、水質に敏感な生体や水草を管理している場合は、念のため別の容器に移してから作業すると安心です。また、木酢液を使った後は、生体に異変がないかよく観察してください。
オキシドール
オキシドールとは約3%濃度の過酸化水素のことで、通常は傷口の殺菌消毒剤として使用されています。
木酢液と同様にコケを弱らせる効果があり、さらに過酸化水素は放置すると水と酸素に分解されるため、安全なコケ掃除薬として重宝している方も多いようです。
ただし、モスやシダ、リシアなどの水草には大きなダメージを与えてしまうため、これらの水草は水槽から取り除いてから使用しましょう。
斑点状コケに対しオキシドールを使う場合は、水量60Lに対しまずは10mlを添加して様子を見ます。
数日添加して水草や生体に影響がなさそうでしたら、1日あたり15mlまでを限度に添加を続けてみましょう。
スポイトやシリマー(シリンジ)を使ってコケに直接吹きかけるのも、効果があるようです。
コケが弱ってきたら添加をやめて、水換えをしましょう。
斑点状コケとは!水槽にスポット状のコケが生える原因と対策・掃除方法
今回は斑点状コケが生える原因やおすすめの対策方法、効果的な掃除の仕方についてご紹介をしてきました。
斑点状コケは長期間放置すると固着し、除去がしづらくなってしまうという特徴があります。
発見したらなるべく早く対処し、コケが柔らかいうちに取り除いてしまいましょう。
斑点状コケが生えるということは、水質が安定している証拠でもあります。
照明時間や水換えのペースを見直しつつ、美しい水槽を維持してみてください。
トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!