アロワナ水槽の選び方、設計方法!おすすめサイズやお得な購入方法を紹介

大型になる熱帯魚の中でも、アロワナは世界中で人気があります。

野生のアロワナには、現在5種類いることが確認されており、数千円から購入できるシルバーアロワナから、個体によっては数十万、数百万円となるアジアアロワナと、熱帯魚の中でも最も高価な種類に位置付けされています。

その中でも、とくに人気の高いのがアジアアロワナです。

アジアアロワナは、1億年以上前から生息すると言われており、古代魚であることも神秘的で魅力ですが、神秘性を彷彿させるように優雅に水槽内でとてもゆっくりと泳ぐその姿に見とれてしまう方も非常に多いのです。

ここでは、アロワナを飼育管理する上で必要な知識として、アロワナ水槽の選び方、設計方法、お得な水槽セットの選び方まで徹底解説していきます。

アロワナ水槽の大きさを決めよう!

アロワナは1m前後と大型になる熱帯魚なため、水槽サイズも大型になります。

大型の水槽で飼育していなければ、水槽内でターンができない、エラがめくれる、体の形が不格好になるなど問題が発生します。

とくに、水槽内でターンできないことは深刻な問題となるため、アロワナ水槽は水槽の奥行を60センチ以上設ける必要があります。

大きい水槽を用意するのが理想ですが、ここではアロワナのサイズ別におすすめの水槽サイズを紹介していきます。

30センチ以下のアロワナ

(熱帯魚)シルバーアロワナ ベビー Sサイズ(1匹) 本州・四国限定[生体]

30センチ以下の幼魚の場合、横幅90センチ、奥行きと高さが45センチ以上ある水槽を準備しましょう。

ただし、あくまで仮住まいと考えてください。

大きくなるにつれて、窮屈に感じたら水槽のサイズアップを検討しましょう。

30センチ以上のアロワナ

(熱帯魚)シルバーアロワナ Mサイズ(1匹) 本州・四国限定[生体]

30センチ以上に成長したら、最低でも横幅120センチ、奥行き60センチ、高さ45センチ以上の水槽サイズが必要です。

設置条件に余裕があれば、横幅150センチ、奥行き60センチ、高さ60センチ以上の水槽サイズを選ぶようにしましょう。

なお、アロワナの中でも1メートルに達するシルバーアロワナを飼育する場合、横幅180センチ、奥行き70センチ以上の水槽サイズを用意しましょう。

シルバーアロワナやブラックアロワナは、他のアロワナと比較し体が柔らかいため、そこまで奥行きが無くても曲がることはできますが、やはり知らない間に体が奇形になる可能性もあります。

アロワナを選ぶ際は、とにかく余裕のある水槽サイズを選定し、ゆったり優雅に泳ぐことができるようにしましょう。

アロワナを飼うために必要な設計のポイントとは

一般的な熱帯魚と異なり、アロワナ飼育に特化した水槽仕様や飼育機材があります。

ここでは、わたしの経験を基に、おすすめの水槽仕様と飼育機材を解説していきます。

アロワナ飛び出し防止加工

アロワナの行動でジャンプをするという行動があります。

ジャンプ力はとても強く、水槽にフタがなければ部屋の天井に当たるほど高いジャンプをすることもあります。

そのようなジャンプトラブルを防止するために、下記対策をしましょう。

水槽フタボルト止め加工

水槽のフタをボルト止め加工をします。

タップと呼ばれる器具を使い、水槽にネジ穴加工を施します。水槽にあけたネジ穴に合わせて、水槽フタにも穴をあけます。加工が完了したら、最後にフタを乗せた後に蝶ネジボルトを付けて飛び出し防止をします。

飛び出し防止効果は高いためおすすめですが、メンテナンス時は毎回蝶ネジを外さなければならず手間がかかることは踏まえて検討しましょう。

水槽フタスライド式加工

水槽にフタを差し込めるよう溝を作る加工をします。

ボルト加工より簡単に水槽フタの開閉ができるためメンテナンス性は良いですが、一般的にボルト止め加工より加工費が高くなります。

水槽フタの選び方

水槽フタは指定しなければ3mm厚となることが多いですが、アロワナの場合最低でも5mm厚にしましょう。

厚みが薄いとアロワナがジャンプして蓋に当たった時、耐えきれず割れてしまう可能性があります。

また、フタの素材をガラスフタにするのは絶対にやめましょう。ガラスフタの場合、アロワナがジャンプしてあたれば割れてしまう可能性もあり危険です。

アクリル板も良いですが、わたしは柔軟性のある塩ビフタをおすすめします。

餌穴加工

水槽フタに餌を入れるためのスライド餌穴加工をするケースがあります。

水槽のフタを開閉する際に、アロワナがビックリしてジャンプする可能性があります。日々の給餌にはフタを開けなくても給餌できるよう、水槽フタに四角い穴を開けスライド式で餌穴が見えるように加工します。

アロワナ飼育に慣れている方には不要かもしれませんが、はじめてアロワナを飼育する方には飛び出し防止するためにもおすすめです。

底砂

アクアリウム プレミアム ガーネットサンド 7kg

わたしは、底砂は敷かずにベアタンクで飼育することをおすすめします。

アロワナは、生き餌を給餌し飼育する熱帯魚です。

底砂を敷くことで、水換え時に底に溜まった汚れを綺麗に吸い出すことが困難です。砂利までクリーナを使えばある程度綺麗になりますが、それでも多少汚れが残ります。汚れが残ることで、PHが低下しアロワナの管理に支障が出てしまうためベアタンクがベストでしょう。

ただし、ベアタンクの場合は、どうしても水槽底の汚れが気になるという難点も。

汚れ対策でおすすめなのは、水槽注文時に水槽底板を黒色のアクリル板にすることです。底板を黒くすることで汚れが目立ちにくく、また、アロワナ自身も綺麗に見えるメリットも生まれます。

それでも、より自然に近い雰囲気を楽しむために底砂を敷きたいという方もいます。

底砂を敷きたい場合は、厚さ3センチ以下となるよう薄く敷くと水換え時の砂利クリーナーで汚れを取りやすくなります。

アロワナを上手に飼うための濾過槽とは

アロワナを飼育するための濾過方法は、オーバーフロー式ろ過槽、上部式濾過槽、外部式濾過槽の3種類から選ぶことになります。

その中でも最もおすすめの濾過槽は、オーバーフロー濾過槽です。生き餌を食べる大型魚なので、より強力なろ過能力が必要だからです。

では、アロワナ飼育においてのそれぞれの濾過槽の特徴を解説していきます。

オーバーフロー式濾過槽

寿工芸 寿工芸 オーバーフロー水槽用ろ過槽 DXフィルター

全ての濾過槽の中で、最も大きい濾過槽を設けることができるろ過方法です。

大きい濾過槽ということはろ過能力も比例して高くなるため、水を汚しやすいアロワナ飼育にはベストです。ウールマットが汚くなればすぐに交換もできますし、ろ過材も豊富に入れることができます。

デメリットとして、水槽をオーバーフロー加工するため、他の濾過方法より高価となりますが、高価なアロワナを飼育する上ではここをしっかり投資しておくべきポイントです。

上部式濾過槽

ジェックス グランデ900 上部式フィルター 90cm水槽用

上部式濾過槽は、水槽の上に置いてろ過をする方法です。

設置イメージとしては、オーバーフロー濾過槽の小型版を水槽上へ置くイメージです。水槽を特殊加工する必要もなく、既製品で販売されているためすぐに購入して使用することができることがメリットです。

ただし、市販の上部式濾過槽は120センチ水槽までしか無いこと、また上部式濾過槽が邪魔をし、濾過槽の下は水槽の光が当たらないため暗くなってしまいます。

上部式濾過槽を使用する際は、水中式LEDを設置し濾過槽下も明るく照らす工夫が必要です。

外部式濾過槽

エーハイム プロフェッショナル4 2273 (50Hz)

外部式濾過槽は、オーバーフロー濾過槽までは手が出せないけど、見た目をスッキリさせたい方におすすめです。

大型水槽まで対応可能な商品があるため大型水槽でも問題なく使用することができます。

ただし、水槽フタに外部フィルターを通す加工の必要、または水槽フランジが邪魔をしてパイプが入らないこともあります。外部フィルターを検討する際は、給排水パイプが水槽に干渉なく収まるか確認しましょう。

アロワナ水槽の値段はどれくらいなのか?

アロワナを飼育したいと考える場合、気になるのはやはりそのお値段。

例をあげますと、水槽サイズが横幅150センチ、奥行、高さともに60センチのアクリル水槽で15~25万円程度です。

これに、飛び出し防止加工や、水槽台、濾過槽などを加えると40~70万円程度かかります。

金額に開きがあるのは、水槽台の仕様や濾過槽システムにや水槽制作メーカーによっても様々なためあくまで概算です。細かい金額を知りたい場合、希望する仕様を伝えて見積りをもらいましょう。

アロワナ水槽はどこで購入するのがベストか?

どこで購入するか悩むところですが、購入先の実態がしっかりしていること、そして水槽設置までしてくれるところで購入することをおすすめします。

購入先が趣味程度で運営していて、社会的に信用がない、または実態が怪しい場合、購入後困ったことがあってもアフターフォローを満足に受けることができなく、苦労してしまう可能性も大いに考えられます。

また、大型水槽を設置するのはなかなか難しくコツがいるため、わたしたちプロでも事前準備をしっかりして慎重におこないます。少しでも水槽設置に不安な方は、水張りは自身でやり水槽の設置だけ業者に頼むなど事前に購入先に相談しておきましょう。

また、水槽価格を少しでも安くして良いものをと検討する場合は、やはりネットショップでの購入をおすすめします。

人件費がかからない分良いものが安く手に入る可能性が高いと言えます。

ただし、実態や設置条件など、安心して購入できるネットショップを良く調べた上で購入しましょう。

中古品のアロワナ水槽は買っても良いのか?

水漏れがしないなど、水槽としての性能を正常に満たしているなら、中古品のアロワナ水槽を購入することは何も問題ありません。

中古のアロワナ水槽を購入する場合は、使用年数はもちろん、水槽の傷やろ過方法の確認、水槽フタの有無や加工内容などしっかり購入先の担当者から聞き出し、アロワナを飼育する上でデメリット、水槽としてのデメリットが無いか確認しておきましょう。

また、アロワナは特殊な加工を施す場合もあります。購入前に不明な加工箇所や気になる点があれば、必ず確認するようにしましょう。

アロワナ水槽を購入する時の注意点とは?

アロワナ水槽を購入する際に最も注意しないといけないことは、大型水槽を設置する場合の問題です。

ここでは、アロワナ水槽を設置する上での注意点を解説いたします。

重量問題

大型水槽となるため、水槽に水を張り運転させた場合の重量は500キロ以上と非常に重くなります。

一般的にマンションなどの耐荷重は1㎡あたり180キロと決まっているため、普通に置いたらオーバーしてしまいます。そのため、床を補強する、または鉄板などをしき荷重を分散させるなど適正に対策をしましょう。

動線問題

ついつい忘れてしまうのが動線確認。

購入して家に運び入れる際に、動線を確認しておかないとエレベーターに入らない、部屋に入らない、通路が通れないなんてことも。

必ず購入までにメジャーなどで水槽設置場所までの動線を確認しておきましょう。

まとめ: アロワナ水槽の選び方、設計方法! おすすめサイズやお得な購入方法を紹介

いかがでしたか。

アロワナ水槽を購入するにあたり、少しでも安心して購入できるように解説させていただきました。

熱帯魚の中でもアロワナは、風格にオーラを感じるほど別格な存在です。

個人宅だけでなく、社長室や応接室にもとても似合う熱帯魚ではないでしょうか。

ゆったりと優雅に泳ぐその姿は、とても美しくとくに金色の体色を持ったアジアアロワナはうっとりしてしまいます。

また、アロワナはとても人に馴れる魚ですのでペットとしてとても愛着が沸きます。

ぜひ、神秘の古代魚アロワナの飼育を楽しんでください。