熱帯魚について必要なことをあれこれ調べていると、気づかないうちに、ちょっとした豆知識が身についていることってありますよね。
アクアリストとして絶対に必要というわけではないけれど、知っているとちょっと得した気分になる豆知識。
話のタネにもなるし、知識の自慢もできちゃうかもしれません。
そんな、楽しくなるような小ネタを集めてみました。
熱帯魚の飼育の歴史から、魚種別の情報、飼育に関する豆知識まで、アクアリウムに関する小ネタをご紹介いたします!
熱帯魚の豆知識~基本編~
熱帯魚ってどんな魚?
熱帯魚とはどんな魚のことかご存知ですか?
鑑賞用のカラフルなお魚全般のことを指すと思っている方も意外に多かったりしますが、実は熱帯魚と呼ばれる魚にはちゃんとした定義があります。
熱帯魚とは、水温25度前後の熱帯地方や亜熱帯地方、温帯地方など温かい地域に暮らすお魚の総称です。
熱帯魚の中でも生活する地域によって、川や湖で暮らす淡水魚、海で暮らす海水魚、川と海の間、海水と淡水のまじりあう場所で暮らす汽水魚に分類されます。
熱帯魚に詳しい方ですと、熱帯魚って淡水魚のことを指すんじゃないの?とお思いの方もいるかもしれません。
以前は熱帯魚といえばアマゾン川などの川から輸入されるものが多く、熱帯魚=淡水魚という捉え方をされていました。
しかし、輸送技術の発展により海水魚も多く輸入されるようになったため、現在では海水魚も含めて熱帯魚として一くくりにされることが一般的になってきています。
熱帯魚の出身地
日本に輸入される熱帯魚のうち、約7割が南米のアマゾン川流域からやってきます。
次いで多いのがアフリカの湖やコンゴ川から。
そのほかには東南アジア、オーストラリアやニューギニア、メキシコなどからも熱帯魚が日本に輸入されてきます。
こうしてみると、本当に世界中から熱帯魚が日本にやってきていることがわかりますね。
熱帯魚の飼育の歴史
現在の熱帯魚と呼ばれる熱帯地域出身の魚が飼育されるようになったのは、19世紀になってからといわれています。
南アメリカやアフリカの美しい熱帯魚の姿に魅せられたヨーロッパの人々が、国に持ち帰り観賞魚として飼育を始めたのが始まりです。
1851年のロンドン万国博覧会では、華麗なアクアリウムが展示されたという記録が残っています。
日本に熱帯魚が入ってきたのは19世紀の後半、一般に飼育が広がったのは第二次世界大戦後になってからなので、案外最近の話ですね。
ちなみに、熱帯魚に限らない観賞魚の歴史はかなり古く、2000年以上も前の中国では、すでにフナやコイを飼育繁殖し、金魚を生み出していたと考えられています。
熱帯魚の豆知識~種別編~
熱帯魚にはどのくらいの種類がいるの?
結論からいうと熱帯魚には数えきれないくらいの種類がいます。
一般的に飼育されている熱帯魚だけでも数千種類はいると考えられており、マイナーなものも含めるとそれこそ数万単位にまで数は膨れ上がるでしょう。
熱帯魚の魚種別特徴
熱帯魚は分類の仕方には、生息地別や遊泳層別、大きさ別などいくつか方法がありますが、ここでは生物学的な分類をご紹介したいと思います。
代表的な分類と、それぞれの特徴をご紹介していきます。
その他の分類についてはこちらを参考にしてみてください。
カラシンの仲間
代表的な熱帯魚:ネオンテトラ(テトラ系)/ピラニア/ハチェットフィッシュ
生息地域:南米やアマゾン川流域/中央アフリカ
カラシンの仲間にはテトラ系やハチェットフィッシュのような小さな熱帯魚が多く属しています。
また、群れを成す習性をもつものも多いことから、群泳の映える熱帯魚として人気の高い種類です。
卵胎生メダカの仲間
代表的な熱帯魚:グッピー/プラティ/モーリー
生息地域:改良品種が多い(原種はベネズエラ、メキシコなど)
卵胎生メダカとは、繁殖の際に卵を産まず直接仔魚を生み出す種類の熱帯魚のことです。
この仲間に分類される熱帯魚の大きな特徴は、とにかく繁殖がさせやすいこと。
気づいたら水槽の中で熱帯魚が増えていたということも少なくありません。
温厚でとても飼育しやすい種類が多いグループです。
コイの仲間
代表的な熱帯魚:ラスボラ/スマトラ
生息地域:東南アジア
とても丈夫な熱帯魚が多いのが、コイの仲間の熱帯魚です。
見た目や大きさはカラシンの仲間と似ているところもありますが、コイの仲間のほうが少し渋めな印象です。
カラシンと同じくこちらも群れる習性があり、水槽の主役としても人気のある種類です。
ナマズの仲間
代表的な熱帯魚:コリドラス/プレコ
生息地域:世界各地
ナマズの仲間の熱帯魚は、どれも髭のはえた愛嬌のある顔立ちが特徴です。
水槽の底で生活する熱帯魚が多く、ほかの熱帯魚が食べ残した餌や底砂のコケなどを食べてくれることから、水槽のお掃除屋さんとしても高い人気があります。
シクリッドの仲間
代表的な熱帯魚:パロットファイヤー/エンゼルフィッシュ/ディスカス
生息地域:アフリカ/スリランカ/中米/南米/アジア
カラフルで華やかな熱帯魚が多いのが、シクリッドの仲間です。
比較的中型~大き目の熱帯魚が多く、小さいものでも6cm程度には成長します。
熱帯魚には珍しく子育てをする種類の魚が多くいるため、繁殖させる楽しみの味わえる熱帯魚でもあります。
反面、気の強い性格のものが多く水質にも敏感なため、飼育には少々気を遣う面もあるでしょう。
古代魚の仲間
代表的な熱帯魚:アロワナ/バタフライフィッシュ/モトロ
生息地域:アジア/南米/ブラジルなど
数千年前から姿を変えず、生きる化石として独自のジャンルを築いているのが古代魚の仲間です。
熱帯魚とは一線を画する迫力のあるの見た目から、多くのコアなファンを獲得しています。
かなり大きく成長するものが多く、飼育のハードルは高めです。
アナバスの仲間
代表的な熱帯魚:ベタ/グラミー/スネークヘッド
生息地域:東南アジア/アフリカ
アナバスの仲間の大きな特徴は、ラビリンス器官と呼ばれる呼吸器官をもつことです。
この呼吸器官のおかげで口からも酸素を取り込むことができるため、低酸素状態や劣悪な環境にはめっぽう強く、コップやビンなどの小さな器でも飼育することができます。
オスは気が強く混泳すると喧嘩になりやすいので、基本的には単体での飼育がおすすめです。
熱帯魚の豆知識~飼育編~
水草と相性の悪い熱帯魚がいるって本当?
熱帯魚水槽には水草がつきもの、熱帯魚と水草の相性はバツグン!となんとなく思ってしまいがちですが、実は水草と相性の悪い熱帯魚がいるのをご存知でしょうか?
それが、アフリカ産のシクリッドです。
弱アルカリ性の硬水を好むこの熱帯魚は、弱酸性の軟水で育てることの多い水草とは水質の好みが合わず、同じ水槽に入れるのは難しいといわれています。
シクリッド水槽では水草を入れないレイアウトが多いように感じていましたが、このような事情があったのですね。
水換えで出た古い水の使い道
水換えで出た大量の古い水、捨てる場所にも困るし、水がもったいないような気がしますよね。
この古い水を、家庭菜園や庭木、お花などの植物の水やりに使ってみてはいかがでしょうか。
水槽の古い水には窒素やリン酸が多く含まれており、熱帯魚にとっては有害なものでも、植物には栄養分として喜ばれる可能性があります。
ただし、この方法を試す場合に注意していただきたいのが水の臭いです。
家の中に置いている観葉植物などに水槽の水をあげてしまうと、臭いが気になったり、カビが生えやすくなったりしてしまうことがあるようです。
もし試す場合は、ベランダやお庭など家の外の植物にあげてみたほうが良いでしょう。
ただ捨てるよりはずっとエコな使い道です。
ぜひ試してみてください。
まとめ:熱帯魚の豆知識!歴史から飼い方、魚種別の特徴まで小ネタを教えます!
アクアリウムに必須ではないけれど、知っているとちょっと役立つ、熱帯魚の豆知識をご紹介しました。
熱帯魚を飼育する上で大切な知識はたくさんありますが、たまには息抜きも必要ですよね。
調べてみると豆知識にも興味深いものがいっぱいあります。
ちょっとした小ネタを探して、知り合いに披露しあうのも楽しいかもしれませんよ!
トロピカライターの長嶋です。
金魚すくいで連れて帰った、和金の『よしえ(名前)』を飼育してました。
可愛らしい魚とワニが大好きです。
生物を飼う楽しさを伝えていけたらな、と思います!