サンゴ水槽を管理していると、サンゴが開かなくなるといった現象に悩むこともあるとおもいます。
サンゴ飼育をはじめたばかりの頃、昨日まで元気に開いていいたサンゴが何故急に開かなくなってしまったのか疑問に思い、そして焦ってしまうなんてことはよくある話です。
そして、そんな焦りから水換えをする、または、サンゴの配置変更を過剰に行うなど、サンゴに誤った刺激を与えてしまうことで逆効果となるケースも否めません。
では、サンゴのポリプが開かなくなる原因は何なのか。
サンゴのポリプが開かなくなった原因は何なのか。
サンゴのポリプが開かない原因と改善方法について、解説していきます。
サンゴのポリプの役目とは
サンゴのポリプの役目を分かりやすい言葉で解説すると、水中のプランクトンをキャッチし取り込み、サンゴ本体に栄養を届ける役目となるものです。
ここ最近、どんどん水槽内のサンゴ飼育において変革が起きています。
昔はろ過材を入れず強力なプロテインスキマーを導入して作る超低栄養塩水槽。
そして超浅場を意識した施策として、メタルハライドランプ多灯し明るくしなければミドリイシと呼ばれるサンゴを飼育できないと言われていました。
しかし、LED照明へと水槽管理が移行してきたことで、メタルハライドランプと同性能を照明に求めることが難しくなりました。
照明の考え方が変わってきたことに拍車をかけるように、海中での魚のフンがサンゴに良い影響を与えるというニュースが話題となりました。
水槽内には多少栄養塩があるべき、そしてSPSと呼ばれるポリプが小さいサンゴにも、プランクトンフードが必要であると言った意見、さらには実績も出てきています。
サンゴのポリプが開かない原因と各対策
サンゴのポリプが開かない原因は、大きく5つあります。
- 光の問題
- 水流問題
- 水質&水温の問題
- 近くにサンゴがある
- 生き物が突いている
それぞれ解説していきます。
光の問題
サンゴが開かない原因として、光が強すぎる強光障害が挙げられます。
サンゴを綺麗に見せるために光が強い場所へ移動することもあるかもしれませんが、サンゴにとって光が強い環境=最適な場所と言うわけではありません。
とくに、ポリプが閉じている状態のサンゴにおいては弱っている可能性もあり、無理に強い照明下に移動させてしまうと、逆効果となる可能性があります。
ポリプが閉じている場合は、できるだけその場に置いておく、または強い光から一旦遠ざけておくのも良いでしょう。
水流問題
サンゴを育成管理するなかで、水流が必要だと考えている方は多く、とにかく洗濯機にように水流を強くしている方も見受けられます。
サンゴによって適正な水流があり、例えば複雑な形状をしているミドリイシ類は、それなりに強い水流が無いとゴミが蓄積しそこから白化してしまいます。
逆に、オオバナサンゴやハナガタサンゴに強力な水流をあててしまうと、共肉が剥がれてしまう可能性があり、逆効果となるかもしれません。
サンゴの上にゴミが蓄積しないようにすること、サンゴの種類毎に水流を意識した配置をするようにしましょう。
水質&水温の問題
水槽内に藻が発生し、サンゴの上に藻が付いてしまうような環境では、サンゴのポリプは開きません。
多少栄養がある程度であれば良いですが、あまりに栄養が蓄積しすぎるのは問題です。
水換えをする、または活性炭を入れる、またはプロテインスキマーを使うなど、水槽内の栄養塩を減らす対策から始めましょう。
また、水温が適正でなければポリプが開かないといった問題が発生します。
水温は低くても22度、高くても27度で留めるように水槽管理しましょう。
近くにサンゴがある
ポリプが開かないサンゴの近くに、別種のサンゴがあるとストレスで開かなくなることがあります。
とくに、毒性の強いナガレハナサンゴやアザミサンゴはスイーパーで周りのサンゴに攻撃をするため注意が必要です。
ソフトコーラルでも、ヌメリトサカなどは周りのサンゴと触れると相手のサンゴを衰弱させてしまう可能性もあるため、注意しましょう。
サンゴは、できるだけ1つ1つの距離にゆとりを設けることをおすすめします。
生き物がつついている
いわゆるポリプ食と呼ばれるチョウチョウウオなどの海水魚が同居していることで、ポリプが開かなくなる可能性があります。
意外と知られていませんが、ヒフキアイゴなどのハギ類やコケ取りで有名なシッタカ貝などもポリプを食べてしまうこともあるため注意する、またはあまりに顕著に食べている場合は、隔離することも視野にいれましょう。
まとめ: サンゴのポリプが開かない!原因と改善方法!サンゴをイキイキさせよう
いかがでしたか。
ここでは、サンゴのポリプが開かない原因と改善策について解説しました。
サンゴのポリプが開かないと不安となり、いろいろ手を加えてしまおうと考える方も多いとおもいます。
しかし、弱っている個体へ触れたり移動させることは逆効果となる可能性も否めません。
ここで解説した、サンゴのポリプが開かなくなる原因に該当しないよう、水槽環境を整えてからサンゴを迎えることをおすすめします。
熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!
よろしくお願いいたします!