どんなアクアリストも一度は悩みのタネとなるのが「コケの繁茂」です。
美しさを満喫できるはずの水槽にコケが生えてしまうと、ガッカリですね。かといって簡単に除去しきれないのがコケの憎いところです。特に弱アルカリ性の水槽はコケが生えやすいですね。
今回は、コケの生えやすい弱アルカリ性の水槽に焦点を当て、コケ取り生体、コケ繁茂対策について解説していきます。
アルカリ性傾向だとコケが生えやすい
熱帯魚にはいくつか、アルカリ性の水を好む種類がいます。
有名どころではアフリカンシクリッド、ミドリフグなどがあげられます。
弱酸性にくらべ、アルカリ性の水はコケが繁茂しやすい傾向にあります。
「それならコケ取り生体を入れよう!」となるところですが、アルカリ性を好む魚の多くは、気性が荒い傾向があります。ですからコケ取り生体であるヤマトヌマエビやオトシンクルスを導入すると、いじめてしまいかねません。
ヤマトヌマエビ、ペルー、コロンビア産のオトシンクルスはアルカリ性の水でも問題なく飼育できるため、温和なソードテールなどであれば問題なく混泳できますが、気性の荒い魚の水槽にもコケは生えてしまいます。
そこでそんな魚を飼育している方のために、下の項で「ケンカになりにくい」コケ取り生体をご紹介します。
pHが高い水槽のコケ取り生体5選
特徴など解説しますので、お気に入りの生体を見つけてください!
ブッシープレコ
体長最大15~20cmほどになる、小型のプレコです。コイやナマズのようなひげが生えているのが特徴です。プレコはコケを食べる種類とそうでない種類がいます。
くりっとした目が可愛らしいですね。ユーモラスな体形でとても人気があります。
セルフィンプレコ
背びれがとても特徴的な、堂々とした体形のプレコです。カッコイイですね!
体長30cmほどにまで成長しますので、大型水槽をお持ちの方にピッタリです。成長が早めなので、その点はご注意ください。
寿命が長く、30年ほど生きる個体もいます。長く愛せる可愛い魚です。
ラムズホーン
可愛らしい、ヒツジの角を思わせるような巻貝の仲間です。
最大でも2cmほどにしかならないので、小型水槽をお持ちの方に向いています。ただし、「貝」なので、エンゼルフィッシュ、グラミーなど肉食性のある魚と一緒に飼育すると、餌と認識されて食べられてしまいますので、ご注意ください。
また、繁殖力がそこそこ強いので、増えたら困るという方は控えた方がいいかもしれません。
イシマキガイ
こちらも巻貝ですので、肉食性の魚との混泳は難しいです。
イシマキガイのメリットは本来、汽水(うすい海水)で生息するため、淡水中では繁殖をしない」という点です。増えすぎてしまって困った!ということにならない、というわけです。
ブラックモーリー
漆黒の体色がクールなブラックモーリーもコケ取り生体として人気です。
植物を食べて暮らしている熱帯魚なので、お腹が減っているときはもりもりコケを食べてくれます。油膜の解消にも一役買ってくれますよ。
また、卵胎生といって、卵を産むのではなくて赤ちゃんの状態で出産する魚で、繁殖は比較的簡単です。繁殖もやってみたいという方におすすめです。
pHが高い水槽での生体以外のコケ対策
では、生体以外のコケ対策はどんな手を打てばよいでしょうか。生体にコケを食べてもらいつつ、根本的な原因を取り除かないとコケは無くなりません。
コケ対策を具体的に理由とともに解説していきます。
照明を減らす・抑える
コケは植物の一種なので、光合成をして成長します。
コケが繁茂する水槽の多くは、照明が強すぎる傾向にあります。光が強い=光合成を盛んに行う=コケが繁茂する、という図式です。
少しずつ照明を暗くしてみると効果があります。
餌を控える
光合成でコケが増えるというお話を上でしましたが、餌の食べ残しも光合成を促進させます。餌の食べ残しはコケにとって「肥料」となってしまうからです。
また、餌を多く与えれば熱帯魚は多くのフンをします。フンもコケにとっては肥料です。
餌は多すぎていいことはほとんどありません。少し足りないかも、と思うくらいの量が適量のことも多いので、餌を控えるように心がけてみてください。
とはいえ初心者の方は特に、どのくらいが適量なんだろう?と不安になってしまいますね。下のリンクで餌の量や与えるタイミングについて解説してありますので、ご覧になってください。
水槽用のコケ抑制剤を使う
水槽用のコケ抑制剤も、コケの繁茂防止に効果があります。
ただし、コケを抑制する=水草も抑制する(枯れる)、となってしまう場合があること、エビなど水質変化に敏感な生体に悪影響を及ぼす可能性があること、この2点にはご注意ください。
下のリンクで、コケ抑制剤を使用するとどうなるか画像付きで解説しています。参考にご覧ください。
まとめ:弱アルカリ性水槽のコケ取り生体5選!pHが高い水槽におすすめの対策!
アルカリ性の水槽に向いたコケ取り生体、コケの対策方法について解説しました。
せっかくの美しい水槽も、びっしりコケがついてしまっては台無しです!ぜひ生体や対策でコケを撃退しましょう!
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