2023年は寅年ですが、アクアリウムで扱う生体のなかにも「虎」がいることをご存知でしょうか?
正確には「虎のような模様のある生体」で魚はもちろん、エビにも虎柄の種類がいます。熱帯魚ではタイガープレコやエンドラーズタイガー(グッピー)、エビではタイガーシュリンプといったような種類です。
虎柄は一見すると派手に見えますが、自然界では外敵に見つかりにくい保護色として機能します。また、観賞性を高めるために虎模様になるよう作出された改良品種も少なくありません。
今回は、寅年に縁起の良い魚種・エビなどの生き物8選をご紹介します。生き物が虎模様になる理由・メリットも合わせて解説するので、ぜひ、ご覧ください。
虎柄の魚種・生き物8選
アクアリウムで目にする機会の多い魚や生き物を中心に、虎模様の生体を8種類ご紹介します。
寅年にちなんで縁起の良い生体をお探しの方はもちろん、水槽の主役になる、きれいで目を引く魚やエビを導入したい場合にもおすすめの内容です。
ぜひご覧になってみてください。
ダトニオ
ダトニオは、アクアリウム界では『虎(タイガーフィッシュ)』と呼ばれています。
体色と黒い縞模様(バンド)がその理由です。とても存在感のある魚なので、一匹でも水槽の見どころとして活躍します。また、周囲の魚を攻撃することが少ないため、
- アロワナ
- ポリプテルス
- スネークヘッド
- 淡水エイ
といった中~大型魚の混泳相手としてもおすすめです。
ちなみに、アジアアロワナはその見た目と迫力から紅龍や金龍など「龍」の名が付きます。龍と虎は陰陽の思想の中では関係が深く、組み合わせて飼育すれば迫力あるアクアリウムに仕上がりますよ。
タイガープレコ
タイガープレコはその名の通り、虎模様のプレコです。
しっかり虎柄に見えるものもいれば、少しユニークな模様の入り方をしているものもいるなど、柄の入り方に個体差があるので、好みの1匹を探す楽しみがあります。
体長8cm程の小型の種類で、水槽に生えたコケを食べてくれるお掃除生体としても人気です。
小~中型水槽にも導入できるうえに丈夫で入手もしやすいため、初心者の方にもおすすめです。
エンドラーズ タイガー
エンドラーズタイガーはグッピーの仲間で、虎をイメージさせる黄色・白・黒の模様が美しい小型の淡水魚です。
模様のパターンや色のバランスに個体差があるので、1匹1匹の個性を楽しむことができます。
丈夫で飼いやすくグッピーと同じ飼育方法で飼えるため、初心者の方にもおすすめです。繁殖も難しくありません。
ブルータイガーパロット
シクリッドの仲間のブルータイガーパロットは、青地に黒い縞模様が入る存在感抜群の中型熱帯魚です。
青と黒という目を引く体色のため、中~大型熱帯魚水槽のアクセントとして入れられることもあります。水質にうるさくないうえに餌もよく食べる丈夫な種類ですが、気性が荒い面もあるので混泳には注意しましょう。
コガネシマアジ
コガネシマアジは、黄色い体色と黒い縞模様が虎を思わせる海水魚です。虎模様は幼魚特有のもので、成魚になるにつれて薄くなっていきます。
丈夫で飼育は難しくありませんが、餌をよく食べるうえに大きく育つため90cm以上の大型水槽での飼育が望ましく、場合によっては150cm以上の水槽を視野に入れる必要が出てくることも…。
飼育を始める際には、大きくなることを念頭に終生飼育が可能かをよく検討してから導入することをおすすめします。
東京アクアガーデンでも水槽設置の際に導入したことがあります。コガネシマアジの水槽設置事例は以下の記事をご覧ください。
アケボノウツボ
アケボノウツボは、灰色の体色に黒いバンドが入るウツボの仲間です。
優しい顔とは裏腹に『海のギャング』の異名を持つウツボには鋭い歯があり、噛みつかれると大けがにつながることもあります。餌やりや水槽掃除の際には最新の注意を払いながら作業を行ってください。
身を潜められる隠れ家として、塩ビパイプやライブロックなどがあると落ち着きます。
最大50cmほどに成長するので、120cm以上の大型水槽で飼育しましょう
タイガーシュリンプ
タイガーシュリンプにはレッドとブラックがいますが、どちらも美しいバンドが入ります。
比較的丈夫で飼育しやすいうえに繁殖も難しくないため、エビ水槽の主役としてもおすすめです。水草水槽に入れるとよく映える魅力的なエビです。
虎模様のメダカ(三色系メダカ)
メダカのなかにも虎模様を持つ品種がいます。
墨と呼ばれる黒い体色が斑状に入る個体で、三色系メダカのバリエーションの1つです。赤や白との割合によって、きれいな斑模様に見えるため観賞魚としても人気があります。
飼育方法は一般的なメダカと変わらないので、初心者の方にもおすすめの品種です。
なぜ虎柄なのか?
ここまで虎柄の魚やエビといった生き物をご紹介してきましたが、そもそも「なぜ、虎柄なのか?」という疑問が浮かびます。
自然界では「目立つ=捕食されやすい」ように思いますが、魚に限らず虎模様や縞模様を持った生き物は多いです。人間の目には派手に見える虎柄ですが、実は自然に溶け込むには最適の『目立たない模様』だと言われているのがその理由です。
ここからは、虎柄のもつ秘密についてご紹介します。
自然界で虎模様が持つ意味
自然界では、虎模様は2つの意味を持ちます。
- 捕食者から身を隠す保護色
- 捕食するために身を潜める保護色
虎模様は植物の茂みなどのなかでは、カモフラージュできる保護色になります。虎模様の縞は1本1本細長く上に伸びる植物に囲まれると、思いのほか見えにくいものです。
外敵に見つからないため、もしくは茂みに潜み獲物を捕食するために虎模様を利用する生き物は少なくありません。虎柄の由来にもなっているトラの模様も、植物に紛れて草食動物を捕食するためといわれています。
水中で虎模様は見つかりにくい?
水中では陸上の植物の代わりに水草が隠れ家になるため、虎模様は水中でも保護色になります。
しかし、今回ご紹介した虎柄の淡水魚はもともと縞模様であったわけではなく、観賞性を高めるために作出された改良品種が多いです。虎模様は「保護色」であると同時に人の目からは「美しい模様」として認識されている、ということになります。
ただし、例外もあります。
トラウツボなどは水草もない岩礁帯に生息するうえに、滅多に捕食される立場ではありませんが立派な虎模様です。生き物の模様については、解明されていないことも多く、謎めいた魅力が人々を引き付けているのかもしれませんね。
まとめ:虎柄の魚とは!寅年に縁起の良い魚種・エビなどの生き物8選をご紹介!
今回は寅年に縁起の良い魚種・エビなどの生き物8選をご紹介しました。
人間の目にはとても魅力的に映る虎模様。自然界では保護色となり、生きていくための知恵としてこの模様をまとう魚が数多く存在します。また、飼育用として流通している生き物の中には、虎柄になるよう品種改良されたものも多いです。
虎模様の魚やエビはどれも存在感があり、目を引くものばかりなので、水槽のメインとなる生体をお探しの方にもおすすめです。
寅年を機に、ぜひ虎模様の熱帯魚を飼育してみてはいかがでしょうか。
トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。