アクアリウムを始めようと思ったら、水槽や水草、流木などの資材をショップなどで揃えることになりますが、このとき、とても重要なものに「底砂」があります。
底砂には様々な種類があり、どれを選べばよいか、迷ってしまうでしょう。底砂の選び方によって、アクアリウム全体の印象もずい分違ってくるし、また、どのような水草を使うか、どのような熱帯魚を飼うかにも関係してきます。
今回は、アクアリウムのプロがおすすめする、初心者でも扱いやすい底砂についてご紹介していきます。
重要かつ幅広い役割を持つ底砂
アクアリウムにおいて底砂は、とても重要で幅広い役割を果たしています。
水草の育成
底砂の大きな役割の1つに、水草の育成があります。
底砂は、水草が根を張り、育っていくための栄養分を供給する土台となり、水草の種類によって適する底砂も変わってきます。
水質の維持
底砂には様々な種類がありますが、その底砂独自の物質が水中に溶けていくことによって、水質を維持し、安定化させる働きがあります。
ろ過バクテリアの繁殖
ろ過バクテリアとは、水槽内に発生してしまう有害物質のアンモニアや亜硝酸を分解し、水質を維持する生物ろ過を正常に行われるためのものです。
このろ過バクテリアが住み着くための場所が底砂なのです。
熱帯魚(生体)の魅力をより一層引き出す
アクアリウムの魅力の1つには、美しい熱帯魚を鑑賞できることがあります。
熱帯魚の中には、底砂の色によって体の色を変化させるものもいるので、どのような底砂を選ぶかによって、印象もずい分違ってきます。
熱帯魚の魅力をより一層引き出すために、底砂選びは大切なポイントとなるのです。
水槽レイアウトの印象が変わる
アクアリウムは、部屋の中に置く以上、インテリアとしての側面もあります。
底砂の選び方によっては、涼しげな印象になったり、うっそうとした森のような印象となったりと、水槽全体のレイアウトの印象がずい分変わってきます。
ここに挙げただけにとどまらず、底砂には、他にもさまざまな効果や用途があり、アクアリウムにとって、とても重要なものとなっています。
自分が目指す水槽、目的に合った底砂を選びましょう。
プロおすすめの底砂ベスト3
アクアリウムを始めるときには、その目的によって、どのような印象の水槽にしたいかが変わってきます。自分の目的に合った水槽にするためにも、底砂選びはとても大切です。
しかし、いざ買おうとするときは、色々思い悩んでしまうことでしょう。
- そもそも底砂ってどんな役割があるの?
- どんな底砂を購入すればよいか分からない
- 初心者におすすめの底砂を知りたい
このように悩んでしまう人たちのために、私たちプロがおすすめする底砂ベスト3をご紹介します。
1位:大磯砂
大磯沙は、古くから水槽飼育に使用されていて、砂利系の底砂としてメジャーな存在となっているので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
人工物ではなく自然物で、採取地は、山や川ではなく大磯砂という名のとおり海からです。全体的に黒を基調とした色合いで、その中にグレーや白の粒が混じっていて、とても綺麗な砂なので、水槽を引き締める効果があります。
そのグレーや白の粒は、サンゴや貝殻などで、これらが水の中に溶け出すと、水質をアルカリ性に傾ける性質を持っています。流通する多くの熱帯魚は、弱酸性を好むので、大磯砂を底砂に選ぶときは、酸処理することをおすすめします。また、この酸処理は必ずしなければならないものではなく、ある程度使っていると水質を変化させる物質は溶けきってしまうので、弱酸性を好む魚にも使えるようになります。
大磯砂は、洗えば半永久的に使え、価格も安価なので、コストパフォーマンスが高くおすすめです。
2位:ソイル
土を高温で焼き固めた物です。原材料が土そのものなので、肥料分を含んでいます。そのため二酸化炭素を添加する本格的な水草水槽にしたいのなら、必須の底砂になります。
大磯砂に比べると水草の成長も良く、多く茂らせるので、綺麗な水草レイアウトを作り出したいときは、ソイルがおすすめです。
ただしデメリットもあります。土を高温で焼き固めているため、使っていると、少しずつ崩れてきます。1年に1度を目安として、交換しなければなりません。
3位:サンゴ砂
名前の通りにサンゴの砂です。死んでしまったサンゴが長い年月を経て砂になった物です。
前述したように、サンゴは水質をアルカリ性に傾ける働きがあるので、主に海水魚飼育に向いていますが、淡水のアフリカンシクリッドにも最適です。
アフリカンシクリッドはアフリカのタンガニイカ湖やマラウィ湖に分布する熱帯魚です。ここの水質はアルカリ性のため、サンゴ砂が最適となるのです。
アクアリウムにおいて重要かつ幅広い役割を持つ底砂
アクアリウムを始めるときは、まず自分が作りたい水槽を想像してみてください。
- どのようなイメージやコンセプトのレイアウトにしたいか
- どのような熱帯魚を入れたいか
- 底砂はどのような厚さで敷きたいか
アクアリウムはとても奥深いものです。
こだわった分だけ、美しいオリジナルアクアリウムを堪能できることでしょう。底砂は他にもたくさんの種類がありますが、まずはおすすめした種類から始めてみませんか。
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