アクアリウムでは水槽に砂利を敷くことが多いですよね。砂利があることで見栄えもよく、水草を植えられたり水質が安定したりといったメリットもあります。
しかし、砂利も定期的に敷き替えなければ、藻やコケが付着し、水槽の景観を損ねてしまいます。ひどい場合は、砂利自体が病原菌の温床となってしまうことも。そうならないためにも、砂利の状態をチェックして、定期的に交換する必要があります。
そこで、今回は水槽の砂利を敷き替えたほうがよいタイミングや捨てるときの方法をご紹介します。
水槽の砂利を敷き替えるタイミング
水槽の砂利は頻繁に敷き替える必要はありませんが、状態を見て適度に交換しなければなりません。敷き替えたほうがよいタイミングは大きく分けて2つです。
・藻やコケなどの汚れが取れなくなった
・ゼオライトの吸着能力が低下した
見た目で判断できるものはよいのですが、そうでない場合もあるので順を追って詳しく説明しますね。
藻などの汚れが取れなくなった
長期間使用していると砂利の表面に藻やコケなどの汚れが付着します。砂利クリーナーまたは、取り出して洗って取れるうちは問題ありません。しかし、汚れが硬く固着してしまい、取れない場合は交換が必要です。
機能的には問題ありませんが、白い砂利ではとても目立ちますし、「水槽をきれいに保ちたい!」という人はこのタイミングで交換することをおすすめします。
また、この状態の砂利は汚れ(病原菌が好む成分)が溜まりやすくなっていることがあるので、美観を維持するだけでなく、衛生面を考えても取り換えたほうがよいでしょう。
ゼオライトが成分を吸着しなくなった
ゼオライトは水中のアンモニアなどを吸着できる鉱物です。その性質から、ろ材に使われることも珍しくはありません。しかし、ゼオライトのようにさまざまな物質を吸着し、水質改善が見込めるタイプの砂利の場合、その吸着能力には限界があります。
一定期間が経過すると十分に吸着能力が発揮できず、メリットが生かせません。そのため、水質への干渉がなくなったら交換したほうがよいでしょう。目安は約3週間~1ヶ月です。
また、水中のアンモニア濃度は検査キットで調べることができます。水替えしてもアンモニア濃度が上がりやすいようであれば、交換時期と判断してもよいでしょう。
水槽の砂利を捨てる方法
水槽の砂利を捨てる場合は、『砂利スコップ』を使って取り出しましょう。水切り用の細かい穴が開いており、効率よく砂利だけをすくうことができます。手ですくうと、とても時間がかかり、時に皮膚を痛めてしまう危険があります。
例え、砂利スコップを使う場合でも、角が荒い砂利であればゴム手袋をして作業するほうが安全です。また、普通のスコップでは砂利がすくいにくいだけでなく、水槽を傷つけてしまうのでおすすめしません。取り出した砂利は新聞紙など水気が取れるものに載せ、天日干しで乾燥後、ゴミ袋に入れます。
捨て方は廃棄業者に確認する
砂利の捨て方は各自治体の廃棄業者に相談するとよいでしょう。基本的に燃えないゴミですが、状況によって処理困難とされる場合があります。
特に大型水槽となれば、砂利だけで20kg近くになることも。その場合は業者に引き取ってもらう方法が確実です。
庭に撒くとどうなるの?
砂利を捨てる方法として庭に撒くのはどうでしょうか?
お手軽に処理できるため、効率のよい方法と言えます。基本的には特別な影響はありませんが、病気が発生した水槽の砂利は少し気をつかう必要があります。
それは、砂利自体に病原菌が潜んでいた場合、撒いた先に住む生物に思わぬ影響を与える可能性があるためです。もし、撒く場合は念のためによく水道水(塩素に殺菌効果あり)で洗い、天日干ししてから撒くことをおすすめします。
また、ゼオライトはもともと土壌改良を目的として、園芸用にも使用されているため、鉢植えの土に混ぜても問題ありません。
砂利は基本的に再利用できる!
ゼオライトや崩れたソイル以外の砂利は基本的に再利用することができます。厳密には、ゼオライトも塩水につけて天日干しすれば再利用は可能です。
ただ、吸着能力を取り戻すためには塩水を何度も交換する必要があり、塩抜きもしなければなりません。それだけやっても本来の吸着能力に戻る保証はないので、おすすめはできません。
また、崩れたソイルを使い続けると細かく崩れた粒子が原因で、ろ材が目詰まりを起こし、ろ過能力の低下につながってしまうことがあります。さらには、底床の隙間がふさがれることによって、バクテリアがうまく活動できなくなってしまい、水質の悪化を引き起こす場合も。そのため、無理して再利用することは避け、交換したほうがよいでしょう。
再利用なら飼育水で洗おう
砂利はきれいに砂利クリーナーをかけているつもりでも、長期間使用することによって汚泥が溜まることも珍しくはありません。この場合は、水槽から取り出して洗うことで解消できます。この時、面倒だからと言って、水槽内で砂利を洗ってはいけません。水槽に細かい傷がついてしまいます。
また、洗う時は水道水を使用せず、飼育水で洗うようにしましょう。水道水には殺菌効果のある塩素が含まれているため、有益なバクテリアが死滅してしまいます。ろ材を洗う時と同様に飼育水で洗い流す方法が適切です。
もし、汚れがひどく飼育水だけではどうしても流しきれない場合は、2~3日汲み置きした水やカルキ抜きを添加して塩素を取り去った水を使います。
まとめ:水槽の砂利を敷き替えたい!替えたほうが良いとき・捨てるときの方法!
水槽の砂利を敷き替えるためには、水槽の水を抜いて砂利を取り出し交換する必要があります。しかし、面倒のあまり長期間放置してしまっている場合も少なくありません。
アクアリウムでは「水」や「餌」と同様に魚の状態に大きく関わる要素なので、敷き替えるタイミングを見計らって定期的に交換することをおすすめします。その際に、こちらの記事が参考になると幸いです。
砂利を変えるだけで、熱帯魚が映え鮮やかに見えることもあります。きれいな水槽と優雅に泳ぐ美しい魚を想像してモチベーションを上げつつ、砂利の敷き替えに挑戦してみましょう
トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。
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