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簡単!初心者向け 水槽メンテナンス・水換えの基礎知識とポイント

水槽のメンテナンス…と聞くと、なんだか「難しそう」と思いますよね。

ちゃんとできなかったら、魚が病気になってしまうんじゃないか…
すぐにコケだらけになってしまうんじゃないか…

不安の生まれやすい水槽メンテナンスですが、ポイントさえ押さえてしまえば大丈夫です!

水槽メンテナンスのポイントとは

  1. 水換えサイクルを決める
  2. 水槽内外の掃除をする
  3. 日照時間を決める

この3点です!

しかし水換えのタイミングは解り難いものです。

どうしたらサイクルを掴めるのか?調べる方法をご紹介いたします。

水槽の水換えの時期を知る

水は基本的に無色透明で、傷んでいるかは、ぱっと見て判断できません。

黄ばんだり、白く濁ったり、とわかりやすく水が傷む場合もありますが、キラキラしている水なのに、なぜか病気が発生してしまうことがあります。

そういう場合は、菌(エロモナスやカラムナリスなど)がふえているのですが、人の目でみて菌が繁殖しているかなんて、わかるはずもありません。
魚に病気の症状が出て、はじめて気づけるようなものです。

菌が繁殖する理由としては、掃除不足による水の富栄養化があげられます。

水の中にフンや汚れ(有機物)があると、それを餌に水を綺麗にするバクテリアが増えます。

しかし、溜まりすぎてしまうと、他の雑菌などの餌にもなり、結果としてエロモナスやカラムナリスなどの菌の勢力が強くなってしまうことがあります。

なので、水が悪くなり菌が繁殖しやすいような環境にならないために、定期的な水換えのメンテナンスが必要なのです。

コケも水の富栄養化で発生します。栄養素が程よくなるように、水質を安定させることが肝心です!

水が臭うようなら、水以外の成分(過剰な栄養素など)が溜まってきている証拠ですので、水の換え時といえます。

水を換えるタイミングは、水槽のサイズや入っている魚などの生体の数にもよります。

例えば、7cmくらいの金魚が3匹入っている60cm水槽ならば、夏場なら5~7日に一回、冬なら10~14日に一回ずつ換えるのが理想とされています。

夏場は水温が高く、冬場に比べて有機物が腐敗しやすく、菌も繁殖しやすいためです。菌の適温は22℃から28℃程度です。その水温になっている場合は特に注意が必要です。

しかし、生体の数にもよる、と書いたとおりに、水槽の環境により一概にこの期間で換えるといい!とは言えません。

そこで登場するのが「水質検査薬」です!

水質検査薬とは

水質検査薬とは、飼育水に含まれている『アンモニア』『カルキ』『pH』『亜硝酸』『硝酸塩』などの数値を調べることができるツールです。

検査薬には試験紙タイプ試薬(液体)タイプがあります。

試薬の方が使用ステップが多いですが、正確に測れます

試験紙は水につけるだけで数値が判りますが、保存状況や使用期限により、うまく測れないことがあります。試験紙は簡易的な検査として使用することが多いです。

水質検査“薬”と書かれるとドキドキしてしまいますが、扱いが難しいものではありません。

水質検査薬の見方

『アンモニア』『カルキ』『pH』『亜硝酸』『硝酸塩』…など急に言われても、よくわからないし、数値が高いからって何?と思いますよね。

これらの項目は、『飼育水に溶けている水以外の成分』です。

水質検査薬の項目の意味

『NH3・NH4(アンモニア)』『NO2(亜硝酸)』『NO3(硝酸塩)』とは

アンモニア』『亜硝酸』『硝酸塩』は魚のフンなどから発生し、アンモニアから始まりバクテリアたちに徐々に分解されて、亜硝酸になり、最後は毒性の低い硝酸塩に変化します。

硝酸塩に変化してしまえば、魚に対する毒性は低いのですが、それ以上は分解しないため、水槽内に溜まっていきます。

すると、水槽内が酸性に傾き、魚たちに悪影響をもたらします。
定期的な水換えは、主にこの硝酸塩を排出するために行います。

『CL2(カルキ・塩素)』とは

カルキ(塩素)』は、水道水に含まれる殺菌成分です。

有益なバクテリアを殺菌してしまったり、魚たちのエラを痛める原因ですので、水槽に入れる水は、カルキ抜き剤を使って無害化します。

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これが検出されてしまうと、水槽にダメージを与えてしまいますので、しっかりカルキ抜きはしましょう。

『pH(ペーハー)』とは

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pH』は、7.0を基本にして、水が酸性に傾くと値が下がり、アルカリ性に傾くと数値が高くなります。

つまり、魚に有毒な亜硝酸や硝酸塩(酸性物質)が溜まっている状態ではpHが下がっていくことになります。

pHが上がる場合栄養素が多い状態です。よさそうに思えますが、過剰な栄養素はコケの原因です。

魚の餌はものによってはかなりのリンが含まれていますし、水草を育てるための液肥や固形肥料を入れると、それはさらに増える可能性があり、pHが上がります。

また、カルシウムが多いアイテム(サンゴ砂・カキガラなど)を使用していてもpHは上がります。

飼育している魚種にもよりますが、pHはなるべく中性(7.0)程度に維持したほうがバランスの良い飼育水と言えます。

『GH(総硬度)』

水の硬度です。

カルシウムマグネシウムなど、ミネラルの値が増えると、総硬度が増えます。

水草や魚の育ち具合に大きな影響を与えます。

ミネラルは岩や砂利、サンゴなどから少しづつ溶け出します。

元々、岩の多い水(硬度の高い水域)で生息しているような種類の魚(シクリッドなど)には高めに設定してあげると良いです。逆に軟水を好む魚たち(グラミーなど)には低く保つとよいです。

総硬度はソイルで下げることができますので、グッピーやグラミーが泳ぐ水草水槽には、ソイルが適正と言われる所以でもあります。

pHとGHを知ることで、水換えの指標になりますね。

水質検査薬で知る、水換えの注意ポイントとは

水換えの注意ポイントをざっくりとまとめると

・『カルキ』が検出されたら魚向きの水ではありません。カルキ抜き剤で調整してください。

・『アンモニア』『亜硝酸』が低くほとんど検出されず『硝酸塩』が検出されれば正常です。

・『アンモニア』『亜硝酸』が高濃度で検出されたら危険。即座に水換えを推奨します。

・通常は『硝酸塩』の数値が高くなったら水換え時です。

というように、飼育水には『数値のお約束』があって、それを参考にして水を換えるか否かを判断する材料になるんですね。

定期的に水質を検査することで、水換えのサイクルを知ることができます。

水槽を始めたばかりの頃は、水を浄化してくれるバクテリアが少なく、水質は不安定です。その頃は亜硝酸が溜まりやすいので、検査薬の使用をおすすめします。

底砂をきれいにする!

水換えと同じくらい重要なのが、『底砂』の掃除です。

フンや食べ残しが底砂の間にたまると、それが菌のご飯になります!

水の富栄養化も招き、コケが生えやすくなったりします。糞はアンモニアのもとでもあります。

簡単に底砂をきれいにする方法

市販の『プロホース』を使うと簡単に掃除することができます。

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水換えと同時に掃除をできる点が、嬉しいです!

掃除機をかける感覚でプロホースを底砂にあててみましょう、意外と汚れていて、びっくりします。

金魚のような糞の多い魚ですと、毎日ご飯をやり、一週間もするとかなり汚れが溜まっていたりします!

水槽『外』もきれいにする!

水槽は水にもバクテリアがいるわけですから、生き物の集合体と考えてよいです。

そんな水槽がホコリに囲まれていたらどうでしょう?ホコリが中に入れば、雑菌が水槽内にはいったのと同じです。

ライトやフタにたまったホコリは、綺麗に拭き取るようにしましょう!

フィルターを掃除する

水槽になくてはならないフィルターですが、掃除のタイミングが解り難いです。

フィルターは物理的に濾過するだけでなく、水をきれいにする(亜硝酸を硝酸塩にかえてくれる)バクテリアの住処でもあるからです。
水換えごとに洗っていると、有益なバクテリアが減ってしまい、水質を不安定にしてしまいます。

基本的には過密飼育でなければ6ヶ月に一度、飼育水でろ材を軽くすすいだり、ウールマットを交換したりするだけで大丈夫です。

※フィルターやろ材を洗う時は、必ず飼育水で軽くすすいでください!水道水を使ったり新しい水を使用するとバクテリアにダメージを与えてしまいます!

白いウールフィルターが茶色くなったら、交換したほうが良い気持ちになりますが、実はまだ使えたりします。

メーカー推奨では1ヶ月程度で交換となっているものが多い(サイズによる)ですが、実際は目詰まりがひどかったり、取り出して手で揉んだ時、型崩れをおこすときに交換するのが良いです。

まだ弾力がある場合などは、飼育水ですすいで再利用できます。茶色い汚れはバクテリアが繁殖した証です。

ただし、活性炭を使用したフィルターは2週間程度で効果がなくなりますので、役目を終えたら外してしまいましょう。

簡単にできるコケ対策!

観賞の時にやはり気になるのは、コケです。

生えてしまったらクロスクレーパースポンジなどで掃除する以外の方法はありません。

アクアリウムは生き物のサイクルを再現しているので、完全防ぐのは難しいですが、光の当て方などを工夫すれば、コケを抑制できます!

コケ対策1:日照時間を決める

ライトの照射時間を6~8時間程度に抑える方法です。

仕事などをしているとどうしてもライトを消す時間が遅くなりがちで、コケの育成を助けてしまいます。

そんな時はライト用のタイマーがあります。

規則正しい『昼』を決めることで、魚たちも健康的に育ちます!

(ライト商品)

コケ対策2:ライトを弱くする

薄暗いと、魚に良くないのでは?と思われる方も多いですが、魚の種類によっては案外平気だったりします。

むしろ、強すぎるライトに怯えてしまう魚もいます

水草育成用のライト=コケも育ちやすいです。蛍光灯のほうが微量の紫外線が含まれているため、LEDよりもその効果は高いです。

LEDライトによっては白い光だけでなく、同時に波長の違う赤い光や青い光を出すものもありますが、LEDライトの白い光だけの物は、それほどコケが生えやすいとは思いません

しかし、コケが育つのは水草にとって良い環境(植物が育ちやすい環境)であるともいえるので、悩ましいところです。綺麗に維持する場合は、やはりクレーパーやスポンジなどでとるようにしましょう。

コケ対策3:カーテンを閉める

直射でなくても、太陽の光の力は強力です!

なるべく当たらないようにすることも、コケを生えにくくさせる方法の一つです。

その時はもちろん、ライトで水槽内は明るくしてあげてください。

まとめ:水槽メンテナンスのポイントとして自分なりの『約束』を決めよう!

難しそうに思えるメンテナンスのポイントですが、「なぜ、それをしなければならないのか」の理由はシンプルです。

水質を一定に保つことこそメンテナンスを行う意味です。

水質を維持するための、自分なりの『約束』を決めれば、上手くいきます。

最初は覚えることも多いですが、その奥深さがアクアリウムの楽しみでもあります!

より良い水槽づくりを目指して頑張りましょう!

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