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池の水ぜんぶ抜くメリット

公園や遊歩道など、池のある場所に行くとリラックスしたり、開放的な気分になってリフレッシュしますよね。

そんな憩いの場所である池ですが、市街地の池などは特に、遠くから眺める分には気持ちのいいものですが、近づいて水面を見てみたら、実けっこう汚れているなと思ってしまうことも多くあります。

そんな池の水を一回全部抜いてしまおう!というなんとも素敵なTV番組『池の水ぜんぶ抜く』が近頃話題になっています!

今回はこの番組の主旨をなぞりながら、池の水を抜くことのメリットについて考えていきましょう!

池の水を抜く、とは

池の水を抜く!と聞くととてもシンプルなので、想像はしやすいのですが、実際にはどのような作業が行われているのでしょうか。

池の水を排出することをかいぼりと言います。

掻い掘り(かいぼり)は、池や沼の水をくみ出して泥をさらい、魚などの生物を獲り、天日に干すことである。

農業用のため池を維持するために行われてきた、日本の伝統的な管理方法である。

栄養塩類を含んだ泥や水を排出し、また池の底を空気にさらして微生物による分解を促進することで、水質を浄化する効果がある。

農業目的の他に、水質改善や外来生物駆除のための掻い掘りが各地で行われている。

掻い掘り – Wikipedia

もともとは農業の目的のために行われてきたかいぼりですが、

池や沼の水質改善や外来種駆除のために行われることも最近では増えてきているようです。

そこに目を付けたTV番組、面白いですね!

2014年にかいぼりをした井之頭公園の池の様子です。       掻い掘り – Wikipedia

巨大ポンプで水を吸い、神田川へと流出させるという方法をとったそうです。

池の水を抜いたら出てきたもの

かいぼりをし、水がなくなった池から出てくるものには驚かされます。

池の底が明るみとなったとき、そこから発見されるものが水質汚染の原因となっている場合が多いため、出てきたものを把握することで、今後池をきれいに保つためにとるべき対応が見えてきます。

それが池の水を抜く一つの大きなメリットといえるかもしれません。

池から出てきたもの:自転車、粗大ごみ

およそ28年ぶりに行われた井之頭公園のかいぼりの際には、100台以上もの投棄自転車が出てきたそうです。

どうしたらそんなにたくさんの自転車が池に落ちていったのか、信じられないような話ですが、行楽客も多い場所柄、そのようなことになってしまったのでしょうか。

池の水を抜いたことで100台もの投棄自転車や大きなごみを除去できたのは、大きな功績ですね!

池からでてきたもの:外来種の生き物

かいぼりをして判明したことによると、

井之頭公園池の約9割は外来種の生物だったとのことです。

中でも多く発見されたのはブルーギルです。

ブルーギル(英: Bluegill、 学名Lepomis macrochirus) は、サンフィッシュ科に属する淡水魚の一種。北アメリカ原産だが、同サンフィッシュ科のブラックバス、本種に形態が似たもののカワスズメ科のティラピア同様、日本でも分布を広げた特定外来生物である。

ブルーギル – Wikipedia

それから体長1.2メートルもの巨大なソウギョも発見されたとのことです。

ソウギョ(草魚、Ctenopharyngodon idellus)はコイ目コイ科ソウギョ亜科に属する中国原産の淡水魚。日本では水草を食害する事で知られていて環境省が要注意外来生物に指定している。

ソウギョ – Wikipedia

池に外来種が繁栄した理由の一つとして考えられるのは、池の生き物への過度なエサやりがあるかもしれません。

池の生き物に餌を与えすぎたことで、特定の外来生物が繁殖し、排泄物が水を汚し、また、水生植物を食い荒らしたことで池の自浄能力の低下につながったのではないかと考えられます。

池で口をパクパクしている鯉を見たらついついエサを与えてしまいたくなりますが、エサを与えて肥やしているのは実は鯉だけじゃないんですね!

池からでてきたもの:逃げ出した?捨てられた?生き物

また、兵庫県江井ヶ島の谷池で行われたかいぼりでは巨大なすっぽんが捕獲されました。

本来すっぽんは日本にも生息しているので、野生か否か、どこからきたのか不明ですが、

食用として養殖された個体が逃げ出し野生化し、池に住み着いたのではないかと考えられています。

捨てられて、または逃げ出して野生化した生き物はほかにも、ピラニアやアリゲーターガーなどニュースで見かけたことがあります。

日本の川にアリゲーターガーが泳ぐ!? 高知市内の川で高校生がアリゲーターガーを釣り上げたというニュースがありました。 これは、もうお分かりかもしれません・・・
引越しで飼えなくなってしまった、大きくなりすぎて飼えなくなってしまった… そんな時に川や排水路、海に飼っている魚を捨ててはいけません!!! キチンと・・・

生き物のためにも、環境・生態系の為にも、安易に生き物を放流するのはよろしくないですね。

池の水ぜんぶ抜いた、その後

かいぼりをした池はその後どのようになっていくのでしょうか。

井之頭公園池の例で言うと、今現在ぱっと見でわかるほどの変化はないものの、

池の水を測定してみると明らかに透明度があがっているとのことです。

そして水の濁りがなくなってきたら水草を植え、徐々に水質改善につなげていく長期的な計画が立てられているそうです。

自浄能力を備えた、本当にきれいな池に戻すには、時間はかかるものですが、

『池の水ぜんぶ抜く』が契機となり、人との共存の中できれいな池や自然が戻ってくるよう

努めることはとても良いなと思う今日この頃です。