アクアリウムショップで見た透明感のある綺麗な水槽。それに憧れてアクアリウムを始めたけど、どうしても水が白濁りしてしまう…。熱帯魚水槽でも、金魚水槽でも見られる現象です。
どうしたら水の透明感を取り戻すことができるのか、途方にくれてしまう時もあるでしょう。
水槽の白濁りの原因には以下の5つが考えられます。
- ゴミが浮遊している
- ソイル由来の濁り
- バクテリアの活動が安定していない
- 水換えの不足
- 魚の数が多い
こちらでは、水槽の白濁りの原因に沿った対策を5つご紹介します。5つの対策を実行すれば、ショップのような透明感のある水槽を実現できます!ぜひ参考になさってください。
白濁りの原因と対策を動画で解説!
水槽の飼育水が白濁りする原因とその対策については、こちらの動画でも解説しています!
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水槽が白濁りする主な原因は5つ!
水槽の水が白濁りしてしまう。特に水槽の立ち上げ時にはよく見られる現象です。
まずはその原因を知り、ご自分の水槽にどの原因が当てはまるのか、そして対策はどうしたらいいのかを一つずつチェックしてみてください。
まずは、原因から解説します!
原因1:微細なゴミが浮遊している
水槽立ち上げ直後によく見られる現象です。
水槽内のろ過システムやバクテリアの状態が落ち着いていないため起こります。他にもちょっとした変化が元で「昨日は透明だったのに、どうして急に白濁り?」ということもあります。
理由として考えられることは
- 最初から水草に付着していたゴミが浮遊してしまった
- バクテリアの死骸が浮遊している
- 与えたエサが多すぎて食べ残しがゴミとなっている
- 流木を入れたが、アク抜きが完全に出来ていなかった
などがあります。
2.バクテリアの死骸と4.流木のアクは別として、他はすべて物理ろ過がうまくできていない状態と言えます。
また、水槽をセットした直後の濁りの原因として、底に敷いた砂利の洗浄が十分にできていなかった、というものもあります。
砂利の洗浄に関してはこちらをご覧ください!
原因2:ソイルの扱い
使用したソイルが栄養分を豊富に含むタイプだと、その栄養分が水に溶け出してしまいます。本来であればろ過装置ですべてキレイになるはずなのですが、ろ過装置のパワーが足りないと白濁りを誘引してしまいます。
水槽立ち上げの際に見られるのは、使用したソイルの洗浄があまかったというケースですね。これは立ち上げてしばらくすれば、ろ過されて収まってくることもあります。
しばらく使用している水槽の場合はソイルが老朽化してくるため、水換えや水草の手入れのときにソイルがつぶれやすくなっています。ソイルがつぶれてそれが水を白濁りさせるパターンです。この場合は水換えが効果的です。
また、潰れてしまったソイルはそのままにせず、交換しましょう。
「底砂を全部替えたらバクテリアが減っちゃう!」という方には、ソイルを少し残して再利用する方法がおすすめです。ソイルは条件を満たしていればある程度は再利用が可能です!
ソイルの再利用についてはこちらです。
原因3:バクテリアの活動が安定していない
これも水槽立ち上げ直後によく見られます。水槽内のバクテリアの状態が整っていないのが原因です。
水槽内に少しずつ増えていく魚の排出物や老廃物、エサの食べ残しなどは本来バクテリアが「アンモニア(魚の排出物)→亜硝酸→硝酸塩」と変化させてくれます。亜硝酸や硝酸は植物の栄養なので、水槽内の水草が吸収してくれます。そのバクテリアによる分解が安定していないと水は白濁りしやすくなってしまいます。
酸欠でバクテリアが死滅しても濁りは発生しますから、「濾過装置も万全!アンモニアが硝酸塩に分解されているのに、なぜ濁るの?」という場合はエアレーションを行ってみると解決することがあります。
また、水を一度にたくさん交換しすぎても、バクテリアのバランスが崩れてしまいます。
原因4:水換え不足
ろ材だけに頼っていては、やはり水は白濁りしてしまいます。
水換えを適切に行うことで、水槽内の養分を上手く排出し、濁りを抑制することができます。
また、水を換えるだけではなく、水槽のコケとりや、水槽内部の壁面をきちんとふき取ることなども必要です。
水槽のメンテナンスについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
原因5:水槽に入れた魚の数が多い
新しい水槽にはついたくさんの魚を入れたくなってしまいます。どの魚もキレイですし、群れをなして泳ぐ魚は本当に魅力的です。ですが水槽のサイズに合った数以上の魚を入れてしまうと、どうしても排出物などが多くなりすぎて、水が白濁りしてしまいます。
ご自分の水槽にいれた魚の数が多すぎないか、不安になった場合は下のページを参考にしてください。
白濁りを無くすための対策5選
原因がわかったところで、対策を見ていきましょう。どの対策がどの原因に合うかも参考にしてみてください。
対策1:活性炭で白濁りを除去しよう!
活性炭には細かな穴がたくさん開いています。この穴は様々なものを吸着するという特性があり、流木からでたアクを吸着する力が強いです。
活性炭で白濁りを除去?と疑問に思われる方もいるかもしれません。活性炭は、同じ濁りでも主に、富栄養化などによって生じる水の黄ばみ除去に使用されることの多いアイテムですよね。
では、なぜここで紹介するのかというと、不要なバクテリアの増殖を防ぐ効果が期待できるからです。バクテリアにはたくさんの種類がいるため、水のろ過に必要な良いバクテリアとそうでないバクテリアが存在し、中には水を濁らせてしまうバクテリアもいます。
水をろ過してくれるバクテリアが分解できなかった有機成分を、活性炭に吸着させることで、それを餌としていた不要なバクテリアが淘汰されていき、水の濁りが除去されるという仕組みです。
活性炭のオススメ商品は「ヒカリ (Hikari) ブラックホール 60cm水槽用(2回分) 超高性能活性炭」です。
上記の商品以外にも、水槽サイズごとに商品展開されているのでとても購入しやすいですね。
活性炭には消臭効果もあるため、水槽の臭いが気になる場合にもおすすめです!
ただし、効果は1ヶ月程度で切れるため、定期的な交換が必要です。
活性炭の具体的な使い方の注意点などは、下の記事を参考にしてください。
いいことづくめのような活性炭ですが、実は万能ではありません。アンモニアなどの物質を除去することはできないんです。
アンモニアの除去は後述するバクテリアに分解してもらうか、水換えで対応できます。
対策2: ろ過マットは目の細かい材質を選ぶ!
原因1の、微細なゴミを取り除くのに効果を発揮するのが、ろ過マットの性能です。
様々なろ過マットが販売されており、どれを購入したらいいか非常に迷ってしまいますが、ろ過マットに期待することは「微細なゴミもキャッチして水をキレイにしてくれること」なので、とにかく目の細かい材質をチョイスすることが大切です。
オススメはこちらの商品です。しっかりしている素材なので、ふにゃふにゃしてしまわない、なのに薄型なので間に他のフィルターを挟んで使うことも可能です。
あまりフワフワの綿のようなタイプを選んでしまうとかさばりますし、オーバーフロー水槽の場合、落水に負けて穴が開くこともあります。
ろ過マットには色々な種類がありますので、ろ過マット選びに迷ったら下の記事を参考にしてみてください。
また、ろ過マットっていつ交換したらいいの?という疑問に答えてくれるのが下のページです。参考にしてください。
対策3:バクテリア剤を使う!
水槽立ち上げ時に見られるお悩みですね。原因3にあげた「バクテリアの活動が安定していない」場合の対策です。
自然にバクテリアが増えるには約一ヶ月程の時間が必要ですが、そんなに待っていられないですよね……。
または魚を入れすぎたらバクテリアの環境が崩れてしまった、室温が上がりすぎてバクテリアが死滅してしまった等のケースもあります。いずれにせよ濁る場合は、バクテリアにダメージがあった、とみて良いです。このような状況を手っ取り早く解決してくれるのが「バクテリア剤」のです。
「バクテリア剤なんてお金の無駄」と言う人もいますが、使ってマイナスの要素はありません。使ってみると確かに飼育水の透明度が増します。
ただし入れすぎるとバクテリアが酸素を吸いすぎて、水槽全体の酸素が不足してしまうこともあります。酸欠になると、せっかく投入したバクテリアがダメージを受け、白濁りをおこすことがあります。
エアレーションなどで酸素を供給しつつ投入すると、安定しやすいですよ。
ただし、エアレーションは水草育成に必要なCO2を逃がしてしまいがちなので、育成している水草の種類によっては控えましょう。
バクテリア剤についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
また、バクテリア剤によって急激に水槽内のバクテリアを増やしても定着率はそれほど高くないです。
「たくさんいたほうが良いだろう…」とバクテリア剤を投入しすぎると、定着できなかったバクテリアの死骸が水中に舞い、かえって濁る原因になります。
使用する場合は、あくまでも指定された量に留めてください。
対策4:ろ過設備を増強しよう!
やはり白濁りに一番効果を発揮するのは「ろ過設備(フィルター)の増強」ですね。原因1と5の対策です。
水槽の容量と魚の数によって必要なろ過設備は変わってきます。水槽を立ち上げてしばらくしても白濁りが改善されない場合はろ過設備をプラスする、もしくは現在使用中のものをもっとランクアップする必要があります。
例えば、上部フィルターを使用しているなら、小さめの外部フィルターをプラスする。
小さな外掛け式フィルターから、上部フィルターに変更してみる、などです。
※写真はオーバーフローろ過に、投げこみ式フィルターを入れています。エアレーションを強化する意味もあります。
「ろ過を強化するとどうしてよいの?」というと、ろ材が大きく関係しています。
ろ過装置の中にはろ材を詰めますが、ろ材こそが水をきれいにするバクテリアたちの主な住処なんです!
つまり、ろ過装置を増強する=ろ材の量が増える=定着するバクテリアが増える。そうすることで水質のバランスを保ち、アンモニアによる白濁りを解決することができます。さらに、住処があれば、定着できるバクテリアが増えます。
これでバクテリアの死骸による白濁りも、抑えることができます。
とはいえ、ろ過設備は本当に多種多様で「いったいどれを選んだらいいんだ!」と困惑する場合も多いですね。下のページに「ろ過設備」についてまとめてありますので、是非参考にしてください。
ろ材をランクアップするならこちらもオススメですよ。
対策5:週に1度はコケ取りと水換え作業をしよう!
やはりキレイな水を保つためには、水換え作業は欠かせません。原因1・2・4の対策です。
水は重いし作業は大変ですが、水換えには以下のような多くの必要性があります。
- 水に溜まっていく有害物質を取り除く
- 水質を安定させる
- コケの発生を抑制する
- 水槽の底に溜まったゴミを除去する
理想は「水の管理は、フィルターとバクテリアと水草に全部お任せ!」といいたいところですが、さすがにそれは不可能です。なので少しだけお手伝いして水槽の水をキレイに保つために、水換えが必要です。
具体的な水換え方法については、下の記事を参考にしてみてください。
また、どうしても水槽の表面にコケが付着しますので、その除去作業も欠かさずに行ってください。コケを掃除するにはメラミンスポンジが便利ですね。個人的には白いメラミンスポンジがコケで緑色になると、「とれた!」と嬉しくてニヤッとしてしまいます……。
コケ掃除については、下の記事がとても詳しいので参考にしてください。
工夫したお手入れで透明度の高い美しい水槽を
水槽が白濁りする原因とその対策を5つ、まとめてお伝えしました。理由もなく言われるがままに水槽のメンテナンスをするよりは、どういう理由があってメンテナンスをするのかを知っていけると、水槽の透明度はアップします。
透明な美しい水は水槽の命といっても過言ではありません。その美しさを保つためにいろいろ工夫していきましょう。
水槽の白濁りを除去する方法 ベスト5 一覧表
※記載されている情報は各ショップ販売時の情報に基づいています。価格などは時期により変動する事がございますのであらかじめご了承ください。
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コメント
水槽にグッピーとコリドラスをいれてるんですが、
すぐに水がこもるんです。
なんか、いい方法ありませんか?
教えてください。
お願いします🙇
活性炭やエアレーションの追加で解決できることが多いですよ。
ろ過フィルター内にブラックホールなどの水槽用の活性炭を導入するとよいです。