家電などに高機能なハイエンドモデルがあるように、アクアリウムにおいても高級な装備・機材は存在します。それらがなくても問題なく飼育できる生体がほとんどですが、サンゴや一部の水草を育成したい時や大型水槽を運用したい場合など、高級機材が必須になるケースもあります。
また、高級機材は往々にして高性能なので、特殊な生体を飼育する以外でも飼育環境の維持に役立ち、導入すればアクアリウムの幅が広がること間違いなしです。
ここでは、アクアリウム用品の高級機材についてどのような物か解説し、導入するメリット・デメリットなどをご紹介します。
アクアリウム用の高級な装備・機材について
家電などに高価なハイエンドモデルがあるように、アクアリウム用品についても高級な装備・機材が存在します。
アクアリウム用の高級機材としては、LEDライトのような基本的な飼育器具のハイエンドモデルから、カルシウムリアクターなど特定の生体を飼育するために、ほぼ必須になる機材まで様々な物が発売されています。
高級機材の必要性を疑問視する方もいるかもしれません。実際、現在までに飼育法が確立されている生体の大部分については、高級機材を使用せずとも問題なく飼育できることがほとんどです。
しかし、SPSに分類されるサンゴや一部の水草など、高級機材が持つ能力がなければ育成がほぼ不可能と言える生体もいます。
また、高級な装備や機材は当然ながら品質や能力が高く、デザイン性にも優れます。現に、コンテストで入賞を果たすようなアクアリウムは、高級機材で構成されていることが普通です。
個人の趣味の範囲でコンテストに出展されるような、高級機材をメインに構成されたアクアリウムを運用することは、コスト面から現実的ではないかもしれません。
それでも、高級機材が持つ能力があれば、レイアウトの自由度が上がったり、飼育環境の維持がより容易になるなど、アクアリウムの楽しみ方が広がります。そのため、方向性を定めて部分的にでも導入することは、一考の価値があると言えるでしょう。
アクアリウム用品における高級機材の具体例
高級機材は、マリンアクアリウムやオーバーフロー水槽では、必需品となることが多いです。
プロテインスキマー
プロテインスキマーは物理ろ過に特化したろ過装置で、ベルリンシステムには欠かせません。近年では手軽に導入できる簡易的な製品も多く見られるようになりましたが、本格的な物はやはり高価です。
カルシウムリアクター
カルシウムリアクターは前述の通り、「ミドリイシ」などのSPSに分類されるサンゴを飼育するためにはほぼ必須と言える機材です。
役割としては、サンゴの骨格を形成するカルシウムなどの各種ミネラルを継続的に供給する物で、これが有るのと無いのとでは維持管理の難易度が劇的に変化します。
大型クーラー
クーラーは言うまでもなく、低水温を好む生体の水温管理には欠かせない機材です。水槽のサイズ(水量)に応じた能力を持つ物を用意する必要があり、大型化すると値段も跳ね上がります。
マグネットポンプ
マグネットポンプはオーバーフロー水槽に用いられるポンプです。揚水力に優れる形式のため大型設備には最適なのですが、強力な分だけに値も張り静音加工が施されている物は高級品です。
高輝度LED
高輝度LEDはサンゴや一部の水草を育成する時に必要になり、通常の物よりも光量を確保できるよう設計されています。
製品によっては光合成に必要な波長域の光を強化していたり、生物時計を狂わせないように、日の出から日没までの光の当たり方を再現できるハイエンドモデルもあります。
オーダーメイドの水槽・水槽台など
水槽や水槽台にはオーダーメイドのサービスもあります。注文を受けてから一つ一つ作成するので、当然ながら大量生産できる既製品よりも高価になります。
高級な装備・機材のメリット・デメリット
メリット
- 能力・デザイン性が高い
- 飼育の幅が広がる
- 住環境や生体に最適な機材が手に入る
高級機材は総じて能力が高いので、飼育環境の維持管理がより容易になります。また、見た目にもこだわって生産されており、デザイン性が高い製品が多いことも特徴です。
さらに、一般的には飼育が難しいとされている生体も、高級機材の能力であれば長期の維持が可能になる場合があり、機材のデザイン性と合わせればより高い鑑賞性を実現できます。
そして、水槽や水槽台をオーダーメイドすれば、ご自身の住環境や飼育したい生体を管理するうえで、最適化された機材を入手できる点も大きなメリットです。
デメリット
- 価格が高い
- 修理が困難な場合がある
- 実際に入手できるまでに時間がかかる
一番のネックとなるのがやはり値段でしょう。ハイエンドモデルとなると価格は数万円にも上ることが普通で、中には十万円以上もする高級機材もあります。
また、機材が故障した場合、破損箇所によっては修理が困難であったり、修理ができないこともあります。なぜなら、高級機材の付加価値を実現している部材が専用品であった場合、市販されている汎用品では規格などが合わず、代用できないことがあるからです。
その時は、メーカーに修理を任せるか部材を取り寄せることになりますが、生産が終了していた製品だった場合、部材の取り置きがなくなっていれば修理自体ができないことも考えられます。
そして、オーダーメイドの場合は顧客から注文を受けてから作るので、実際に手元に届くまでに時間がかかります。水槽台など組み立て済みの物を送ってもらう際は、大きさによっては送料が高くなることにも注意してください。
アクアリウム用品の主なハイエンドモデルをご紹介!
リーフオクトパス DCポンプ プロテインスキマー DC-S 3000EXT (外部式)
オーバーフロー水槽用のプロテインスキマーです。独自の設計で高い処理能力とデザイン性を両立し、DCポンプを採用することにより高い静音性も獲得しています。高いスキミング能力を有しているので、サンゴ水槽にも最適な商品の1つです。
pH値で電源制御可能 FUKUROWコントローラー
電磁弁を調節するためのコントローラーです。使用例としては、水草水槽におけるCO2添加量のコントロールや、サンゴ水槽でのカルシウムリアクターの調節に用います。pHをリアルタイムで測定して電磁弁をコントロールすることで添加量を調節できるため、水槽環境の維持管理が格段に楽になります。
ケッシル (Kessil) A 160WE TUNA Blue
サンゴの飼育に焦点を当てたLEDライトです。高輝度マルチチップLEDを採用することにより、多くの光量を必要とするサンゴでも健全な育成が可能です。また、独自の調光方式により色の調整が容易で、任意の色調を再現できます。
レイシー マグネットポンプ シリーズ
主にオーバーフロー水槽で用いられる揚水ポンプで、全国の水族館や研究施設でも導入されている信頼性が魅力です。低発熱・低振動に加えて静音性も追及されており、ご家庭でも安心して使用できます。異常発熱時に自動的に停止させる温度センサーも標準装備されています。
H&S カルシウムリアクター CA-2 ECO 内部式
強力なポンプが内蔵されているので、効率よくカルシウムを溶出できます。また、pHエレクトロード取り付け口が付いているので、上記FUKUROWコントローラーなどを使用すれば、自動添加装置にアップグレードが可能です。
オーダーメイド水槽・水槽台
水槽や水槽台をオーダーメイドすれば、ご自身の住環境や飼育したい生体にとって、既製品にはない理想的な物が手に入ります。例えば、アロワナなど水面から飛び出す力が強い大型魚の飼育のために、蓋をボルトで固定できる水槽なども作ってもらえます。
東京アクアガーデンではお手頃な価格で提供しているので、是非ご検討ください。
まとめ・アクアリウム用品における高級な装備とメリット・デメリットなどについて
高級機材は主にマリンアクアリウムや、オーバーフロー水槽などの大型設備を運用する際に必要になる物です。
高級機材がなくとも問題なく飼育できる生体がほとんどですが、高級機材は能力・デザイン性ともに高く、部分的にでも導入すればアクアリウムの楽しみ方の幅が広がることもまた事実です。
本格的にアクアリウムに取り組みたいとお考えの方は、ワンランク上の鑑賞性を実現するためにも、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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