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初心者が水草で失敗する理由とは!よくある失敗例と育成ポイントを解説!

水草水槽はレイアウト次第で様々な情景を生み出せる魅力に溢れるアクアリウムです。色々な水草を組み合わせて水槽内に理想の光景を作り出す工程は、自分だけの箱庭を作成しているようで好きな方には堪らない作業なのですが、水草に適した環境を用意できなければ枯れてしまいます

特に、水草育成の勝手がまだよく分かっていない初心者の方は失敗しがちです。ここでは、水草初心者の方のために、水草育成における具体的な失敗例を踏まえつつ、育成のポイントについてご紹介します。

水草の育成に失敗してしまう理由

全ての生物には成育に適した環境があり、その環境の条件から乖離した場所に晒され続けると健康を害してやがて死んでしまいます。水草もその例に漏れないので、水草の育成に失敗してしまう方は、まずはご自身の育成環境を見直さなければなりません。

水草と一口に言ってもたくさんの種類が存在しており、種類間で適した環境が大きく異なるものもあるので、それぞれの水草についてどのような環境が適しているのか、事前に調べておくことが重要です。

また、自然下でのバランスを水槽というごく限られた環境で再現しなければならないので、それを可能とする設備が整っているかも大事なポイントとなります。

水草飼育における主な失敗例をご紹介!

ここでは、水草の育成において初心者の方が陥りやすい失敗例をご紹介します。水草を枯らせてしまう主な原因は、設備面での不備や育成環境の不一致、水草と同居している生体などが考えられます。

失敗例1.設備の不備

  • 各水草の特徴を理解せずに購入
  • 水草を育成するための設備が整っていない

これらの事例は設備面の不備が失敗につながってしまいます。水草と一口に言っても色々な種類が存在・流通しており、それぞれに適した水槽環境を整えるためには設備面からの見直しが必要な場合もあります。

例えば、健全な生育のために要求される二酸化炭素(CO2)や光の量は水草の種類によって異なるので、必要に応じてCO2の添加装置やより強力な照明器具を導入しなければなりません。

よって、水草の育成を始めるのであれば、購入する前にその水草がどのような特徴を持ち、どのような環境を好む種類なのかよく調べることが重要です。

失敗例2.育成環境や取り扱いが不適切

  • 水温・水質が不適切
  • 植え方が不適切

設備を整えても、実際の水槽環境が水草の育成に適したものになっていなければ、当然ながら水草は枯れたり溶けてしまいます。水草にも観賞魚などと同様に適した水温や水質があるので、それらの適正範囲を外れないように水槽環境を保つ必要があります。

また、植え方にも注意が必要です。特に、ポット入りの水草を購入した後にポットを外さず、あるいはポットを外してそのまま植えてしまう初心者の方が希に見られますが、これはしてはいけません。

なぜなら、ポット入りの水草には通常ウールマットや鉛製のバンドが付いており、それらを残しておくと腐食するなどして水質を悪化させてしまうからです。そのため、水草を水槽に導入する時は、付属してきた物品は取り除く必要があります。

それと同時に、水草を植える際はピンセットを用いて丁寧に植えるようにしましょう。めんどくさがって適した道具を用いず、いい加減に植えてしまうと水草の根を傷つけてしまい、その後の生育に支障をきたしてしまいます。

失敗例3.同居している生体

  • コケ取り生体が居ない
  • 水草を食害する生体が居る

最後に挙げられる主な失敗要因としては、水草と同居させるべきあるいは同居させるべきではない生体の存在があります。水草を育成したいのに、他の生物も水槽に入れなければならないのか疑問に思う方もいると思いますが、ある種の生物は水草育成において必須です。

その生物とはコケ(藻類)を食べてくれる魚やエビ、貝類です。水草の育成において最も厄介な問題の1つがコケの発生です。コケも水草と同様に植物の1種なので、水草が良く育つ環境だとコケもよく育ってしまいます。

【生体】ヤマトヌマエビ 50匹 エビ 飼育用・餌用にも

コケは鑑賞性を損なうだけでなく、水中の養分を消費するとともに水草の表面に生えてしまうと光合成を阻害するなど、水草の育成を妨害してしまうので可能な限り発生を抑制することが重要です。

しかし、人の手で除去するには限界があるので、コケを食べる生物に手伝ってもらうことが水草育成において一般的な手法になっています。そのため、コケを食べる「コケ取り生体」が居ない環境だとコケが生え放題となり、水草が育たなくなってしまいます。

代表的なコケ取り生体としては、オトシン類といった熱帯魚や淡水エビのヌマエビ類ヒメタニシなどの巻貝が挙げられます。

(熱帯魚)オトシンクルス(約2-3cm )<10匹>[生体]

コケ取り生体とは逆に水草を好んで食べてしまう生物とは、当然ながら同居させるべきではありません。そのような生物の特徴としては、大食漢であったり植物食性が強い雑食性であることが挙げられ、代表的なものに金魚がいます。

また、コケ取り生体も基本的には植物質の物が好物なので、コケの量が不足すると水草を食べることがあるので注意してください。もし、コケ取り生体が水草をかじる素振りを見せたら、コケの量が足りていないことが考えられるので、別途に給餌する必要があります。

餌の種類としてはエビ類などであっても、プレコ用の人工飼料といった植物食性が強い熱帯魚のために配合された物で問題ありません。

失敗しない水草育成のポイントについて

水草の育成を成功させるためには、まずは前述した失敗要素の解消が先決です。つまり、それぞれの水草の特徴を捉えて必要な機材を揃え、水草にとって適切な植栽法や環境の維持をする必要があります。

さらに、発生するコケの量に応じた、適切な数のコケ取り生体を水槽に入れなければなりません。水草の育成におけるポイントは「光」・「養分」と、それらの管理を容易にする「設備」です。

光合成のために十分な光量を確保できる照明器具の準備や照明時間の調節、養分を安定して継続的に供給できる肥料や底床材に加えて、水中のCO2を抜けにくくする工夫も必要です。

光に関しては水草の育成に対応しているLEDライトなどを導入し、照明時間はコケの発生状況を見ながら8~12時間の範囲で管理することが一般的です。また、水温は年間を通して25℃前後に、水質は弱酸性に保つ必要があります。

養分に関しては水草用の肥料が市販されており、底床材は各種「ソイル」の使用を推奨します。CO2を多く要求する水草の育成にはCO2を強制的に添加する装置が必要で、これも現在では市販されており容易に入手が可能です。

水草水槽のフィルターには、ろ過槽が密閉されているためにCO2が空気中に抜けにくい特性を有する、外部フィルターを使用することが一般的です。

まとめ・初心者が水草飼育に失敗する理由と育成のポイントについて

以上、水草の育成における失敗例と育成のポイントについて解説いたしました。文章で一度に説明すると難しく感じるかもしれませんが、問題点を一つ一つ解消していけば水草の育成は決して困難なことではありません。

それでも不安な方は、アヌビアスナナやウィローモス、金魚藻(マツモ・アナカリス・カボンバ)などの丈夫な水草から育成を始めて、慣れてきたら任意の水草に挑戦すると良いでしょう。

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水草の育成におけるポイントは「光」と「養分」と「設備」です。これらのポイントを意識しながら水槽環境を整えて、理想の水草水槽作りを楽しんでみてください。