5月に入り、気温も上昇してくるころです。
気温が上昇すると、当然アクアリウム内の水温も上がってきます。
生体によっても限界の水温は違います。「どのくらいまで水温が上がったら対策をしたらいいのだろう」と悩んでしまうこともありますね。
水温上昇を目の当たりにして「氷を入れよう!」と考える方もいますが、それは絶対にNGです。
今回は「水温の上昇温度ごとの対策方法、生体ごとの限界水温」などを詳しく解説していきます!
水温が上がることで起こる困ることって?
アクアリウムの水温が上昇すると困るの?と初めて気づいた方もいらっしゃるかもしれません。水温が上昇すると、どんな困ったことが起こるでしょうか。
生体が弱る
水温が上昇するのは、水中で暮らす生体にとってはかなりのダメージです。
生体ごとに好みの水温があり、その水温から大きくかけ離れると生体はぐったりしてしまい、病気にかかりやすくなります。
水質の悪化が早まり、溶存酸素量が減る
水温が上昇すると、食べ残された餌や排泄物が腐りやすくなります。その影響で水質の悪化が早まるリスクがあります。
その上、水温が上がると溶存酸素量(水の中に溶け込んでいる酸素の量)が減少しますので、水槽内の生体にとって苦しい状況となります。
水温が27℃を超えるときはエアレーションを行いましょう。
水草が枯れる
水草も、好みの水温があります。
その水温よりも上昇してしまうと、高温に弱い水草だと枯れてしまうことがありますので、ご自分の栽培している水草が暑さに弱いかどうか、あらかじめ知っておきましょう。
一般に、
- ロタラの仲間
- ミクロソリウム
は高温に弱いとされています。
水温ごとの対策
では、水温がどのくらいになったらどんな対策をしていけば良いのか解説します。
水温25℃程度
この程度であれば「あれ、いつもよりちょっと高いな」と思う範囲ですし、簡便な方法で水温を下げることができます。
オススメは冷却ファンです。
冷却ファンはわかりやすく言えば扇風機のようなもので、水面に風を送って水温を下げる装置です。安価なので導入しやすいアイテムです。
水温28℃を超えたら
28℃を超えるようなら水槽用クーラーをお薦めします。
水槽用クーラーは非常に多くの種類が販売されており、それぞれ長所と短所があります。以下の記事に詳しく解説されていますので、水温や予算によって適切なアイテムを選択してください。
熱帯魚は27℃を超えるとバテはじめ、30℃を超えると死んでしまうこともありますので注意しましょう!
金魚やメダカは比較的高温にも強いです。しかし体力を消耗しますし、それにより秋口に病気にかかりやすくなりますので油断しないように管理してあげましょう。
さらに上で説明した通り、溶存酸素量が低下しますのでエアレーションが必要です。
生体ごとの限界水温はどのくらい?
とはいえ、様々な生体がおり、生体によって限界となる水温は異なります。
以下で生体ごとの限界水温を解説します。
サンゴ水槽の場合は27℃を厳守
サンゴ水槽を作っていくにはクーラーは必須アイテムとなります。
熱帯に生息することから、暑さに強そうなイメージのあるサンゴですが、実際は27℃以上の水温に耐えることができませんので注意しましょう。また、水温が下がりすぎるのも苦手ですので一定の水温を保って飼育しましょう。
水草水槽は28℃で
水温28℃を越えると水草にも悪影響ですし、水温が上がることで溶存酸素量が減り酸欠になります。
熱帯魚たちにも28℃は過酷であり、そのせいで熱帯魚を死に至らしめることもあります。
気温25℃くらいなら冷却ファンでも大丈夫ですが、二酸化炭素を添加している場合、せっかくの二酸化炭素を逃がしてしまいますので、クーラーを使用しましょう。また、二酸化炭素を添加していなくても水温が28℃を超えそうな場合はクーラーの設置をお薦めします。
アロワナ水槽は32℃まで平気
アロワナの適正温度は30℃です。
代謝が上がる、餌をよく食べる、白点病などになりにくいなど、高温飼育はむしろアロワナを健康にします。
身体が大きく体力もあるため30℃を超えても平気です。
こういった背景から、能力的には冷却ファンでも問題ないのですが、アロワナはジャンプして飛び出す癖があります。それを防ぐため、フタをボルト留めしているのが常なので、32℃以上になってしまいそうなときは、クーラーをオススメします。
金魚、メダカは30℃以上でも平気なことも
丈夫で育てやすい魚である金魚、メダカは水温が30℃以上でも意外に平気です。
ただ、入れている水草が高温で枯れたりすることによる水質の悪化や、菌(特にエロモナス)の増殖に気を付けましょう。秋口に感染してしまうことも少なくないです。
また、33℃を超えてしまうようならさすがにリミットですのでクーラーをオススメします。
経験によるとメダカは32℃では元気でしたが、36℃で死んでしまいました。最近の夏は気温が36℃を超えることも珍しくありませんので、注意してあげましょう。
水温が急上昇するような場合の注意点・氷は禁止!
水温が高いからと言って、焦って水槽に氷を入れるのだけはやめましょう。
急激な水温変化で、魚や水草をショック状態にしてしまいます!ショック状態になれば、命を落とす危険もありますので、急激に水温を下げるのは厳禁です。
まとめ:水温上昇に注意して夏のアクアリウムライフを
水温上昇に伴う危険性、上昇温度ごとの対策方法について紹介させていただきました。
人間にとっては些細な変化でも、アクアリウムの生体たちにとっては大きなショックとなることがあります。水温管理は非常に重要な項目なので、特に暑い季節は注意してあげましょう!
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