熱帯魚を飼育していると一度は目にする“厄介者”。
害はなく単に見ためが悪いものから、水草や魚に害があるものまで種類はさまざまです。一つ言えることは、水槽にいてもメリットはないので、「入れたくない」「いたらすぐに駆除したい」そのような存在だということです。
今回は、水槽に望まずとも現れる貝や虫などの種類と駆除法をご紹介します。いくつかの種類はあっという間に増えてしまうので、早めの対処が肝心です。
目次
淡水魚水槽に現れる害虫
淡水魚水槽に現れる害虫と駆除方法をご紹介します。
どれも大きな被害を出すことはありませんが、気持ちの良いものではありません。早期発見と駆除が重要なので、日々水槽を観察して害虫がいないかどうか確認しましょう。
カワコザラガイ
カワコザラガイは2~5mm程度の小さな貝です。
特にこれといった害はありませんが、大量に殖えると気持ちの良いものではありません。水草について侵入することが多いので、入れる前に確認しましょう。別の容器に入れて数日様子を見るのも一つの手です。それでも水槽内に現われてしまった場合は増殖しにくい環境を整えることが効果的です。
カワコザラガイは富栄養化した水を好むため、水換えをして水質を改善しましょう。また、アルカリ性の硬水は繁殖させやすい水質なので、中性もしくは弱酸性よりに調整します。もちろん、水槽内の生体に無理のない範囲でpHを下げることが大切です。
それでも増殖が止まらない場合はアベニーパファーなどを入れると食べてくれます。ただ、他の魚のヒレをかじってしまうことがあるため、相性をみて水槽に入れましょう。
スネール
水槽の厄介者と言えば、「スネール」が有名です。
もの凄い勢いで殖えるので、水草や水槽の壁面がスネールだらけ、なんてことにもなりかねません。特にゼリー状の卵は気持ち悪いの一言。さらに、スネールは水草を食べてしまいます。少ないと目立った被害にはなりませんが、数が多いと水草が傷んでしまうことも。
侵入経路は水草について入ってしまうことがほとんどです。入れる前にスネールがついていないか確認しましょう。しかし、貝と違って透明の卵は見つけることが難しく、確実に取り除くのは困難です。
もし、水槽に入ってしまった場合はピンセットなどで除去します。また、スネールを駆除するための商品もおすすめです。ただ、これらの方法では卵を取り除くことはできません。
その場合、魚や水草の様子を見つつ、スネールに効果のある薬品も検討しましょう。
また、カワコザラガイと同様、アベニーパファーなどが好んで食べてくれます。
ミズミミズ、プラナリア
ミズミミズは白い透明状の細長い生物で、生体に害はないものの水槽の壁面で動く姿は見た目がよくありません。
水質が悪化すると現れるので、水換えやフィルター・ろ材の掃除で対処します。また、メダカなどが食べる場合もあります。
水槽の壁面を動き回る生物ではプラナリアも珍しくありません。動きの遅い生き物や卵などを食べることがあるので注意が必要です。駆除する方法はピンセットなどで取り除く、もしくは薬品を使います。
物理的に除去する場合、プラナリアを切断すると分裂して増えてしまうので丁寧に作業しましょう。薬品は専用のものが販売されていますが、プラナリア以外の生体に影響することがあるため、様子を見ながら使う必要があります。
ミズムシ
ゲジゲジのような小型昆虫です。
悪影響は特にありませんが、見た目が気持ち悪いので好まれません。水質が悪化すると殖えやすいので、水換えなどして水質改善しましょう。魚が捕食してくれることが多いため、殖えすぎた場合は魚を増やすのも効果的です。
ヒドラ
ヒドラは半透明の体に数本の触手を持っていますが、生体の害になることはありません。
それでも見た目がよくないので、駆除したほうがよい生き物といえます。富栄養化した環境で殖えやすいため、水質改善に努めましょう。
また、基本的に魚が食べてくれるので脅威となることはありません。早急に駆除したい場合は0.6%程度の塩水浴がおすすめです。
チョウバエ
上部フィルターなどに黒い蛆虫が発生したらチョウバエです。
魚の排泄物や汚れが溜まっていると発生しやすいので、ろ材を変え清潔を心がけましょう。完全に取り除くにはフィルターを熱湯処理して卵から駆除する必要があります。
海水魚水槽に現れる害虫
海水魚水槽特有の害虫とその駆除方法をご紹介します。非常に厄介なものもいるため、早めに対処しましょう。
カーリー(セイタカイソギンチャク)
カーリーは海水魚水槽に発生する厄介者として有名です。
繁殖力が強いだけならまだ良いのですが、毒がありサンゴなどの毒に弱い生体に悪影響を与えてしまいます。一般的な対策として、ペパーミントシュリンプに捕食してもらう駆除方法があります。
この他にもカワハギの仲間やカゴカキダイが捕食することがありますが、サンゴを食べてしまうこともあるので投入する際は要注意。カーリーに効果的な薬品もあるため、ペパーミントシュリンプなどでの駆除が難しい場合は検討してみてください。
ウミケムシ
その名の通り毛虫のような外見のウミケムシは毒があるものの、魚に悪影響となることはありません。
むしろ、ゴカイ類と同様、底砂に溜まった有機物を食べてくれる有難い存在ともいえます。しかし、見た目が非常に悪く嫌悪感を抱く人も少なくありません。ライブロックに潜んで水槽に侵入することが多いので、絶対にキュアリングしましょう。
また、定期的に掃除することで清潔な環境を保つことも重要です。ベラ系は好んで食べてくれるので、数が多い場合は導入するのも良いでしょう。
まとめ:熱帯魚水槽の害虫を撃退!貝や虫などの入り込みやすい種類と駆除法を解説
熱帯魚水槽に現われる害虫は大きな被害をおよぼすケースは滅多にありませんが、大繁殖して見た目が著しく損なわれることも少なくありません。
きれいな水槽を眺めたいのに、害虫が動き回っているとそれだけで気分を害されます。そうならないためには早期発見と対処がとても重要です。もし、発見してしまった場合はここでご紹介した駆除方法を参考にしてみてください。

トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。
コメント
我が家の水槽にはトビムシが発生して困ってます。何か駆除方法はありませんか?
トビムシ自体に害はないのですが、気持ちの良いものではないですよね…。
ガムテープで捕獲するのが一番楽です。水面の境目に良く発生するので、清掃に力を入れても良いですよ。