魚の食べ残しやコケを食べてくれるなど、水槽のお掃除役として大変重宝されるエビ類。
しかしエビの仲間は魚と比べて水質の変化に弱く、すぐに死んでしまったりうまく繁殖できないといったトラブルに見舞われることも少なくありません。
今回はそんなエビ飼育によくある悩みとその対処法について、10個の項目に分けてわかりやすく解説していきます。
これからエビ水槽を始めようと考えている方やエビの飼育で悩んでいるという方は、是非このページをお役立てくださいね。
エビ水槽のトラブル10個を動画で見る!
この記事の内容は動画でもご覧いただけます。
エビ飼育で起こりがちなトラブルと対策を音声付きでわかりやすく解説しています!
トロピカではYouTubeチャンネル『トロピカチャンネル』を公開しています。
エビや熱帯魚飼育のヒントや、おすすめの水草、メンテナンス方法までを動画でわかりやすく解説しています。
チャンネル登録をぜひお願いします!
エビ水槽のトラブル10個
今回はエビ水槽にありがちなトラブル10選ということで、
- エビが死んでしまう
- エビが繁殖しない
- 水温が上がりすぎてしまう
- 水温が下がる、安定しない
- 脱皮不全がおきた
- 稚エビが育たない
- エビが増えすぎた
- アオコが発生した
- 水換えをしたら暴れている
- 稚エビがいるので掃除できない
これらの項目についてその解決策をわかりやすくご紹介していきます。
思い当たるトラブルがあるという方やこれからエビの飼育を始めたいと考えている方は、これから解説する対処法をしっかりと確認しておきましょう。
トラブル1:エビが死んでしまう
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=OstmE-Jy0gw&w=560&h=315]
まずはエビか死んでしまうというトラブルについて。
根本的な解決法ですが、購入時に状態の良い個体を選ぶことが何よりも大切です。
お店でエビの状態を見てから購入する場合は、じっと固まって動かない個体やせわしなく動いていて落ち着きがない個体は避けておいたほうが無難です。
餌にすぐ寄ってきたり、手を動かしてコケを食べているような元気な個体を選びましょう。
また、酸欠や水質の変化に弱いエビは水槽導入時の水合わせを慎重に行なう必要があります。
動画で解説しているようにエアレーションを効かせた容器に一旦移し、スポイトで徐々に水質を合わせる方法がおすすめです。
トラブル2:エビが繁殖しない
次にエビが繁殖しないというトラブルですが、雄雌で入っているかをまず確認しましょう。
鼻先から伸びる第一触覚が長くシャープな体型をしているのがオス、触覚が短く腹部に丸みがあるのがメスです。
また、エビは適正な水温でないと繁殖活動を始めない傾向にあります。
水温は20~25℃、pHは6.0~7.5を目安に、水質を安定させておきましょう。
トラブル3:水温が上がりすぎてしまう
エビに限ったことではありませんが、水温が生き物の適水温よりも上昇してしまうと体力を奪われ死に至る場合があります。
水温が上がりすぎてしまうときは水槽を置いている部屋全体をエアコンで管理したり、水槽用のクーラーを導入するなどして対処しましょう。
水槽用クーラーは冷却方法によってペルチェ式とチラー式の2種類に分けることができますが、水槽の大きさが60cm以下であれば比較的安価で静かなペルチェ式のものがおすすめです。
トラブル4:水温が下がる、安定しない
水温の低下に関しては、水槽用のヒーターを取り付けるのが得策です。
ご紹介しているテトラ ICサーモヒーター 100W カバー付き IHC100はサーモ一体型のため、20~30℃と幅広い設定温度の中から好みの温度にコントロールが可能。60cm以下のエビ水槽にぴったりの商品です。
エビは1日の水温変化が2~3℃前後するとかなりの体力を消耗してしまうので、クーラーやヒーターを活用して水温を安定させましょう。
トラブル5:脱皮不全がおきた
エビは甲殻類の仲間ですので、脱皮を繰り返して成長します。
ただし水中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが不足すると脱皮不全を起こしてしまうので、添加剤を使用して水質を整えましょう。
添加剤としておすすめなのが、シラクラ シュリンプミネラル Ca+という商品です。
ただしミネラルを添加しすぎると軟水を好む水草が溶けてしまいますので、少量ずつ様子を見ながら添加しましょう。
トラブル6:稚エビが育たない
飼育したエビが産卵したものの、稚エビがうまく育たないというトラブル。
こちらも結構多い悩みです。
孵化したばかりの稚エビとても小さいため、他の魚や親エビに食べられてしまうことがあります。稚エビ自体が他の生き物に餌をとられ、うまく食べられないといったトラブルもありえますので、まずはメスの抱卵を確認したら産卵用の水槽に移してやりましょう。
卵を放出したらメスを元の水槽に戻し、卵だけ隔離して育てるのがおすすめです。
ただしヤマトヌマエビを育てるには塩分2.5%程度の濃度の汽水(海水70%+淡水30%)が必要になりますので、あらかじめ準備しておきましょう。詳しくはこちらの記事で解説しています。
トラブル7:エビが増えすぎた
エビの繁殖を目指している方にとっては羨ましい限りですが、エビが増えすぎるといったトラブルも多く見受けられます。
この場合は近くのアクアリウムショップで引き取ってもらったり、里親を募集してみるのはいかがでしょうか?
ショップに持ち寄る際は、引き取ってもらえるかどうか事前に確認しておくとスムーズです。
トラブル8:アオコが発生した
飼育水の富栄養化が進むと気になってくるのが、アオコの発生です。
アオコの原因は植物プランクトンのためエビには害がありませんが、緑色に染まった水槽は見栄えが良くないですよね。
気になる場合は水槽の照明時間を短くしたり、殺菌灯を設置して対策をしましょう。
殺菌灯には汚れやコケの胞子、微生物を分解・殺菌する効果があるので、飼育水をより美しく保つことができます。
トラブル9:水換えをしたら暴れている
水換えをした直後にエビが暴れるような場合は、水質の急変に耐えきれず苦しんでいる可能性が考えられます。
エビはpHの変化にも弱いので、飼育水と交換する水のpHは調整剤などを使用して一致させておきましょう。エビの飼育でpH測定はかなり重要です。
また、飼育水は生体の排泄物や残った餌などの影響で水質が変動してしまうため、吸着系ソイルを使用して水質を維持することも有効です。
トラブル10:稚エビがいるので掃除できない
稚エビがいる水槽は網で稚エビをすくい出したり、プロホースやソイルの目詰まりクリーナーなどを使って掃除をしましょう。
万が一ホースで稚エビを吸い込んでしまった場合は、排出先のバケツから速やかに救出します。
まとめ:エビ水槽のトラブル10選!エビ飼育でよくある悩みの解決策をまとめました
泳いでいる姿や見た目が可愛らしく、水槽のお掃除役としても優秀なことから人気のエビ類。
しかしエビの仲間は水質の変化にかなり弱く、飼育にはトラブルがつきものです。
今回はそんなエビの飼育について、ありがちなトラブルと解決方法をご紹介してきました。
エビは水槽導入時や水換えのときなどに、飼育水のpHを慎重に合わせる必要があります。普段飼育しているときも排泄物などの影響で水質が変わりやすいので、吸着性のソイルを使用したり添加剤を投入するなど、水質を維持するための対策を怠らないようにしましょう。
トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!
コメント
ヤマトヌマエビを育てるには約70%程度の濃度の汽水が必要になりますので
この書き方だと塩分濃度が70%の塩水と勘違いされる。
ご指摘ありがとうございます。
修正いたしました。
すごく役立ちましたありがとうございます!
コメントありがとうございます!
お役に立てたようで嬉しいです。
これからもアクアリウム情報を発信していきますね。