熱帯魚に同じ餌を与え続けるとどうなる?!食滞・体型崩れしない給餌とは

熱帯魚が餌を食べる姿を見るのはとても楽しいものです。一日の終わりに餌をやりながら水槽を眺めて癒されている人も少なくないのではないでしょうか。そんな、憩いの時間である“給餌”ですが、実は気を付けないと魚の健康に悪影響を与えてしまうことも珍しくはありません。「健康は食事から」は人だけではなく、魚にも当てはまります。

今回は熱帯魚に同じ餌を与え続けることで起こる影響を解説しつつ、食滞・体型崩れしない給餌についてご紹介します。

同じ餌を与え続けてはいけない?

同じ餌を与え続けることはおすすめできません。それは、エサの種類や魚種によっては健康を害してしまうことがあるためです。同じ餌を与え続けると当然のことながら栄養バランスが偏ってしまいます。

そして、影響はそれだけでなく、もっと恐ろしい事態に陥ってしまう場合も。ここでは、魚の体に与える影響について、順を追って解説します。

食滞をおこす

食滞とは餌が消化できず、そのままの状態で胃にたまってしまう病気です。消化不良が悪化したイメージで、どんなに餌を食べても栄養がきちんと吸収されないため、痩せてきてしまいます。この症状は消化の悪い餌では特に顕著です。「いっぱいあげてるのに太らない」そんな時は食滞を疑いましょう。

体型崩れがおきる

金魚などの場合、同じ餌を与え続け短期間に急激に大きくさせると、体型崩れを起こすことがあります。健康に成長させるためには栄養バランスの取れた餌を適量与える必要がありますが、同じ餌では上手くいきません。

栄養バランスが偏った結果、肥満になってしまったり理想的な体形を維持できなくなったりなどする確率が上がってしまいます。魚の健康にもよくないですし、観賞魚としての魅力を損なう事態になりかねません。

飽きることがある

意外かもしれませんが魚も飽きます。特に肉食魚や海水魚が顕著で、同じ餌を与え続けると飽きて食べなくなることも珍しくはありません。空腹になったら再び食べ出すこともありますが、ひどい場合はそのまま痩せてしまい、死んでしまうことも。魚種によってはすぐ飽きてしまう場合があるため、「最近、餌食いが悪いな」と思ったら餌の種類を考える必要があります。

栄養バランスよく餌を与える工夫3つ

同じ餌を与え続けると、時によって魚の健康を害してしまいます。それでは、いつまでも健康で水槽を泳いでもらうためには、どのような点に注意して給餌するとよいでしょうか?ここでは、栄養バランスよく餌を与える工夫を3つご紹介します。

餌の種類を増やす

複数種の餌を与えることによって偏りを無くし、栄養バランスを保つ方法です。栄養タイプの異なるエサを交互に与えることで、嗜好性を損なわず栄養バランスを取ることができます。

例えば、海水魚でも人工飼料とクリルを交互に与えます。すると、魚が飽きることなく、それぞれの餌の栄養をバランスよく摂取することができます。

また、人工飼料は栄養面を考慮して作られているため、栄養バランスと含有量がとびぬけており、非常に効率のよい餌です。そのため、バランスをとるのであれば、人工飼料を中心とした給餌をおすすめします。しかし、だからと言って上記のように同じ餌ばかり与えると、食滞などの問題が起きることがあるため、気を付けましょう。

食いつきが悪いときは生餌を使う

栄養バランスに優れた人工飼料にも欠点はあります。それは、“動き”がないこと。自然下で動物性の餌を食べている魚は、動きに敏感に反応します。当然ですが、人工飼料は動かず、外見も自然下の餌には似ていません。そのため、次第に食いつきが悪くなってしまったり、そもそも見向きもしなかったりなどする魚もいます。

そのような場合は、生餌をプレ餌として与えるとよいでしょう。しかし、生餌ばかりだとどうしても栄養が偏るので、食いつき具合が回復したら人工飼料も少しずつ給餌します。

時間ごとに与える餌を変える

栄養バランスよく給餌するために、餌を与えるタイミングで種類を変える、というのもよい方法です。例えば、1日3回給餌する場合、1回目を人工飼料、2回目をクリル、3回目を冷凍餌、といったように種類を変えて与えることで栄養バランスを保つことができます

また、1回の給餌で複数種の餌を与えることで偏食対策にもなります。初めに嗜好性の高い餌を与え、その直後に飽きて食べにくい餌を給餌することによって、何事もなかったかのように食べることがあります。これは、一度餌を口に入れることで食い気が立つためです。

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この方法は生餌から人工飼料に慣らしたい場合にも効果的です。生き餌を与えた直後に人工飼料を給餌することで、嗜好性の低い人工飼料に餌付かせられる場合があります。

餌の消費期限にも気を付けよう

意外と意識している人が少ないのが「餌の消費期限」です。餌を複数所持していると、消費期限の管理が面倒になりがち。しかし、酸化した餌は病気の原因にもなります。過ぎたからといって、すぐに影響が出ることはありませんが、あまりに品質の低下した餌を与え続けると成長不良につながる場合もあるため、避けた方が安全です。

また、保管環境によっては消費期限内であっても品質が著しく低下することがあります。できるだけ高温多湿、直射日光を避け、密閉容器などに入れ冷暗所に保管するようにしましょう。「冷蔵庫で餌を保管している」という話を耳しますが、温度差によって結露し、かえって悪くなってしまうのでおすすめしません。また、開封時期を記入したり、開封後はできるだけ早く使ったりなどするとよいでしょう。

まとめ:熱帯魚に同じ餌を与え続けるとどうなる?!食滞・体型崩れしない給餌とは

魚の栄養バランスは案外ないがしろにされがちですが、健康を保つためにはとても重要です。自然下ではさまざまな餌を食べることができるのに対して、飼育下ではどうしても偏ってしまいがち。複数の餌を状況に合わせて使い分けることは面倒で手間もかかります。

しかし、手をかければかけるほど、魚もこたえてくれます。体格よく色鮮やかな姿を見せてくれるはずです。なにより、長生きして憩いの時間を与え続けてくれることでしょう。

 

 

2件のコメント

  1. ゴーン より:

    ネオンテトラを買っています。餌はテトラミンだけですが、大丈夫でしょうか?

    1. 中島 より:

      テトラミンはバランスよく栄養が配合されていますが、
      気になるようでしたら冷凍赤虫を与えてみると良いですよ。

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