アクアリウムでは水槽に目がいきがちですが、実はその下の水槽台も重要な存在です。重量のある水槽を支えるのはもちろん、アクアリウム全体の見た目にも大きな影響を与えます。そんな欠かせない存在とも呼べる水槽台は高さが変わることによって、特性も大きく異なります。
設置場所によっては高いものが最適な場合もありますし、低いものが重要視されるパターンも少なくありません。
そこで、今回は水槽台の高さによるメリット、デメリットをご紹介しつつ、目的や設置場所ごとに最適な高さを解説します。
水槽台は高さが大切!
水槽台は高さが大切です。水槽台の高低によって見え方が大きく変わるため、状況にあった水槽台を選ぶことで水槽をより魅力的に演出することができます。また、耐震性にも関わってくるので、100kgを超えることも珍しくない水槽の安全性を保つためには軽視できません。
ここでは水槽台の高さが与えるイメージの変化と耐震性について解説します。
水槽全体のイメージが変わる!
水槽は設置場所の高さによってイメージを変えます。高ければ目線と同じ、もしくは見上げる形となりますし、低ければ見下げることになるでしょう。たったそれだけのことに見えるかもしれませんが、水槽の見え方には大きな違いが現れます。
そのため、水槽を配置する水槽台は観賞性や演出性を決める大きな要因といっても過言ではありません。アクアリウムでは水槽とそれに適した水槽台が合わさって初めて素晴らしい空間が生まれます。
耐震性も変化
高さによって耐震性が変わる場合があります。これはアスペクト比が変化することで、地震による揺れの影響を受ける度合いが変わるためです。水槽のサイズや形状にもよりますが、高ければ高いほど地震の影響を大きく受け倒れるリスクが高まります。
重量のある水槽が転倒すれば大怪我につながっても、おかしくありません。心配であれば地震対策をおすすめします。
ハイタイプ水槽台について
ハイタイプ水槽台は通常の水槽台よりも高さの高い水槽台を指します。水槽を高い位置に配置できるため、奥まで見えにくく、レイアウトによってはとても広い空間を演出することが可能です。
この他にもメリットがありますし、もちろんデメリッットも存在します。順を追って解説しますね。
メリット・デメリット
ハイタイプ水槽台には「立っている人が観賞しやすい」といったメリットがあります。水槽の位置を人が立った際の目線に合わせられるので、いちいち姿勢を下げる必要がありません。
また、配置する場所によってはパーテーションのような役割も期待できます。他にも、広い空間を活かして台の中に飼育器材やろ過槽、クーラーなどを収納することも可能です。大型のろ過槽やクーラーが必要な場合はハイタイプ水槽台をおすすめします。
デメリットは振動・地震に弱い点です。高さがあるので、衝突や地震による影響を受けやすく転倒のリスクが高まります。また、メンテナンスの際に手が届きにくいため、思うように掃除できないことも。高さのある水槽だとなおさらです。そのような場合でもスクレイパーがあれば効率よくメンテナンスできます。
カウンターやエントランスにおすすめ!
ハイタイプ水槽台はその高さを活かして、カウンターやエントランスなど、特に大人が多く利用する場所におすすめです。自然と視界に入る高さにあるため、話題にもあがりやすくなり、緊張をほぐす効果も期待できます。
また、広い収納スペースによって飼育器材や餌、配線などを隠せるので、スマートな印象の空間になります。かしこまった場所にはハイタイプ水槽台がよいでしょう。
東京アクアガーデンが設置したハイタイプ水槽台の事例です。(外部サイトが開きます)
水槽台についてはこちらもご覧ください。
ロータイプ水槽台について
ロータイプ水槽台は一般的な水槽台よりも高さが低いです。その低さは状況によってメリットにもデメリットにもなり得ます。それはいったいどのような状況でしょうか?
メリット・デメリット
メリットは着席している人や子供が観賞しやすい点です。特に子供の場合は姿勢を変えても高さに限界があるので、水槽が高い位置にあると非常に見えにくくなってしまいますが、ロータイプであればその心配もありません。
メンテナンスの際も手が届きやすいので、苦労することなく掃除することができます。また、安定感があるため、振動や地震の影響を受けにくいです。地震だけでなく、子供が衝突した場合にも転倒のリスクが低いことから安全性を確保することができます。
一方で遠くから観賞しにくいというデメリットも。また、奥まで見通せてしまうため、奥行きを出しにくいことから、レイアウトを工夫しなければ圧迫感のある水槽になってしまいます。さらに、水槽台内部のスペースがあまり広くないので、大型のろ過槽やクーラーは収納できない場合があります。特にオーバーフロー水槽の配管を組み立てる際は注意しましょう。
病院や幼稚園におすすめ!
ロータイプの水槽台は幼稚園や学校、病院(待合室)など、観賞者の背が低かったり、座っている方が多かったりなどする場所におすすめです。特に子供が多い場所では遊びに夢中になると周囲が見えず、水槽にぶつかってしまうことも考えられます。
水槽が転倒すると怪我につながってしまうので、安定感のあるロータイプがおすすめです。また、水槽台の角にぶつけて怪我をしないよう、コーナーガードを装着するとより安心です。
東京アクアガーデンが設置したロータイプ水槽台の事例です。(外部サイトが開きます)
ロータイプ水槽台についてはこちらもご覧ください。
まとめ:水槽台の高さを考える!目的別・設置場所別・高さのメリット、デメリット
水槽台は水槽を置くためだけにあると思われるかもしれませんが、それだけではなくとても多くの役割を担っています。ハイタイプ水槽台は観賞性が高い反面、安定性がいまいちでメンテナンスもしにくいです。
一方、ロータイプ水槽台は安定性があるものの、観賞性を確保しにくかったり、収納スペースに難があったりなどそれぞれメリット、デメリットがあります。大切なのはその特性を考慮して水槽台を選ぶことです。
どんな水槽をどういった場所に、どのような鑑賞者に見てもらいたいのか。それさえはっきりしていれば、水槽台選びは難しいことではありません。その空間に合った水槽台は水槽をなん倍も綺麗に引き立ててくれることでしょう。
トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。