縄張り意識が強く、気性の激しいベタは単独飼育が基本です。でも同じベタでもおとなしい子も存在します。ベタの飼育に慣れてくると、やはり他の生き物と同じ水槽での飼育を試したくなる人もいることでしょう。
今回はベタと一緒に飼育できる生き物についてお話します。
▼ベタに関してはこちらもご参考にしてください。
ベタと同じ水槽で飼育できる魚や生き物を動画で紹介!
この記事の内容は動画でもご覧いただけます。
自宅で楽しいひと時を過ごすため、ますます人気になってきた『アクアリウム』の中でも特に人気急上昇中のベタ。
他の魚、生き物と混泳するのは難しいといわれていますが、実は混泳できる生体もいます。
こちらの動画ではベタと同じ水槽で飼育できる生体と混泳のコツ、ポイントを解説しています。
トロピカではYouTubeチャンネル『トロピカチャンネル』を公開しています。
アクアリウム運用のコツやメンテナンス方法、熱帯魚の飼育方法を動画で解説しています。
ベタは自分と似た姿の魚を攻撃しやすい
縄張り意識の強いベタは同種族間でも激しく攻撃します。またベタ以外の熱帯魚でも自分と姿の似た魚に激しく攻撃する傾向が見られます。
ただし、ベタは泳ぎのスピードがかなり遅いため他の熱帯魚を追って攻撃する事はあっても、相手の動きが早いため殺すまで追い詰めるのはそう多くはないようです。
そのためベタのようにヒレが大きい熱帯魚、たとえばグッピーなどは避けた方がよいでしょう。
▼グッピーに関してはこちらもご参考にしてください。
気性の激しさには個体差がある
↑こちらは「ベタ・トラディショナル」といわれる非常に優雅で美しく人気の高い種類のベタですが、やはり他種と同様に気性は荒いです。
しかしベタという種類は気性が激しいのが特徴といっても、やはり人間や犬・猫のような動物と同じで、その性格も1匹ごとに異なります。
他の熱帯魚やエビなどとの混泳を考えるなら、まずベタの性格をよく知ることが大切です。おとなしいベタなら他の熱帯魚との混泳も可能になります。
▼混泳に関してはこちらもご参考にしてください。
肉食系や縄張り意識の強い熱帯魚との混泳はNG!
↑アベニー・パファーなど肉食傾向の強い熱帯魚や他種のヒレをかじるクセのある熱帯魚、また縄張り意識が強いアカヒレ、ベタのように気性が荒い一部のラスボラやカラシンの種類などは混泳に向いていません。
意外に思うかもしれませんが、食べないまでも、グッピーやモーリーなどは興味があってオスのヒレを突っついてボロボロにしてしまうことがあります。
気性の荒い熱帯魚や縄張り意識の強い種類に関しては、話すまでもなく自分のテリトリー内に入ってきた熱帯魚を攻撃してしまうのでベタとの混泳に向いていません。
ベタにとってエビは餌!
混泳を考えると、水槽内の掃除やコケの防止を考えてエビを入れることを考える人も多いと思います。
残念ながらベタにとってエビはただの餌にしか見えないため、同じ水槽に入れると高確率で食べられてしまいます。どうしてもエビを入れたいという場合には水草などで隠れ家を作ってあげましょう。
また、貝類は食べないまでもベタが興味を示して突っついていじめしまうことがあるため、貝類も同じ水槽にいれるのは避けた方がよいですね。
▼エビとの混泳に関してはこちらもご参考にしてください。
ベタと他熱帯魚の混泳時に注意したいこと
ベタと他熱帯魚の混泳では注意したいことが5つあります。
ほんの少し気を付けるだけなのでそう難しいことではありません。
最低でも45センチ以上の水槽で混泳を!
ベタはラビリンス器官とよばれる器官をエラに持っており、空気中から直接酸素を取り込むことができる不思議な魚です。
そのためフィルターやエアレーションは必要なく、小さな容器でも飼育できますが、他の熱帯魚との混泳となると事情が変わってきます。
小さな水槽にベタと小型の熱帯魚を数匹だけでも割と窮屈な環境になってしまいます。
それぞれのテリトリーを確保し喧嘩の回避や熱帯魚のストレスを軽減するためにも、混泳をするなら最低でも45センチ水槽での飼育がおすすめです。
▼ストレス対策に関してはこちらもご参考にしてください。
最初は仕切り板を使って様子を見る
ベタとの混泳水槽だからといきなりベタを他の熱帯魚の中に放つのはNGです。
ベタを他の熱帯魚と混泳させる場合は、まず透明な仕切り板を入れたりプラケースにベタを入れてベタの様子を見ましょう。ベタが近くを通りかかった熱帯魚にすぐ突っかかっていくようなら、混泳は無理だと思ってください。
岩や流木のレイアウトに注意
グッピーなどは比較的体が小さいためあまり大きなヒレを岩や流木に引っ掛けて傷つけてしまうということはありませんが、ベタのオスの場合、大きなヒレを岩や流木にひっかけてしまうことがあります。
他種との混泳時にレイアウトもこだわる人が多いと思いますが、流木や岩のセッティング時の高さや位置に注意してあげてください。ベタは上層部にいることが多いので高さは低めにしたほうが、ヒレを傷つけにくいです。
▼流木に関してはこちらもご参考にしてください。
隠れ場所を作る
これはベタ・他の熱帯魚どちらでもいえることですが、万が一水槽内で喧嘩などが始まった時に隠れ場所がないと、どちらかが傷ついて死んでしまったり、ヒレがぼろぼろになるなどといった状況に陥ることがあります。
被害を最小限に抑え、熱帯魚のストレスを抑えるためにも柔らかい水草や、下記リンクのようなヒレの引っかかりにくそうな隠れ家などで隠れ場所を作ってあげて下さい。
▼隠れ家に関してはこちらもご参考にしてください。
フィルターの水量を調節する
ベタは自然界では水流の弱い場所に生息している熱帯魚です。人工ふ化して育てられたベタも流れのない水の中で飼育されているものがほとんどなんですよ。
大きなヒレを持つオスはそのヒレのせいで泳ぎが苦手。一般家庭の水槽に設置するろ過フィルターの水流ですら強い場合があります。
水流が強いと体調を崩してしまうこともあるので、ベタと他種の混泳時にはフィルターの水量を弱く設定するようにしましょう。
ベタは餌を食べるのが遅い
単独飼育しているときには全く問題にならない餌ですが、他種との混泳となると事情が変わってきます。
ベタは動きが遅い熱帯魚で、餌を見つけた時の反応は早いのですが食べる速度が遅いのです。そのため混泳水槽になると他の熱帯魚に餌を取られてしまう場合があります。
水深が深い水槽や水流が強い場合には、餌にたどり着くことができないなんてことも。
餌やりのときはベタがちゃんと餌を食べているか観察してみることも必要です。
ベタと混泳可能な生き物
それではここからは比較的性格が大人しく、ベタと混泳可能な熱帯魚をご紹介しましょう。
ただし、ここで紹介する熱帯魚も、ベタの性格によっては攻撃する可能性もありますので、水槽内で小競り合いが絶えないようなら諦めて別々の水槽で飼育してあげてください。
ネオンテトラ
ネオンのように美しいネオンテトラですが、比較的温和な性格で混泳向きです。しかし水槽内に入れた子の性格などにもよりますが、ベタと一緒にしてからしばらくは、ベタに興味を持って追いかけ回すことがあったり、動きが早いためベタから餌を奪うこともある点に注意が必要です。
▼ネオンテトラに関してはこちらもご参考にしてください。
オトシンクルス
水槽内のコケ対策として知られるオトシンですが、普段は水槽の壁面に吸盤状の口でくっついているためベタを攻撃することがありません。またベタがオトシンを攻撃することも少ないようです。
▼オトシンクルスに関してはこちらもご参考にしてください。
コリドラス
水槽内の掃除屋として知られるコリドラスは、水槽の底層を泳ぐ熱帯魚です。ベタは中~上層を泳ぐ熱帯魚なのでまず泳層がかぶることがなく、喧嘩になる事がありません。ただ稀にベタがコリドラスを突っついてしまうことがあるので、コリドラスの隠れ場所は用意した方がよいでしょう。
▼コリドラスに関してはこちらもご参考にしてください。
クーリーローチ
コリドラスと同じく水槽内の掃除屋として知られているドジョウ科の熱帯魚。泳層はコリドラスと同じく底層ですが、クーリーローチは砂に潜る習性があります。
短い口髭にくりくりした目がとても愛らしい熱帯魚で、細長い体をくねらせて泳ぎます。
▼クーリーローチに関してはこちらもご参考にしてください。
ベタと一緒に飼える生き物は何がいる?まとめ
ベタは気性が荒い点とオスはその大きく美しいヒレがネックとなって他の熱帯魚との混泳が難しい熱帯魚です。
水槽の中~上層を泳ぐベタと水槽の底層を泳ぐドジョウ系の熱帯魚であるコリドラスやクーリーローチは喧嘩したり、ベタが追い回すことも少ないため相性がよいようです。
混泳はベタの個体の性格にも左右されることが大きいため、他の熱帯魚との混泳を考えるときには性格のおとなしいベタを選ぶこと、また熱帯魚のストレスや喧嘩防止のため隠れ場所を作る、また水流や餌についても気遣うことがポイントとなります。
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コメント
ショック…似た容姿の魚を攻撃しやすいんですか…
ベタ2匹買おうと思ったけど、無理やな〜
そして昨日ヤマトヌマエビを買った…
ベタは闘争本能が高い魚ですので、オスは単独飼育がおすすめですよ。
メスなら混泳できますが、エビは残念ながら食べられてしまう事がありますね…。
私は今ベタを買っていいます。誕生日の日にベタなどと一緒に買える生き物が欲しいなあ・・・っと思っていました。でもこれを見て良く参考になりました!
ベタと飼いたい魚がいました!