熱帯魚を飼育していると、生体が病気にかかってしまったり弱っているような仕草を見せることがありますよね。
魚が弱る原因の多くは水質悪化が関係していますが、その他にも水流の強さや生体同士のケンカなど、思わぬ要因によって魚が調子をくずすことも少なくありません。
そこで今回は「飼育している魚が頻繁に体調を崩してしまう」とお悩みの方のために、魚が弱る主な原因と正しい対処方法についてご紹介をしていきます。
熱帯魚の性質をしっかりと学んで、病気を未然に防ぎましょう!
熱帯魚が弱った時の対処法を動画で知る!
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熱帯魚が弱る原因や対策、弱らせないポイントを音声付きで解説します。
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熱帯魚が弱る主な原因は水質悪化
熱帯魚が弱る原因の多くは水質悪化が関係しているので、まずは水質悪化を引き起こす以下の3つの要因について解説をしていきます。
- フィルターの目詰まり
- 水温変化
- 餌が多すぎる・急に減らす
フィルターの目詰まり
飼育している熱帯魚が調子を崩したときにまず確認していただきたいのが、ろ過フィルターの汚れです。
皆さんはどのくらいの頻度でフィルターのメンテナンスをしていますか?
ろ過装置内に汚れや大きなゴミが溜まると、次第にフィルターが目詰まりを起こしてしまいます。
目詰まりしたフィルターを使い続けるとフィルター内に止水域ができ、多くのろ過バクテリアが死滅して生物ろ過が機能しなくなってしまうので注意しましょう。
フィルターの目詰まりは流量の低下にも直結するため、水質はますます悪化してしまいます。
以下に外部フィルターやオーバーフローのろ過槽、プロテインスキマーのメンテナンス方法について解説した記事を載せておくので、是非参考にしてみてくださいね。
水温変化
気候の変動による急激な水温変化も、魚を弱らせる要因となります。
特に春や秋は朝晩冷え込む割に日中は猛暑となることも少なくないので、水槽用のヒーターとクーラーは常時稼働させておいた方が安心です。
水換え時も飼育水と新しい水の水温を一致させ、水温が変動しないように配慮しましょう。
餌が多すぎる・急に減らす
餌が多すぎるとフンが増えたり、食べ残された餌からは過剰な養分が溶け出して水質が悪化します。
また、欲しがるからと言って餌を与えすぎると消化不良などを起こし、生体の寿命を縮めかねません。
おやつやご褒美は程々にして、与える餌の量を調節しましょう。
想定量の半分くらいでも魚は問題なく長生きしてくれることが多いです。
しかし、餌の量を急激に減らすことも魚にとってはストレスにつながります。
病気でない限りは極端に餌を減らすようなことはせず、少なめの量を同じペースで与え続けることが消化不良にしないコツです。
淡水熱帯魚を弱らせないポイント
ここからは淡水魚や海水魚を弱らせないポイントについて、水質悪化とは別の視点から解説していきます。
まずは淡水熱帯魚を弱らせないコツということで、
- 小型淡水魚は水流を控えよう
- 中型淡水魚は導入数に注意
- 大型淡水魚はフンの処理を徹底しよう
これら3つの要点について掘り下げていきます。
小型淡水魚は水流を控えよう
観賞用として販売されている小型の淡水熱帯魚は、それほど水流の強いところには生息していない種類が多いです。
例えば定番のネオンテトラやグラミー、メダカも強い水流を好みません。
それらのお魚を水の流れが早い水槽に導入すると泳ぎ疲れて弱ってしまいますので、体力を消耗しない穏やかな水流を意識したレイアウトにしましょう。
エアーポンプの流量を調節したり、フィルターの排水口にフローパイプを取り付けるのがおすすめです。
中型淡水魚は導入数に注意
中型魚は導入当初は小さくても、成長とともに予想を超えたサイズになることがあります。
「コケ取り要員として入れたプレコが巨大化」
「お祭りですくった金魚が大きくなって水槽を圧迫・・・」
これらは結構起こりうる話なので、魚を飼育する際は最大サイズを調べ、その上で水槽のキャパシティに合った匹数を飼育しましょう。
大型になる金魚であれば、20Lにつき1匹の飼育密度が適切です。
大型淡水魚はフンの処理を徹底しよう
アロワナやポリプテルスをはじめとする大型魚は大食漢で、フンが大きいものが多いです。
フンの処理に特化した専用の器具として、フィッシュレットというろ過フィルターも存在します。
しかしこれだけでは水質を保つことは難しいため、大型魚を飼育するならこまめに水換えをして水質悪化を防ぐことが大切です。
フィルターの目詰まりをチェックするなど、日頃のメンテナンスで水質を保ちましょう。
海水熱帯魚を弱らせないポイント
続いては海水熱帯魚を弱らせないコツとして、
- 海水魚はいじめ・ケンカに気を付けよう
- 水流は適度に保つ
- 餌が食べられているか確認しよう
これら3つのポイントを解説していきます。
海水魚はいじめ・ケンカに気を付けよう
海水魚は淡水魚と比べると気性が荒く縄張り意識の強い種類が多いため、かなりの確率でいじめやケンカが問題になります。
魚同士の相性や遊泳層、水槽内の匹数が適切かどうかを事前に確認してから水槽に導入しましょう。
ちなみに東京アクアガーデンで海水魚水槽を立ち上げる際は、魚の数をやや過密気味にしています。
多くの魚を導入することで、いじめの対象となる魚のターゲットを絞り込ませないようなイメージです。
水質の維持やろ過に気をつかうので初心者の方にはおすすめできませんが、海水魚水槽の管理に慣れてきたら少し多めに魚を入れてみるのも良いかもしれません。
水流は適度に保つ
海は川や池と異なり常にランダムな水流が発生しているため、海水魚も水流が無いと飼育ができません。
水槽内によどみがないかをしっかり確認し、生体に適した水流を作りましょう。
ご紹介している商品はポンプにコントローラーが付属していて、ボタンひとつで自然の潮の流れに近いランダムな水流を生み出すことができるのでおすすめです。
餌が食べられているか確認しよう
海水魚の死因としては、餌をきちんと食べられないことによる餓死も多いようです。
与えている餌の量は適切でもそのほとんどを気の強い魚たちが食べてしまい、臆病な魚はまったく餌にありつけないということも頻繁に起こります。
飼育している魚たちがきちんと餌を食べているか確認し、あまり食べてない魚がいればその魚の前で餌を放つなどの配慮をしてやりましょう。
スポイトを使うと気の弱い魚にもきちんと餌を与えることができるのでおすすめです。
混泳相性を重視して導入しよう
淡水も海水も、混泳させるなら魚の相性を第一に考えましょう。
遊泳層が被らない組み合わせにしたり気の強い魚を最後に導入するなどの配慮をすることが大切です。
魚種同士の長所や短所を踏まえたうえで、計画的な導入をおすすめします。
まとめ:熱帯魚が弱った!よくある原因と対処!魚の性質を知って長生きさせよう!
魚が弱ると真っ先に病気や水質の悪化を疑いたくなります。
もちろんそれらが原因で調子を崩していることが多いのですが、水流の強さや混泳相手との相性が合わずストレスを抱えてしまっていることも少なくありません。
魚の調子が悪いときは何が原因なのかをきちんと判断し、適切な対処をしてやることが早期回復につながります。
正しい判断をするためにも魚の性質をしっかりと理解して、丈夫で長生きな魚に育て上げましょう!
トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!
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