屋外飼育で冬を迎える際は、メダカを冬眠させる必要があります。
しかし、メダカは水温が低下すると代謝が落ち餌を食べなくなるので、飼育水の凍結や栄養不足で死んでしまうことも。春~秋のような活発に動き回る季節とは違った管理方法が必要なことから、戸惑ってしまう初心者の方も少なくありません。
そこで、役立つのが「メダカの冬眠を助けるグッズ」です。
発泡スチロールの飼育容器やすだれ、水草などがあればメダカが無事に冬を越えられる確率が高まります。
今回は、初心者の方でも安全に冬眠させられるよう、メダカの冬眠におすすめなグッズを5つご紹介します。
メダカの冬眠におすすめなグッズ5選
メダカを冬眠させるためには、「低温対策」と「寝床・隠れ家」が欠かせません。
そこで役立つのが下記の5つです。
- 発泡スチロール
- すだれ
- 木の板
- 低水温に強い水草
- 流木などの隠れ家
水温の低下を抑えて飼育水の凍結を防いだり、安心して冬眠できる寝床や天敵から身を守る隠れ家になったりするので、屋外飼育で春を迎えさせたい場合にはおすすめのグッズです。
発泡スチロール
発泡スチロールが材料の飼育容器は外気の影響を受けにくいので、水温の急変や飼育水の凍結を和らげることができます。
ホームセンターなどで購入できる保冷用のものでも十分ですが、メダカ飼育専用の製品であれば、サイズ・形状ともにおすすめです。
容器を選ぶ際は、飼育水が全面凍結しないように水量を確保できる深い形状のものを選びましょう。仮に水面が凍結したとしても水の底が凍っていなければ、メダカは低層に潜んで春を迎えることができます。
発泡スチロールの容器は冬だけでなく、夏の水温の上昇を抑える効果も期待できるので、通年使用することができます。ただ、強度は高くないため、たくさん水が入った状態で持ち上げたり、物をぶつけたりしないように注意してください。
すだれ
すだれは、夏の日差しを遮り水温の上昇を防ぐイメージが強いですが、冬の低水温対策でも効果を発揮します。
飼育容器の上部や側面に設置することで、冷たい風を防ぐことができます。屋根のように高く持ち上げて風を受け流すようにするとより効果的です。
飼育容器ぴったりのサイズでは持ち上げた際にはみ出してしまうため、少し大きめのサイズが良いでしょう。冬が過ぎても日差しを遮ったり、雨の流入を抑えたりと何かと役に立つので、1つあっても損はない便利グッズです。
木の板
木の板を飼育容器の上部に設置することで、冷気を遮り凍結対策になります。
飼育水の凍結は基本的に表層から始まるので、木の板があるのと無いのでは大違いです。また、雪が飼育容器に入ると水温の低下だけでなく水質の変化にもつながるため、水質を安定させる効果もあります。
ただし、飼育容器を密閉してしまうと水面からの酸素供給が減り酸欠を引き起こす可能性があるので、板を少しずらすなどして隙間は確保しましょう。木の板はホームセンターなどで手軽に入手できるうえに、サイズが豊富で色々な飼育容器に使える点も魅力です。
低水温に強い水草
水草があれば、メダカが冬眠する際の寝床になります。
何も無い場所よりも身を寄せるものがある方が、安心して冬眠することができます。冬眠は長ければ12月~翌年3月まで続くので、その間のストレスは少しでも減らしてあげた方が良いでしょう。
冬眠用に水草を入れても枯れてしまっては意味がないため、「アナカリス」など低水温に強い水草が最適です。また、この後ご紹介しますが水草をたくさん入れておくことで、天敵から身を隠す隠れ家にもなります。
寒さに強い水草についてはコチラの記事も参考にしてください。
流木などの隠れ家
流木や石、人工水草などはメダカの隠れ家として最適です。
冬の寒い季節とはいえ、変わらず活動を続ける天敵(鳥類や哺乳類)は珍しくありません。
冬眠に入り身動きしないメダカは簡単に食べられてしまうため、隠れ家を入れて身を隠せるようにしてあげましょう。先ほどご紹介した水草も一緒に入れるとより効果的です。
メダカの天敵についてはコチラの記事も参考にしてください。
メダカを冬眠させる方法
メダカの冬眠で失敗しないためには、おすすめなグッズと合わせて「メダカを冬眠させる方法」を知っておくことも重要です。
春~秋の活発な時期の飼育方法とは大きく異なるので、別物と考えた方が良いでしょう。とはいえ、難しいことはなく、初心者の方でも問題なく実践することができます。
冬眠は屋外飼育の場合のみ行おう
メダカを冬眠させるのは、屋外飼育の場合のみ行うようにしてください。
メダカは5℃~10℃ぐらいの水温で冬眠すると言われていますが、室内飼育ではそこまで水温が下がることはありません。
冬眠させようと、無理に玄関や窓際などの水温が低下しやすい場所に水槽を置くことも控えましょう。中途半端に水温が下がると、メダカの代謝が落ちてしまい消化不良を起こしてしまうこともあります。
室内飼育で冬を越すときは、むしろ水温を保ちいつも通りに飼育するほうが良いです。人のいることが多いリビングなどであれば、極端に水温が下がることもなく冬眠させずに冬を越させることができます。
室内でも水温の変化が心配な場合は、水槽用ヒーターを入れることで対策可能です。
メダカの室内飼育についてはコチラの記事も参考にしてください。
水深を上げて凍結を防ごう
先ほど飼育水の凍結を抑えるためのおすすめグッズをご紹介しましたが、水深を上げることでも凍結を防ぐことができます。
メダカはたとえ表層の水が凍結しても底層でやり過ごすことが可能です。水深を深めに保つことで全面凍結を防ぎ凍死するリスクを下げられます。
また、冬とはいえ蒸発して水量が減るため、定期的に足し水をして水深を維持しましょう。
水槽の凍結防止についてはコチラの記事も参考にしてください。
グリーンウォーターが成功のカギ
冬眠は水温が下がり切る前の秋に、メダカにしっかり栄養を付けさせることで成功率が高まります。
餌を与えることはもちろんですが、飼育水を栄養豊富な「グリーンウォーター」にするのが一番です。グリーンウォーターはメダカの餌になる植物プランクトンが増殖して緑色になった水で、水中にいるだけで栄養を摂取することができます。
また、冬眠中のメダカでも多少なりとも栄養を補給しますので、グリーンウォーターは冬眠中の餌としても最適です。
グリーンウォーターの作り方はコチラの記事も参考にしてください。
改良メダカの冬眠は難易度が高い
ダルマ体系や出目のような改良メダカの冬眠は、普通のメダカより難易度が高いです。
消化器官が弱いため、気温が低下して代謝が落ち消化不良になることがあります。リスクを承知で冬眠させるかどうかは飼育者次第ですが、より安全に冬を越させたい場合は室内飼育で加温する方が良いでしょう。
改良メダカについてはコチラの記事も参考にしてください。
まとめ:メダカの冬眠におすすめなグッズ5選!初心者でもメダカを冬眠させるには
冬眠はメダカにとって一大行事です。
飼育水の凍結による凍死や栄養不足による餓死など、命をおびやかす事態になることもあります。そのリスクを避けるためにも、
- 発泡スチロール
- すだれ
- 木の板
- 低水温に強い水草
- 流木などの隠れ家
といった冬眠を助けるグッズを活用してみてください。
そして、水深を上げたり、飼育水をグリーンウォーターにしたりなどして、万全を期して冬眠にのぞむようにしましょう。
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トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。