そうだ、生き物を飼おう。
そう考えたとき、思い浮かべるのはどんな生き物たちですか?
定番の犬や猫に引けを取らないほど人気が高まりつつあるのが、金魚や熱帯魚といった観賞魚の飼育。つまり、アクアリウムです。
魚たちは当然ですが、散歩に連れて行く必要がありません。
しかしそういったメリットがある一方で、魚を診察する動物病院がなかなか見つからなかったり、飼いたい魚種によっては初期費用がかなり高額になってしまうなどのデメリットがあります。
今回はアクアリウムと他のペットを比べた場合の長所と短所などを詳しく解説していきますので、これからどんな生き物を飼おうか悩んでいる方はぜひこちらのページを参考にしてください。
アクアリウムの長所!他の動物よりも飼育しやすいのか
わたしは幼少の頃から犬や猫、爬虫類や熱帯魚などさまざまな生き物を飼育してきました。
そういった経験から申し上げますと、魚は割と飼育がしやすい部類に入ります。
まずはアクアリウムの長所ということで、
- 旅行に行きやすい!
- 水槽仕様によっては安価で掃除も簡単
- 鳴き声が問題にならない
- 散歩に行かなくていい!
- ペット禁止物件でも小型水槽ならOKなこともある
これら5つのポイントを解説していきます。
旅行に行きやすい!
観賞魚の飼育は他のペットを飼うのと比較すると、旅行に行きやすいというメリットがあります。
通常、ペットを残して家を空ける場合は、ペットホテルを利用したり知人に預けておく必要がありますよね。
しかし魚の場合は誰かに預ける必要がなく、健康な個体であれば3日程度は餌を与えなくても問題ありません。
心配な場合は水に入れておくと徐々にふやけるお留守番フードや、水槽用のフードタイマー(自動給餌器)を活用してみるのがおすすめです。
水槽仕様によっては安価で掃除も簡単
生体の値段を除けば、水槽設備にかかる費用は1,000~4,000円程度で済むことが多いです。
比較的安価に始められるという点も、アクアリウムのメリットと言えます。
設備と言っても絶対に必要なのは水槽とろ過装置くらいなのですが、それらがセットになっている商品もたくさん販売されていますので、初心者の方はセットになっているものを選んでみるのがおすすめです。
簡単な作りのろ過装置(スポンジ式や投げ込み式など)であれば簡単に掃除ができますので、いつまでも美しい水槽を保つことができます。
鳴き声が問題にならない
当然ながら、魚たちの鳴き声はまったく気になりません。
ひとりでに外へ出歩いたりもしないので、たとえば猫のように家の外でトラブルを起こすようなリスクもないです。
近所迷惑になりづらいというのも、アクアリウムの長所のひとつですね。
散歩に行かなくていい!
もちろん、犬のように散歩に連れて行く必要もありません。
ただしあまりにも狭すぎる水槽で魚を飼うと、運動量が減って消化不良や肥満になる場合があるので注意しましょう。
目安としては魚のサイズ1cmに対し1L程度の水量が必要です。
たとえば全長3cmのネオンテトラを飼育するのであれば、30cm規格水槽(水量約13L)には4~5匹、60cm規格水槽(水量約60L)では20匹飼えるという計算ですね。
ペット禁止物件でも小型水槽ならOKなこともある
ペットが禁止されている物件でも、水槽で魚を飼うことに関しては許可が降りる場合があります。
一人暮らしの方でも飼育しやすいという点も、アクアリウムのメリットですね。
アクアリウムの短所!魚飼育の難点
アクアリウムのメリットをたくさんご紹介してきましたが、もちろん長所だけではなく短所もあります。
ここからは魚の飼育に関するデメリットを解説していきますので、こちらもしっかりと確認しておきましょう。
魚の病院がない!
デメリットとしてまず挙げられるのが、魚を診察できる動物病院がかなり少ないという点です。
そのためほとんどの場合、魚が調子を崩したら飼い主自身が判断して治療を行なう必要があります。
わたしたち人間は風邪や胃もたれ、切り傷などさまざまな病気や怪我をして、それぞれに合った治療を施しますよね。
それと同じように魚もさまざまな病気をわずらい、それを治すための治療薬もたくさんの種類が販売されています。
薬の使い方を間違えると魚たちをさらに弱らせてしまうこともあるため、病気の種類や程度をしっかりと見定めて正しく治療する必要があるのです。
初心者の頃は魚が弱る原因がわからず、あれこれと悩んでいるうちにパタパタと命を落としていくことも少なくありません。
病気に対する知識も身に付けなければならないというのが、魚飼育で多くの人が悩む難点と言えます。
水質維持の目安がわかりにくい
アクアリウムにおいて重要視されているのが水質の安定化、つまり魚にとって良い水質を維持するということです。
水質が安定すれば魚たちも調子を崩しにくくなりますし、反対に水質が悪化すれば魚たちが病気にかかる確率はグンと上昇します。
しかし、水質は水槽のメンテナンス(掃除)をしすぎても、しなさすぎても安定しません。
飼っている魚の種類や水槽の大きさ・ろ過装置のパワーによってベストなあんばいが変わってくるため、飼育をしながら感覚をつかむしかないのです。
水質維持の目安がわかりづらいというのも、アクアリウムにおけるデメリットに入りますね。
魚種によっては初期費用が高い
海水魚や大型淡水魚など、魚種によっては専用の高価な設備がなければ飼えない場合もあります。
高価な設備の例を挙げると、水槽用クーラーやプロテインスキマー、オーバーフロー水槽などなど。
これらの設備を買いそろえればその分初期費用が高くなりますし、光熱費も跳ね上がります。
飼育する魚種によっては初期費用が高くなってしまうのも、アクアリウムの難点ですね。
そして設備にお金をかけた生き物が丈夫な個体とは限らないので、ふとしたことがきっかけで病気になってしまう可能性も十分にありえます。
調子が悪いときにすぐ気づいてあげられるよう、日々の観察がとても重要です。
水漏れで大事故になりかねない
アクアリウム最大のデメリットとも言えるのが、水漏れによる火災、地震などによる大事故のリスクがあるということです。
なにかの拍子に水槽の水が電源タップにこぼれると漏電し火災につながることがありますし、地震の揺れで大量の水が漏れると、床や家具はもちろん階下の住居にまで被害がおよぶ場合もあります。
日本は地震大国。水槽の揺れ対策はしっかりと行ない、電源コードも水がかからない位置に取り付けましょう。
音と臭いは飼育環境による
アクアリウムで多くの方から懸念されるのが、水槽の音とニオイの問題です。
投げ込み式フィルターなどにつなぐエアーポンプからはブーンという振動音がしますし、オーバーフロー水槽ではそれなりの落水音がします。
臭いに関してはどんなにこまめに掃除をしていてもフンや餌などから独特な臭いがしますし、海水魚水槽であれば磯のような香りがしますので、そもそも魚の生臭さが苦手な方はかなり気になるかもしれません。
こうした音や臭いの問題は飼育環境による上に、人それぞれ感じ方が違います。
そのため一概には言えませんが、水槽の音も臭いもちょっとした工夫である程度防ぐことは可能です。
たとえばエアーポンプの振動音が気になる場合は下に防音シートを敷けば振動音を抑えることができますし、オーバーフロー水槽の落水音は水槽台に防音材を貼り付けることで対処できます。
水槽の嫌な臭いを解消するには、ろ過フィルター内に活性炭を入れておくのがおすすめです。
こうした工夫で水槽をより良い環境に整えていくことも、アクアリウムの楽しさのひとつだと思います。
まとめ:アクアリウムと他のペットを比べてみた!お金・手間・音など長所短所を解説
今回はアクアリウムと他のペットを比べた場合のメリットとデメリットを解説してきました。
魚の飼育は鳴き声が気にならなかったり一人暮らしの方でも始めやすいというメリットがある反面、ポンプや水の流れる音が響いたり水漏れが大事故につながるリスクといったデメリットもあります。
長所・短所だけで飼育する生き物を決めるのは難しいですが、結局のところいちばん大切なのは、飼った生き物に対してどれだけの愛情が注げるかということです。
「この生き物を飼うためなら、どんな難点も乗り越えられる。」そう自信をもって言えるような生き物を、ぜひ飼ってみてくださいね。
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トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!