熱帯魚の混泳とは
熱帯魚の混泳とは、異なる種類の熱帯魚を同じ水槽の中で飼育することです。
一種類だけ飼育することも可能ですが水槽内を華やかにする為や、様々な熱帯魚を飼育してみたいという想いから違う種類の熱帯魚を同じ水槽で飼育するのです。
違う種類の熱帯魚を同じ水槽で飼育することはできるのか
違う種類の熱帯魚を同じ水槽で飼育することはできます。
ただし、熱帯魚の混泳には注意が必要です。
大きく分けて同じ魚類ですが、種類によっては喧嘩をしてケガを負ったり、最悪の場合捕食されることもあります。
混泳するメリット
熱帯魚の混泳にはこのようなメリットがあります。
水槽内の色味が増えて華やかになる
一種類だけの熱帯魚を飼育している水槽もきれいですが、
異なる色味や形状の熱帯魚を入れることで様々な色の熱帯魚が泳ぐ華やかな水槽を楽しむことができます。
混泳しないと見ることができない姿を水槽でみることができる
たくさんの方にも認知されている混泳の組合せとして、「クマノミ」と「イソギンチャク」があります。
ゆらゆらと揺れるイソギンチャクにクマノミが隠れて暮らしている姿がイメージできると思います。
このように一種類だけの飼育では見ることのできなかったかわいい姿を混泳すると水槽内で見ることができます。
混泳のデメリット
熱帯魚の混泳には注意も必要です。
喧嘩をする
熱帯魚によっては縄張り意識の強い種類がいます。
その為、縄張り争いの喧嘩をしてしまいます。
喧嘩をするとヒレや体に傷ができ見た目も痛々しくなりますが、それ以上に傷口から寄生虫や病原菌が入り弱ってしまうこともあります。
熱帯魚の種類によっては相手が死ぬまで喧嘩をする種類もいます。
また、喧嘩をした際に追い回された熱帯魚が水槽から飛び出してしまうこともあります。
捕食する
熱帯魚の種類によってはいくらエサをあげていても、他の熱帯魚を捕食する場合もあります。
アロワナなど大型の肉食魚は、自分よりも小さい個体はエサとして捕食します。
その他に、フグなどの熱帯魚は自然界でエビや貝を食べる為、水槽内にコケ取り用としていれていたエビや貝を食べてしまいます。
相性のいい熱帯魚の混泳
クマノミ&イソギンチャク(海水魚)
映画の影響もあり、この組み合わせは誰もが知っているといってもいいのではないでしょうか。
実はイソギンチャクの触手には毒があり、近寄ってきたプランクトンなどの生き物を捕食します。
クマノミはイソギンチャクに隠れることで、クマノミを捕食しようとする熱帯魚からイソギンチャクに守ってもらうのです。
そして、クマノミはイソギンチャクを食べようとするチョウチョウオなどの熱帯魚を威嚇し追い払うことでイソギンチャクを守っているのです。
ハゼ&テッポウエビ(海水魚)
底砂に穴を掘って生活するハゼとテッポウエビも相性がいいです。
テッポウエビは砂を掘り、巣穴を作ります。
この巣穴にハゼとテッポウエビが隠れて生活するのです。
ハゼは周囲の監視役です。
テッポウエビは目があまりよくなく、穴から砂を掘り出す際に捕食されることがあります。
ハゼはテッポウエビの変わりに周囲を監視し、危険な際はテッポウエビに警告するのです。
ヤッコ&スカンクシュリンプ(海水魚)
ヤッコは白点病にかかりやすい為、飼育が他の海水魚に比べて飼育が難しいです。
白点病の対策として殺菌灯をつけることも一つの方法ですが、スカンクシュリンプをいれるとヤッコの体についた白点病のもととなる寄生虫などをスカンクシュリンプが食べてくれるのです。
小型の淡水魚(ネオンテトラ、ラスボラ、プリステラ、プラティなど)
淡水魚は海水魚に比べて縄張り意識も低い為、ほとんどの種類が混泳可能です。
相性のよくない熱帯魚の混泳
ハゼ&ハゼ/ヤッコ&ヤッコ/ハギ&ハギ(海水魚)
同じ水槽に同種類の熱帯魚を複数個体入れると、縄張り争いの喧嘩をします。
150cm程度の大きな水槽であれば複数個体入れても喧嘩しない場合もあります。
また、同種類でなくても似たような大きさや形、色をしている熱帯魚を同種類の個体だと思い喧嘩する場合もあります。
クマノミ ペア&その他の熱帯魚(海水魚)
クマノミはペアになると、縄張り意識が強まり住処に近づく熱帯魚を追い払うように追いかけて攻撃します。
水槽内だと逃げ場が限られている為、逃げる場所がなくなった熱帯魚が追いかけられた際に水槽から飛び出したり、ボロボロになって弱ってしまう場合もあります。
フグ&エビ、貝
フグは、エビや貝を食べる為、コケ取り用に水槽にいれておくと食べられてしまいます。
ヤッコ&サンゴ(海水魚)
ヤッコの中にはサンゴを食べる個体も入れる為、一緒に入れているとサンゴがどんどん食べられてしまいます。
大型の海水熱帯魚(ニセモチノウオ、カサゴ)
大型の海水熱帯魚は小さな熱帯魚やエビを食べる為、混泳には向いていません。
単独飼育が好ましいですが、一緒に飼育する際には食べられることを念頭に置いて飼育してください。
大型の淡水熱帯魚(アロワナ、ガー、ナイフフィッシュなど)(淡水魚)
基本的に大型魚は攻撃性が強い為、他の個体に攻撃します。
広い水槽だと遊泳域が異なる種類だと混泳できる場合もあります。
ただし、喧嘩をした際には高確率で熱帯魚が大けがをする為、飼育経験の浅い方や高価な熱帯魚を飼育している場合は混泳を避けることをおすすめします。
生き物が好きで動物関係の専門学校へ入学。
アクアリウムの飼育サークルへ入部し、アクアリウムの魅力に取りつかれる。
以降、自分の好きなものを仕事にしたいという想いからアクアリウム業界に勤めています。
自宅でも淡水魚や海水魚、サンゴなど様々な魚を飼育管理しています。実家では大型犬を4頭、出店で持って帰ったミドリガメを15年以上、家族の一員として迎え入れています。