アロワナは美しい外見と大型魚ならではの迫力を兼ね備えた熱帯魚で、「一度飼育してみたい」と憧れを抱くアクアリストも少なくありません。種類にもよりますが、高値で取り扱われることが多い魚なので、終生まで大切に育てたい、と考える人もいることでしょう。
そうなると、厄介なのが病気です。アロワナに限ったことではありませんが、魚を長期間飼育していると病気はつきもの。適切に対処しなければ死んでしまうこともあるため、シビアな問題です。
そこで、今回はアロワナの飼育に必要不可欠な病気の症状や対処方法、予防策をご紹介します。未然に防ぎたい、もしくは発症してしまった場合は参考にしてみてください。
目次
アロワナがかかる病気について
アロワナかかる病気は、他の魚種も共通のものから、特にアロワナがかかりやすいものまでさまざまです。
健康を害することはもちろんですが、観賞性も重視されるアロワナの場合は健康面に影響がなくても外見を損なってしまう病気も問題といえます。そのため、病気について知り対処方法と予防策を知っておくことはとても大切です。
ここでは、アロワナがかかる病気と対処方法についてまとめていますので、参考にしてみてください。
目垂れ
アロワナの目が下垂してしまう症状です。
原因は“底面を注視すること”と言われています。そのため、底物のプレコやエンドリと一緒に飼育すると目垂れの原因となることがあるので注意しましょう。また、水槽のライトが底面に反射することで視線がいってしまうこともあります。その場合は底面に黒い板を敷く、もしくは4面ブラック水槽の導入をおすすめします。
もし、目垂れになってしまった場合は手術によって治療できますが、高度な技術なので専門家に任せる必要があります。
カラムナリス感染症(尾腐れ病など)
カラムナリス感染症による尾ぐされ病などは、あっという間に症状が進んでしまい重篤化することもある病気です。
主な原因は水質の悪化やストレスです。そのため、発症してしまったらいち早く水換えを行いましょう。その後は薬浴になりますが、アロワナは薬の耐性が弱いので規定よりも薄めの濃度で薬浴します。
この場合は1/3程度の濃度のグリーンFゴールド顆粒による薬浴が効果的です。
エロモナス感染症(松かさ病・穴あき病など)
アロワナも松かさ病や穴あき病になることがあります。
いくつかの病気を併発してしまうこともあり、重篤化する場合も珍しくはありません。この病気も水質の悪化が主な原因なので、水換えによる水質改善が効果的です。薬浴に関しては、金魚の松かさ病の治療法とほぼ同じですが、アロワナの場合は水温を30度以上に上げて薬の濃度を弱めて治療します。
この病気の治療にもグリーンFゴールド顆粒が良いでしょう。
エラめくれ
エラが徐々にめくれあがってしまう症状です。
この病気になると見た目が悪く観賞性を著しく損なってしまいます。原因は水質悪化とストレスです。悪化させないように、こまめな水換えで対応しましょう。
また、アロワナのサイズに見合った大きさの水槽でないとストレスをかけてしまうため、ゆったりと泳げるスペースがある水槽を用意することも大切です。
白点病
他の熱帯魚と同じように“ウオノカイセンチュウ”がとりつくことで、白点病にかかることがあります。
一般的な病気ではありますが、症状の進行が速くあっという間に広がてしまう怖い病気ということを忘れてはいけません。治療法は他の熱帯魚と同じで、グリーンFゴールドやメチレンブルーなどを使用した薬浴が一般的です。こちらも薬の量は1/3程度にしましょう。
また、低水温はウオノカイセンチュウが好む環境なので、30度前後に水温を上げる方法も効果的です。
水カビ病
水カビ病は怪我やスレ傷から発症することが多い病気です。
水質が悪いと症状が悪化しやすいため、水換えをして水質改善を図りましょう。薬浴する場合はグリーンFリキッドなどを使用しますが、他の場合と同様、薬の濃度は1/3程度が良いです。
また、直接患部に付着した水カビを取り除く方法もありますが、アロワナが暴れてしまい、かえって症状が悪化してしまう場合も考えられます。無理に処置しないようにしましょう。
アロワナエイズ
アロワナエイズは進行が速く感染力が強いおそろしい病気です。
初期症状は患部がやや黒ずんで見えます。症状が進行すると鱗の下に水膨れが起き、鱗が溶けたり松かさ症状を起こしたりなど、重篤化してしまう場合もあります。感染力が強いので、購入する際に水槽全体の魚を観察して、発症している魚がいないかどうか確認しましょう。
もし、発症してしまった場合は水温を30度以上に上げ、グリーンFゴールドを既定の1/3程度の濃度にして薬浴します。
アロワナの病気予防策
アロワナのどの病気にも言えることですが、予防することが最も大切です。
病気の多くは水質の悪化が原因で発症する場合も少なくありません。そのため、日頃のこまめな掃除や水換えはとても効果的な方法といえます。手間ではありますが、定期的にフィルターや底砂の掃除をするのも大切です。
また、エラめくれや鱗からの病気を抑制するためには、エアレーション+水流を直接体に当てるよう水流を作ることで抑制できます。
病気によっては水温を上げることで予防になります。初期症状とは言わないまでも、調子がおかしいと感じた場合は水温を30度以上にして様子を見ましょう。
給餌の際にも注意点があります。
アロワナは動物性の餌を好むことから、金魚などの生き餌を与えている人も少なくありません。その生き餌が病気を持っている可能性もあるので、できるだけ信頼できる場所で購入することをおすすめします。
気になる場合は生き餌を一度薬浴すると、感染するリスクを下げられます。
まとめ:アロワナの病気と対処方法!ヒレ・目・エラめくれなど症状や予防策を解説
アロワナは寿命が長いため、10年以上もの時間を一緒に過ごすことも珍しくはありません。
長期飼育するためには病気について理解し、予防を徹底することが大切です。もし、発症してしまっても早期であれば軽度で済みます。日々、観察して体調の変化を見落とさないようにしましょう。

トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。
コメント
初めましてなかまと申します。
質問お願いします。
アロワナのほほが膨らんできているのですが病気ですか?皮膚の表面もポツポツ膨らみもでてきています。
実際に拝見していないため、正確な回答ではないことをご了承ください。
細菌感染症と考えています。観パラDでの薬浴で治療します。
薄めの濃度から開始し、ダメージを受けていない場合は濃度を上げていくのdすが、あわせて水換えも多めに行うと効果的です。
よろしくお願いいたします。