魚の餌やりはとても楽しいもので、餌を食べに寄ってくる姿はいつ見てもかわいいものです。
ただ、その餌、適切な方法で保存していますか?
上手く管理できていない劣化した餌を給餌すると、消化器にダメージを与えたり病気の原因になったりと、魚の健康を害してしまうことにもなりかねません。
餌の状態は魚の状態にもつながるので、気温や湿度、日光など、餌の質を変化させる要因にも気を付けて保存する必要があります。
そこで、今回は乾燥・冷凍・生餌といった餌の種類別に最適な保存方法をご紹介します。
魚の餌も保存状態で劣化する!
消費期限があることからもわかるように、魚の餌は月日の経過とともに劣化していきます。
保存方法が悪いと劣化が早まるので要注意。
特に下記の3点、
- 高い室温
- 多湿
- 直射日光
これらは、餌の質を下げる要因なので避けて保存する必要があります。劣化を防ぎ、より良い状態の餌を与えるためにも重要なことなので具体的に解説します。
室温が高いと劣化しやすい!
魚の餌には脂質が含まれているため、室温が高いと劣化(酸化)しやすいです。
劣化した餌を与え続けると、消化器にダメージを与えエロモナスなどに感染しやすくなるなど、病気の原因になることも。餌の温度が上がらない環境で保存することが、劣化させないためのポイントになります。
人工飼料は湿度・日光を避けて保存しよう
人工飼料は特に湿度や日光に弱いです。
保存方法が悪いと栄養価が高い分、カビが生えやすかったり虫が湧いたりすることもあります。
そのため、夏は涼しい冷蔵庫に入れて保管する方も少なくありません。飼育している生体の数やエサのサイズによっては専用の冷蔵庫を持っている方もいます。
さすがに餌専用の冷蔵庫を用意することは簡単ではないので、冷暗所に置くなど、対策しましょう。ただ、基本的には製品推奨の保存方法を取ることをおすすめします。
人工飼料・乾燥餌の保存方法
人工飼料や乾燥餌を保存する場合、
- シリカゲルを入れる
- スプーンを使う
- 小分けにする
といった方法で、劣化を抑えることができます。1番使用頻度が高い餌なので、最適な保存方法を把握しておきましょう。
シリカゲルを入れる
人工飼料や乾燥餌には、「シリカゲル(乾燥剤)」が有効です。
100円均一で売っているものでも十分に効き目があります。しかし、湿度だけ気にしていても、上記の通りに高温も良くないのでそちらも気を付けましょう。
手指ではなくスプーンで取り扱う
手指で直接触るのではなく、スプーンなど清潔なもので袋からすくったほうが餌に雑菌が付きにくいです。
雑菌が付着すると、それだけ劣化が早まるので避けたほうが良いでしょう。100円均一調味料入れなどの容器に入れて保存したり与えたりすると楽でいいですよ。
餌を小分けにする
餌は空気に触れる時間が長ければ長いほど劣化します。
使用する度にフタを空けていると劣化しやすいため、使う分だけ密閉できる別容器に小分けにして、残りは冷蔵庫や冷暗所に保存しましょう。この方法は、大容量の餌の場合に特に有効です。
あまり少量ずつも手間なので、2週間~1ヶ月程度の量を小分けにして使うことをおすすめします。また、冷蔵庫から餌を取り出す場合は、常温で少し置いてから小分けしたり使用したりなどしましょう。
すぐに使うと、結露して湿気の原因になります。
冷凍餌の保存方法
冷凍餌の保存方法では、
- 冷凍庫で期限を守って保存
- 再冷凍して使わない
といったポイントがあります。意外とやってしまいがちなので、この機会に保存方法を見直してみてください。
冷凍庫で期限を守って保存しよう
冷凍餌には、
- 赤虫
- ディスカスハンバーグ
- ミジンコ
- ブラインシュリンプ
- 小魚
といったように、さまざまな種類がありますが、必ず消費期限を守りましょう。一見、長期間保存できるように思いますが、“冷凍焼け”することで劣化してしまうことも珍しくありません。
もし、劣化した冷凍餌を給餌してしまうと、生体に深刻なダメージを与えてしまうことがあります。病気や体調不良を非常に引き起こしやすいので、餌の状態を確認しつつ消費期限内に使いきることが大切です。
再冷凍は絶対にNG!
冷凍餌を解凍して使い、余った分を再冷凍しているケースを見かけますが、これは絶対にNGです。
解凍したものを再冷凍して使うと、急速に劣化するだけでなく解凍する際に水分と一緒に栄養が抜けてしまいます。1度解凍した冷凍餌は与えて消費し、余ったらもったいないですが捨てましょう。
生餌の保存方法
生餌は生きているだけあって、保存方法が少し特殊です。
鮮度を保ったり生餌由来の病気を防いだりするために、生餌専用の飼育環境が必要になります。
生餌は鮮度が命!
生餌は新鮮であることに意味があります。
- 小赤
- メダカ
- ブラインシュリンプ
- ミルワーム
といった生餌は与える準備ができたら、すぐに与えましょう。間違っても、死んで時間が経過した生餌を与えてはいけません。
また、熱帯魚の稚魚を飼育する場合に、「ブラインシュリンプ」を使うことが多いですが、この生餌は孵化してから徐々に栄養が失われていくため、早めに与えることがとても重要です。
適切な育成環境でストックしよう
生餌自体も健康に育てないと、与える生体に悪影響を与えてしまうことがあります。
たとえば、生餌自体に白点病やエロモナスの症状が出ていれば、水槽内に病気を蔓延させてしまいかねません。病気にさせないクリーンなストック環境を整えるため、生餌専用の水槽や飼育器具を用意しましょう。
大量に生餌が必要な場合はコストがかかりますが、与える生体を健康に育てるための投資です。また、購入してきた生餌に異常がないか確認することも重要といえます。心配な場合は、生餌を「トリートメント(薬浴)」して与えるとより安心です。
まとめ:餌の種類別に最適な保存方法!乾燥・冷凍・生餌を保つために必要なこと!
餌は、飼育水の次に生体の健康を左右するものと言われます。
基本的に毎日与える物なので、質の悪いものを給餌し続けると健康に悪影響をおよぼしてもおかしくありません。
- 人工飼料・乾燥餌
- 冷凍餌
- 生餌
種類別に最適な保存方法を実践して、生体の健康管理に努めましょう。
トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。